第47話:同棲最初の朝
同棲生活にプライバシーは、ないのでしょうか?
愛し合っていれば、そんなものないのですか?
すべてオープンな生活。
私には、難しいかも・・・・・。
次の朝、目が覚めると、ショック!
「たーいへん! 遅刻するよ!」
慌てた私の動きで、彼も目を覚まして、触ってきました。
さすがに今日は仕事なので、「だめー!!」
私は、強行に起き上がり、顔を洗いました。
「もー、早くしないと、遅刻するよ!」
それから、もたもたしている彼を手伝って一緒に朝食を摂り、片付けました。
そして、トイレを済ませて出てきたら、すぐに彼が入ろうとしたので、大騒ぎ!
「キャー、ダメー! ちょっと待って! 何ですぐに、入るのよ~!」
『何でって、出て来たから・・・。』
「どこかに、消臭スプレーなかったけかな?
あ〜わかんなーい! もうー、香水でいいや!」
【プシュー、プシュー、プシュー、プシュー、プシュー。】
「撒き過ぎたかな? まーいいや。」
『もう、我慢できねー。 入る!』
【 バタン♪ 】
『クセー! 何だよ、この臭い! ゲホッ、ゲホッ!』
約5分後。
『気持ちワル〜。』と、言いながら、彼がトイレから出て来ました。
「女の子の後に、すぐ入ろうとするからだよ!
今度から、あなたが先に入ってよね!」
『何だよ。トイレくらいで、騒ぐなよ。遥のなら、全然平気だよ。』
「そっちが、平気でも、こっちは、嫌なの!」
慌しい同棲生活の最初の朝を、なんとか切り抜けて、バイクに乗り、
職場の人に気付かれぬように、時間をちょっとだけずらして、職場に着きました。
そして、朝会が始まりました。
朝会はいつものように、終わりましたが・・・問題勃発!!
中根君のそばに居た人が、余計にも、
『お前、女物の香水の匂いがするぞー。』
『朝から何して来たんだよー。』と、言い寄っていました。
(あっ! やばぃ。なんで、気が付くんだよ~〜。)
私は、知らぬ顔して、スタスタと持ち場に逃げました。
今日は、西田さんと1日、梱包作業でした。
例によって、おしゃべり好きの西田さんが寄って来ました。、
『中根君、おとなしそうで、なかなかやるわよねー。』
「何がですか?」
『だって、朝から女の香水の匂いがしてるのよ。
女のところに泊まったに、決まってるじゃない!』
「朝の満員電車で、匂いが付いたかも知れないですよ。」
『それは無いわよ! だって、今朝、バイクで来る彼と会ったし、
電車で付いたくらいの匂いじゃないわよ。』
「そーかー・・・可愛い顔して、よくやりますよね。」
『あんた、あの子が可愛いと思うの?
そう思ってるのは、私だけかと思ってたわよ!
そう言えば、あんた達、仲いいもんねー。何か、聞いてんじゃないの?』
「いいえ、何にも、聞いてないですよ。
同じ会社で一緒に入ったから、話しやすいだけですよ。」
『私、今度、飲みに誘おうと、思ってるのよね。 来ると思う?』
「無理ですよー。」
『何でさ?』
「だって、西田さんって、29でしょ。彼は、22ですよ。
それに、香水の相手が居るみたいじゃないですかー。」
『あんたも言うわね! 香水の相手って、あんたでしょ。』
「ち、違いますよ! だれが、あんな人。」
『そう。じゃー、今度誘って、遊んでみーようっと。』
「そうですかー・・・。」
(なんだ、隆志って、案外もててんじゃん。
彼女いなかったなんて、嘘かもしれないなー。
でも、西田さん、おっぱい大きいし、年の割には子供っぽいし・・・。
・・・ ちょっと、心配かも〜。)
(つづく)(登場する人物・団体・場所の名前、名称は架空のものです。)