表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
胸の傷と心の傷  作者: 乙女一世
45/100

第45話:同棲

この時、私は、25歳でした。


丸山さんに、「さん」付けしていたのは、私より年上で、27歳。


中根君に、「君」付けしていたのは、私より年下で、22歳でした。


金のわらじは、履いてなかったな〜(笑)



『なっ!俺と結婚してくれよ。俺、頑張るからさ。』


「ん〜〜。でも、ちゃんと付き合いだしたのは、今日からだよ。


だから、半年後にまだ今の気持ちのままでいたら、ちゃんとプロポーズして!」


『え〜、半年? 長すぎない? もっと早くしようよ。』


「半年後まで、今の気持ちでいる自信ないのね?」


『そうじゃないよ。気持ちが変わるはずないのに、待つなんて、時間がもったいないよ。


早く遥と、一緒に住みたいんだよ。』


「別に急がなくたって、いいじゃない?


仕事で毎日会ってるし、帰りにデートだって出来るし。」


『でも、今日もそうだけど、デートの後、帰りたくないんだよ。


2人とも、1人暮らしなんだし、一緒に住んだって、支障ないだろ?

 

さよならって、別れる時が凄く辛いんだよ。』


「そんなに、同棲したいの?


私は、そんなけじめのない生活は嫌だなー。」


『愛し合うもの同士が、一緒に暮らすのは当たり前のことじゃないか。


遥は僕のこと愛してないの? 愛してないのにHしたの?』


「私の気持ちが不安定になってる時に、嫌だって言ったのに、


強引に隆志がしてきたんじゃない。」


『だって、ずっと好きで、我慢出来なかったんだよ。


遥だって、本気で拒否ったわけじゃないだろ?』


「う〜ん、まーね。


色々有って、混乱して、隆志の言ってくれてることが、


ほんとに嬉しくて、いいかな〜と、思ったんだよ。


今考えてみれば、毎日、隆志が助けてくれたから、


優しくしてくれたから、仕事が続けてこれたんだと思うよ。


もっと早く気付かなきゃいけなかったと思う。


丸山さんの見た目のカッコ良さ、偽りの優しさに騙されて、


隆志が、いつもそばに居てくれてたことに気付かなかった。


丸山さんにひどい事言われて、死ぬほど落込んでいる時に、


隆志に優しくされて、私の心は隆志を求めていたんだとわかったよ。」


『だったら、一緒に暮らそうよ。


僕は遥のこと守るから、遥はいつも、僕のそばに居てくれよ。お願いだよ。』


「でもー。


ん〜、私、正直言って、自信ないよ。


隆志に見られたくないことや、知られたくない事も有ったりするし・・・。」


『え〜何だよ、それ。 俺のこと好きなら、そんなものないはずだろ?』


「でも、好きだから、嫌われたくないから、そういうこともあるんだよ。」


『それって、すっぴん見られたくないとか? いびきかくとか? 料理出来ないとか?


でも、そんな半端な気持ちじゃないんだよ!』


「ん〜、そんなに、責める様に言わないでよ。涙出てきちゃったよ。」


『ごめん。でも、料理なんか俺がするし、教えてあげるよ。


ほかにも、出来ないことあったら、僕がやるし。


僕のこと、信じていいよ。


遥のどんな姿見ても、気持ちは揺るがないよ。』


「う〜ん、そんなに言うなら、分かったよ。


お互いのことを、早く色々知るのにはいいのかもね。


でも、嫌なところ見て、嫌いになっても知らないよ。」


『やったー。ありがとう!


それじゃ、このまま、遥のところに、転がり込むよ。


荷物は少しずつ持って来るし。


とりあえず帰りに、着替えと必要な物取りに行こう?』


「えっ? 今日から? それに私の方で暮らすの?」


『うん、だって、俺んとこより広いし、きれいだしね。


それに、持ち物、俺の方が少なくて済むよ。』


「どうしよう・・・なんか嫌だけど・・・ん〜・・・まーいっか・・・。」


 隆志が、またキスしようとしてきました。


 私は、目をつぶり、受け入れました。が、やっぱり彼は震えていました。


「そんなに、緊張するかな〜。」


『するする。遥は、自分の魅力に気付いてないんだよ。


ほんとに、かわいいしさ。


俺のものになったと思うと、もう、ドキドキだよ。』


「誰があなたのものになったって言ったの?


私そういう風に言うのって嫌い。私は、物じゃないわよ。」


『ごめん。そんなつもりじゃないんだけど・・・何て言うか・・・。


僕だけに、遥は許してくれているんだと思うと、うれしくてさ。』


「別に言い直さなくたっていいわよ。気持ちは分かるから。


だけど、泣かせたら、さよならだからね。」


『うん。わかったよ!』


「じゃー行こうか。」                    



(つづく)(登場する人物・団体・場所の名前、名称は架空のものです。)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ