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料理教室編

「男で料理教室なんて変ですよね?」


「そんな事はありません。


ひと昔前は確かに料理教室と言ったら花嫁修業の場でしたが、現在は男性の方も多いんですよ?


『男子厨房に入らず』なんて考えは過去の物です。


趣味が多様化して男性の方でも料理を趣味にしている方が増えているのが原因だと思います」


「良かった!じゃあ僕でも料理教室に入れるんですね!」


「もちろんです。


ですが今日は体験教室と言う事で、お試しで『普段どんな事をしているのか?』を見てもらおうと思っています。


先ず最初に料理の基礎を覚えてもらおうと思います」


「よろしくお願いします!」


「では『煮物について』を覚えましょうか?


ではじゃがいもを煮込みます」


「わかりました。


先ずはお湯を沸かして・・・と」


「じゃがいもの様な根菜類は水から煮ます。


そうしないと、表面はボロボロになって中はまだ堅いという事になってしまいます」


「根菜類?」


「地面の下で実る作物・・・と覚えて下さい。


この煮物の基本を覚えるだけで料理は飛躍的に楽しくなります。


これを覚えておくと煮物が煮崩れたり、半生だったり、中心が堅かったりする事が少なくなり、料理の失敗が減るからです」


「なるほど・・・他に何か料理をする前に覚えておく事がありますか?」


「そうですね・・・と、その前に覚えておいて下さい。


『料理下手』と言われる方には5タイプいると私は思っています。


・致命的に不器用である。

・知識が不足している。

・味見を全くしない。

・計量を全くしないで目分量がデタラメ。

・調味料の使い方が間違っている。


・・・の5タイプです。


先ず『不器用である』ですが、これはどうしようもありません。


料理の資質がないという事でしょう。


でも、テクニックは磨けば上達するものですし『料理出来ない程の不器用』という方は中々いません。


次に『知識が不足している』ですが、これは先程教えた『煮物の煮方』のように知識を得る事で解消できます。


逆に知識がないと煮崩れた煮物や芯のある煮物を作ってしまうのです。


これはハッキリ言って『覚える気があるか?』と言う話です。


覚える気がないと何十年主婦をやっていて何回も『根菜類は水から煮るんだ』と言われても平気で肉じゃがのじゃがいもを煮崩します。


そしてそのようにデタラメに作った物の味見をしないから『自分が作った物は不味い』という認識すらないんです。


こうして様々な料理下手の条件を上げましたが、冷蔵庫を開いてある物、余り物で料理を作る事が出来なくては『料理が出来る』とは言えません。


本当に料理が得意な人は色々な味付け方を知っていて、どんな味付けになるかイメージ出来る人の事を言います。


そうなれるために必要な事は『調味料の特性を知る』事です。


そういう意味でも調味料の使い方を知るべきなのです」


「わかりました!


では、今日は調味料の使い方のいろはを教えて下さい!」


「一口に『調味料』と言っても珍しい物から、よく料理の基本と言われる『さしすせそ』などがあります。


『さしすせそ』全部わかりますか?」


「えーと・・・


さ・・・刺身醤油

し・・・醤油

す・・・酢醤油

せ・・・せうゆ

そ・・・ソイソース

ですかね?」


「さからそまで見事に全て醤油ですね。


あいうえお作文じゃないんです。


真面目にお願いします」


「ごめんなさい。


本当はわかりません」


「最初からわかるほうが珍しいんです。


わからない事は別に良いんです。


ただ、計量だけは慣れるまでは必ずして下さい。


砂糖の過剰摂取も塩の過剰摂取も醤油の過剰摂取も身体に毒ですし、肉の臭い消しなどに使われるナツメグは過剰摂取により幻覚作用があり亡くなった方もいます。


料理を豊かにする調味料は使い方によっては非常に危険なのです。


また人間には毒ではないですが、他の動物には猛毒であるアボカドなどもあります。


その逆も然り、マムシの毒のように犬には効かない毒もあります。


料理には正しい知識と、正しい分量が必要なのです」


「わかりました!


必ず分量を量って正しく料理します!」


「では今まで覚えた事を念頭に置いて自由に料理してみましょうか?


わからない事があれば教えますし、何でも聞いて下さい」


「よろしくお願いします!」

───────────────────────


「煮方にも問題はありませんでした。


調味料の使い方、塩加減にも問題はありませんでした。


分量も間違いなく量っていました。


・・・申し訳ありません。


料理をする上でもう一つ知っておかなきゃいけない事があったんです。


それは『食い合せ』です。


そうです、『鰻と梅干し』とか『天婦羅とスイカ』とか『とろろとお茶』みたいな一緒に提供してはいけない物です。


貴方の使った冷蔵庫の中の食材『ココナッツミルク』『ドリアン』『チョコレート』『練乳』『片栗粉』『春雨』などの中に食い合せが悪い組み合わせがあったようです。


というか『料理下手』の認識を改めなくてはならないようです。


『使う食材にセンスがない』という料理下手もいるんですね。


いえ、貴方は料理教室に通うべきです。


でないと貴方の料理を食べた人は不幸になります。


しかし『食い合せが悪い』と精々食あたりのような症状が出るんだと思ってました。


女の私が食べても何の症状も出ないんですね。


・・・では貴方には料理教室への入会の特典としてエプロンをプレゼントさせていただきます。


え?こちらが良いんですか?


こちらは男性用です。


ほら、最近男性の入会者の方が多いって言ってたじゃないですか。


貴方にはこちらの可愛らしいピンクのフリルがついたエプロンをプレゼントさせていただきます」

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