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プロローグ

視点がころころ変わります 

2000年。

21世紀の幕開けと共に、小泉内閣が発足。

世間では、イチローが活躍し、シドニーオリンピックに沸き立っていた、そんな頃の話。


 





 自己紹介をしましょう。

私の名前は山猫。

年は今年で40になります。

サラリーマン生活を早々と切り上げた私は、独学で資格を揃え、知人のアパートの管理人をしております。

アパートの名前は「夢見会館」

家賃は三万五千円(管理費込み)で、こう申しては失礼かも知れませんが、部屋は狭く、その数も多くはありません。

築年数も経過しており、住んでいるのは、


101号室 学生 

102号室 ミュージシャン志望のフリーター

103号室 作家志望のフリーター

201号室 俳優志望の外国人 (フリーター)

202号室 考古学者(自称)

203号室 私


 といった顔ぶれになっております。

そんなある日、私が自室のベランダで洗濯物を干していた時、1人の男性が、警察と揉めている様子が目に入ってきました。


「ふざけんなっ、俺はここの時代の人間だっ!」


 警察官に取り押さえられ、手を後ろに回された男は、そんなセリフを吐き捨てました。

警察の方も、


「黙っていろ!」


 と言って、そのまま男を連行して行きました。

この時代の人間、とは、どういうことか?

バック・トゥ・ザ・〇ューチャーの見過ぎか? そんなことがよぎりましたが、争った後の地面に、ハンドバッグが落ちているのに気付きました。

恐らく、あの男の持ち物でしょう。


「全く…… 世話の焼ける」


 ふう、とため息をつくと、私は1階へと降りました。

警察と争っていた場所までやって来ると、私はハンドバッグを手に取ります。

ふと、この時代の人間じゃない、という、男のセリフが頭をよぎりました。


「……本当に、未来から来た、というのなら、持っている物も、未来のもののハズでしょう」


 イタズラ心に火が付いた私は、中身を改めました。

もちろん、確認するだけです。

中から出て来たものは、分厚い本と、四角い小さな機械。

イヤホンが付いています。

MDプレーヤーとは違うようですが……

本のタイトルは、「ハリーポーターと賢者の石」

知らないタイトルですが、裏の発行日を見れば……


「……2001年!?」


 今年はまだ2000年。

本当に彼は、未来の人間なのでしょうか?


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