第9話:初仕事
『起きろー!遅刻するぞー!』(めざまし音)
「ムゥ、ムゥ、もう朝か!何で朝って早く来るんだろう?」
おーっ! こうしてはいられない、急がねば!
40分で準備完了!
モルモットのリリックに、「行ってきまーす。」と、しばしのさよなら。
駅まで歩いて、15分。 (また、満員電車の毎日か。嫌だな〜。)
大きな駅で乗り換えるのが大変!
(おいおい、そんなに押すなってば・・・あ〜つぶれる〜。)
(ウムッ?? だから、電車って嫌なの!!
ちょと後ろのおじさん、股の間にかばん入れてこないでよー、もー!!)
口に出して言えるわけも無く、私が降りるまでの20分間このままの状態。
OLの頃は、こんな電車通勤の毎日だったけど、
夕食配達の仕事ではバイク通勤だったので、
チカンの悩みからは、開放されていたんです。
しかし、今日また、この世界に戻ってきてしまった。
駅を降りると、歩いて20分。
バスも有るけど、待ってる間に、半分以上行けちゃうので、
ほとんどの人が歩いてます。
「やっと、門に着いたー!」
通門証がまだ無いので、ノートに名前を記入して、中へ入りました。
新たな1歩です。
更衣室へ行き、お菓子屋さんのようなユニフォームを着て変身!!
失敗は繰り返すまいと、昨日の帰りに、白パンツ購入。
なんか、高校生の頃を思い出すなー。
いよいよ、職場へ。
「少し早すぎたかな? 誰も来てないや。うんー、掃除でもしてよっと。」
ほうきを持ち、ハキハキ、10分。
みんなが、ぞろぞろ登場。
好感を持ってもらわなきゃ!
全力の笑顔で。「おはようございまーす。」
そして、朝のミーティング開始。
挨拶は昨日してるので、今日1日教えてくれる山口さんを紹介されました。
ミーティングが終わり、そばに行くと・・・。
小柄でちょっと太った50歳くらいのおばちゃんです。
「おはようございます、よろしくお願いします。」
『おはようは、1回でいいです。
同じことは2度言わないから、私のやることは、良く見ていて!』
あ〜苦手なタイプの感じがする〜。
ちょっと憂鬱だよ〜。
(つづく)(登場する人物・団体・場所の名前、名称は架空のものです。)