SF編
「俺がなにするっていうの?」
「あなたは何もしません。
あなたは頭を打ってトイレで死にます。
世界を破滅寸前まで追い込むのはあなたの息子です。
私の役割は、あなたとある女性との出会いを阻んで『破壊の邪神』の誕生という最悪のイベントを阻止するために70年後の未来からタイムマシンでやってきたのです」
「う~ん・・・気持ちはわかるけど出会いのイベントを邪魔されるって言うのは面白くないな~・・・」
「貴方の相手の女性は『破壊の邪神』が生まれてすぐに産婦人科の医師と駆け落ちをします。
貴方は妻を寝とられるのです」
「もうジャンジャン邪魔しちゃって!
そんな惨めな想いするくらいなら、出会いなんて最初から無い方が良いから!
・・・でも、それってほとんど俺は子育てしてないって事だよね?
だって俺の奥さんになる予定の人は生まれたばかりの俺の子供を連れて他の男と駆け落ちするんだから。
子供からしたら俺が父親である事もわからないくらいなんじゃないの?
その子が『破壊の邪神』となるような人格を形成する教育は母親と駆け落ちした先の男によるもんなんじゃないの?
多分、その出会いの邪魔をした方が『破壊の邪神』が生まれる事の阻止につながると思うよ。
俺と話しててわかるだろうけど、俺の遺伝子はそんな破壊的な因子は持ってないと思うよ?
逆に俺の子供じゃなくても、誰の子供でもその二人に育てられたら『破壊の邪神』になるんじゃないかな?」
「その可能性は思い付きませんでした。
タイムマシンにはシュミレーターが積まれています。
シュミレーターは未来予知は出来ません。
しかしシュミレーターの未来予測の七割が、その通りになります。
シュミレーターで寝取る男と貴方の奥さんになる予定の女性が、貴方の言った通りに寝とられる貴方の遺伝子が入っていない子供を育てた時『破壊の邪神』になる可能性が高いかシュミレートしてみます」
「うん、それが良いと思うよ。
あと『寝とられる』って言うな」
「シュミレーターの結果が出ました。
貴方の予測通り貴方の遺伝子が入っていなくても『破壊の邪神』は高確率で誕生します。
『破壊の邪神』になる要因は産婦人科医である男の教育です」
「やっぱりね。
でもどうすんの?
産婦人科医である男が妊婦と知り合いになって恋仲になって駆け落ちをする・・・それって防ぐ手段あるの?
産婦人科医って毎日、数えきれないくらい妊婦と出会ってるんじゃないの?」
「では『破壊の邪神』が産まれないパターンがあるかをシュミレーターで見ます。
結果が出ました。
結論から言うと『破壊の邪神』が高確率で産まれない方法はあります。
まず貴方はこの薬を飲んで下さい。
この薬は何かって?
では貴方が飲んだ薬の効果があらわれるまで、この薬が生まれた経緯でも話しましょうか?
三十年後『破壊の邪神』の先導で第三次世界大戦が起こります。
それで60億人いた世界人口は30万人まで減ります。
そのディストピアと化した世界で人類が絶滅をしないために産み出したのがその薬です。
・・・薬の効果が完全にあらわれたようです。
では今後の『破壊の邪神』の誕生を阻止する作戦のあらましを説明します。
貴方が産婦人科医と恋仲となり彼の子供を産むのです」




