第46話:私のこだわり
私たちは、バイクで、隆志のアパートに向かいました。
『そこの2階。』
「ここがそうなんだ。 結構古いよね。 あ〜、ごめん。」
『うん。でも家賃安いんだ。ちょっと待ってて、荷物、取ってくるから。』
隆志は、階段を上がり部屋に入って行きました。
私は、少し外で待っていたのですが、なんか気になって、こっそり入っちゃいました。
すると、部屋の中は、ふとんが引きっぱなしで、本や服が散らばっていて、
足の踏み場が無いというのは、このことかという状態です。
「何この本?・・・きゃーエッチー。
わーっ! これも。 これも。 みんなHな本だー。」
『なんだよ! 待っててって言ったじゃんか。』
「なるほどね〜。別に平気だよ。隆志はスケベだって分ってるからさ。
あっ!レンタルビデオ店の袋だ! 何借りたの?
どれどれ・・・うっ! 」
彼は、慌てて袋を取り上げました。
『男なんだから、しょうがないだろー。恋人なんて、居なかったし。
もてる遥には、俺の気持ちなんて分からねーよ。』
「ごめ〜ん。傷つけちゃった?」
『そう、傷ついたよー。だからさー。』
彼は、私に抱き着いて来ました。
「もー、やーだ。こんな本の上じゃ。それに、汗かいてるし。」
『そんなの、どうでもいいよー。』
「ちょっとー、ダメだってばー・・・。」
結局、彼は止まらなくなって、最後まですることに・・・。
なんか、彼は、Hの為に同棲したいのかな?
と、ちょっと不安な気持ちにもなりました。
「ね〜、ほんとに赤ちゃん出来たらどうするつもり?」
『だから、僕は、欲しいんだってば。』
「そんなこと言ったって・・・。」
回りも暗くなった頃に、彼のアパートを出て、
途中で、らーめんを食べて、私のアパートに戻ってきました。
汗をかいていたので、すぐに私はお風呂に入ることにしました。
私が、お風呂から出て来ると、後ろから、
彼が「ギャーオ〜。」とふざけて、飛び付いて来ました。
見てみると、頭に私のパンツをかぶって、「宇宙人襲来!」とか言っていました。
「もー何してんのよー。勝手にタンス開けないでよ。」
『違うよ! あそこ。』
彼が指差したのは、昨日の朝、部屋に吊るした、洗濯ハンガーでした。
ブラとショーツだけ、4つずつ干してありました。
『だけど、4つとも色が違うよね。ピンクにブルーに、グリーンにオレンジ。
それぞれデザインも違うし、なんか高そうだよね。』
「しまったー。何で今まで干してあったことに、気づかなかったんだろう?
恥ずかしー・・・。
えっ? 値段? あ〜うん。ちょっと高いよ。
胸がこんなになったからだと思うんだけど、下着にこだわるようになって、
ブランドの服とかには興味ないんだけど、下着は、人よりも少しでも可愛い物、
きれいな物を着けたくて、お金掛けちゃってるの。
見られたくない傷を隠したい気持ち、
それを何とかおぎないたい気持ちが、そうさせるのかも。」
『なんとなく、気持ち分かるよ。』
「ありがとう・・・。」
『でも、これなんか、セクシーっぽくて、いいよね〜。』
「ちょっとー、せっかく洗濯したのにー、返してよ!」
『ほかには、どんなの有るの? ひもパンとかは?』
「調子に乗るなよー。 でも、友達に貰ったのが有ったかな?」
『見たい!見たい! 遥のひもパン姿見たーイ!』
「そんなの、はかないし、どこか行っちゃったよ。」
『じゃー、俺が探すよ! このタンスだよねー。』
「ちょっとー、やめてよー。信じらんない! 普通、タンス開けるか?」
『でも、どこだか分かんないんでしょ? それじゃ〜。』
「分かったよ。ちょっと待って・・・。」
次の展開が、想像ついていたので、どこかに行っちゃったと、言ったのですが、
出さない訳に行かなくなり、「有ったよ。」と告げると、結局、はかされることに・・・。
奥の部屋で着替えて、下着姿で出て行くと、恥ずかしがる私をじっと見て、
『お尻、丸出しじゃん!そんな子はおしおきだよー。』とか、言って襲ってきました。
嫌がる私の抵抗虚しく、また、されてしまった私。
でも、いったい彼は日に何度すれば、気が済むのだろう?
今まで恋人がいなかったことの反動?
こんなことを、毎日繰り返していたら、そのうち私とのHに飽きて、
もしかして、私のことを早く飽きてしまうかもしれないなーと、不安を感じてしまいました。
(つづく)(登場する人物・団体・場所の名前、名称は架空のものです。)