表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
胸の傷と心の傷  作者: 乙女一世
82/100

第82話:水着

『やめろよ。こんな雰囲気の中で、そんな大事なところ、見れないよ。』


「そっか、見ても、好きでいられる自信ないんだ〜。」


『ちゃかすなよ。自信ないとか、そんなんじゃない。


そんなレベルで遥を愛してるんじゃない。


遥が、俺を本気で好きになってくれた時、俺の愛を受け入れてくれた時に、


そうしたいんだよ。


だから、こんな俺の気持ちをテストするようなのは嫌だし、無意味だよ。』


「そっか。分かったよ。海、行こうか。」


『やったね! ほらさ、この雑誌に載ってるこれなんていいじゃん!』


「今話してた真剣な態度と、全然ちがうんだけど・・・。」


『決めた。これに似てるの買いに行こう! 俺、プレゼントするからさ。』


「聞いてないし。こんな小さいの・・・。ねぇ? 本気で私の気持ち考えてくれてるの?」


『ジョーダンだよ。俺の好み言っただけ。


じゃーこれなんて、割と大きいし、隠れるんじゃないの?』


「こんなの上から見たら、分かっちゃうでしょ。ビキニなんて、落ち着かないよ。


泳いでて取れちゃったら、海水浴どころじゃないし。


ワンピースしかありえなーい。」


彼は、私の手を引っ張って、だだっ子のように、


『行こう、行こう。見に行くといいのあるかもしれないしさ。』と、繰り返しました。


結局、強引に彼の手に引かれて、デパートに・・・。


販売時期も終わりのせいか、安くなっていて、中には半額の札も。


見ているうちに、楽しくなってきて、


胸があれば、こんなの着て楽しく遊んでいたんだろうな〜と、思ったり。


なかなか2人の意見が合わずに、何店も回ることに。


たまに、彼から試着の要請。こんなの着れるわけないっしょ。拒否〜。


どうも、彼の頭には、ビキニ以外有り得ないらしい。


私は、何だか、諦めモードに。


「こんだけ見ても無いなら、スクール水着でいいじゃん。」(冗談)


『えっ? なんかそれって、想像すると、逆にそそられる〜』


「ば〜〜〜か!!」


そして、私も根負け気味になり、ビキニもありかなっと。


気持ちを切り替えて見ると、案外、包み込むようなのもあったりして・・・


「これなら、ビキニでもいいよ。」


『ん〜〜。俺の好みじゃないけど・・・もう仕方ないか。』


「あたしも、折れたんだから、妥協してくれないとね。」


『ん〜それじゃ〜。これ!』


やっと、決まった。


『遥は気にし過ぎだよ。


俺、友達にだって、胸張って、本当のこと言って紹介できるけどな。』


「分かってないよ! 全然、分かってないよ。ばか!」


でも結局、買ってもらったからには、行かないわけにいかないな〜。


私の脳裏には、丸山さんとの記憶が甦っていました。



(つづく)(登場する人物・団体・場所の名前、名称は架空のものです。)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ