第3話:緊張の面接
エレベーターに乗り込み、いざ5階へ。
ドアが開くと廊下にドアが4枚。
「さぁーどれだ?」
手前から、会社名を確認していくと、最後に残った一番奥のドア。
ドアに数歩近づいて行くと・・・まずい!
緊張のあまり、トイレに行きたくなっちゃった!
振り向くと、運良く反対の端にトイレのマークを発見。
スタスタとトイレに向かって仕切り直し。
「何で私、こんなに緊張してるんだろう?」と急に我に返り、深呼吸。
落ち着いて、廊下を戻ると、ドアをノックして中に!
「失礼します。」
『こんにちは、どちら様でしょうか?』と、可愛らしい女性の返事。
用件を告げると、パーティションで区切られた部屋に案内されて、
中で待つことになりました。
20歳から30歳くらいの男子が5人。
みんな何かを考えている様な、妙な雰囲気。
数分経つと、名前が呼ばれ一人が出て行きました。
別の区切られた部屋で、一人ずつ面接を受けている様子。
そして、新しい男子が2人入って来ました。
4畳半くらいのスペースに5,6人いると、結構つらい。
それに、女は私だけ。「来るとこ間違えたかな?」
斜め前の2人が、ちらちら私を見てるのが、やけに不快。
用があるなら、ハッキリ言えつーの!
すると、突然。
『青山さん!』
「はい!」
早く着いたこともあって、私が呼ばれるまで、30分くらい掛かりました。
出てみると、そこには、30歳くらいの四角い顔の男がニッコリ。
言われるままに、別室の椅子に座りました。
四角い顔の男は、私の前に座り、履歴書に目を通しながら、
『今までに、派遣や工場で働いた経験はありますか?』
『腰痛や病気とか有りますか?』
『希望することは有りますか?』などの質問攻めの15分間。
『では、今回募集の内容はこちらです。』
どうも機械部品の検査、梱包の様子。
「女性でも、大丈夫ですか?」
『現場の社員に女性が数人いるし、性別を特にうたってないので、大丈夫だと思いますよ。
もし、駄目な時は、他にも有りますし、心配は無いですよ。
明日、現地の面接が有りますが、来れますか?』
リズムのある会話につい、
「はい。」 と返事をしてしまい、
6ヶ月契約で採用になってしまいました!
(つづく)(登場する人物・団体・場所の名前、名称は架空のものです。)