表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
胸の傷と心の傷  作者: 乙女一世
51/100

第51話:意地っ張り

それほどの事でもないのに、


なんとなく、意地を張る事ってありませんか?


そのことで、思わぬ方に事が向いてしまい、


こじれて、こんなはずじゃなかったのにと・・・。


どうも私は、意地っ張りのようです。




手紙を開くと、そこには、


[どうして、電話に出ないんだよ。メールの返事もくれないし。


今日昼休みになったら、すぐにバイク置き場に来てよ。]と、書いてありました。


もしかして、別れ話が書かれているのかなと、心の片隅に思っていた私は、なぜか、


ほっとしました。


チャイムが鳴り、仕事になりましたが、私は、どうしようか考えていました。


食堂での出来事もそうでしたが、西田さんと飲みに行くなんて、ありえません。


それも、私とこんな状態の時に。


そうこうしているうちに、お昼休みのチャイムが鳴りました。



結局、私は、みんながいつも居る定食のフロアではなく、そば&うどんのフロアに、


1人で行きました。


そう、隆志の待っているバイク置き場にも、行きませんでした。


うどんを食べ終わると、席が沢山空いていたのでそのままそこで、


携帯電話をチェックすることにしました。


昨日の夜、見た後にも、入っていました。


PM 11:16

〔遥、どこにいるの?心配です。連絡欲しいよ。〕


AM 12:07

〔許してくれないの? 100%僕が悪いの?〕


AM 1:40

〔返事してくれないと、解決しないよ。〕


AM 3:00

〔もしかして、このまま別れるつもり?〕


AM 4:07

〔付き合い出したばかりなのに・・・。〕


AM 5:36

〔明るくなってきちゃった。一体、どうするつもりなんだよ。〕


AM 7:08

〔そろそろ、仕事に行かなきゃ。なんか、つらいよ。〕



結局、自分のアパートに戻らなかったのか〜。


それに、寝てないんだ・・・。


でも、私が悪いんじゃないもん。


私が、携帯電話に気を取られていると、隣に誰かが座ってきました。


『こんなところで、1人で何してるんだよ。』と、池田君でした。


「ん・・・・・。」


『昨日の事で、みんなに顔合わせるの辛いだろうけど、みんなちゃんと分かってるよ。


それに、中根がひどく落ち込んでるんだよ。


青山を探して、あちこち行って落ち着かないし、会って話してやってくれないかなー。』


「中根君、何か言ってた?」


『電話かけて謝っても許してもらえない。って言ってたけど。』


「それだけ?」


『うん。そうだけど。他に何かあったの?』


「う〜うん。別に。」


『じゃー、行こう。』


「行かない。」


『どーして?』


「どうしても。」


『みんなに何て言えばいいんだよ。』


「適当に・・・。じゃー。」


私は、食堂を出て、隆志が来ないような場所のベンチに座って、


仕事の時間まで考えていました。


そして、お昼休みの終わり3分前になったので、仕事場に向かいました。


仕事場の扉を開けようとしたところ、後ろから誰かに腕を掴まれました。


振り向くと、隆志でした。



(つづく)(登場する人物・団体・場所の名前、名称は架空のものです。)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ