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胸の傷と心の傷  作者: 乙女一世
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第84話:湘南海水浴

朝4時、気持ちよく熟睡していたのに、目覚まし時計に起こされました。


「なんでこんなに早く起きなきゃいけないんだー! 


海なんて行かないで、寝てたいよー!」


昨日突然、海に行くなんて言われたから、お弁当なんて考えてる


余裕なんて無し。だから、パス!


もっとも、時間が有っても、料理なんて出来ないし、


私の作った物なんて食べたら、体が悪くなりそうだし・・・。


水着になるのも、胸の傷を翔太に見せることになるかもしれないことも、


昨日は、勢いで平気なようなこと言っちゃったけど、一晩寝て落ち着いてみると、


何だか憂鬱で、気乗りしない。でも、どうせ行くのだから、楽しい時間を


過ごした方が良いと、気持ちを切り替えることにしました。



あれやこれや支度をしていると、チャイムが鳴りました。


〈ピンポーン〜ピンポーン〜〉


「はーい!」


ドアを開けると、満面笑みの翔太が立っていました。


『ヨッ! オハーッ! ちゃんと起きていましたか?』


「誰かさんが、ノリノリだから仕方なくね。」


私たちは、車に乗り込み、出発しました。


私は、ハンドルを握りながら、少し気にしてしゃべりました。


「お弁当作ってないよー。」


『オー、そんなの、はなから期待してないよ!』


「なんか、ムカツクー。」



さすがに、朝の5時は、渋滞も無く、道路は空いていました。


6時頃には、茅ヶ崎に到着。


こんな時間でも、結構、みんな来ていて、車は多い。


車を駐車場に止めて、海の家を物色。


モダンな感じの所に決めて、暫し休憩。


『何か腹減ったな〜』


の、彼の一言で、近くのファミレスで、朝食を摂ることに。


少しのんびりして戻ると、「やばい!人が、急に増えてる〜!」


急いで、パラソルとチェアーを借りて、陣取り合戦。


どうにか、納得できる場所をキープ出来て一安心。


危うく、早起きして来た甲斐が無くなるところだったー。



ビーチも賑わい出してきて、私たちも着替えることにしました。


海の家に戻りましたが、2人とも、下に水着を着て来たので、


すぐに終わり、ご対面。


「お待たせ〜」と、出て行くと・・・。


彼が、固まった。


目が点になっている。


「オーイ! 大丈夫ですか〜? 意識あるか〜?」


私は、ふざけて彼の目の前に手を振ってみた。


翔太は、急にニヤケ顔になって、一言。


『やっぱ、水着はいいな〜。』


「なんか、いやらしーなー。」


『夏に感謝! 海に感謝!』


「あっ、翔太も、格闘家だけあって、体、締まってるねー。


腹筋も割れてるし・・・。」


と言いながら、腹筋に手を伸ばして、モミモミ。


『ギャハハ〜。くすぐってよー。じゃー俺もー。』


「バシッ! ばーか!」



大きな浮き袋を膨らませて、いざ海へ!


やっぱりはじめは、海の水と言えど冷たく感じて、ゆっくり浸って行こうと


思ったら、翔太が水を、バシャバシャ掛けてきた。


「ムカツクー、髪が濡れちゃったじゃない!」


『何言ってるんだよー。泳ぎに来たんだから濡れるに決まってるじゃんか。』


私も反撃!


キャーキャー言いながら、何だかドラマのような場面になってしまったけれど、


結局、こんなことをして、ふざけ合っているのが楽しいんだなーと、実感。


私は、泳ぎが得意じゃないから、デカ浮き袋の中に入って、いざ出航!


翔太が、デカ浮き袋を押したり引っ張ったり、揺らしたりしながら、


足の届かない所まで来てしまいました。



(つづく)(登場する人物・団体・場所の名前、名称は架空のものです。)



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