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胸の傷と心の傷  作者: 乙女一世
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第28話:気になる視線

いよいよ、丸山さんのライブ当日。


朝日ランド遊園地の天気は晴れ。


みんなは、小林君のワゴンで、現地にやって来ます。


私も、誘われましたが、1時間早く来るように言われていたので、


親友の涼子とバイクで、一足早く着きました。


なぜ、涼子も?と言うと、


みんなが、女友達を連れて来いとうるさかったので、仲良しの涼子にお願いしました。


彼女も最近は誰とも付き合ってないようで、軽くOK!


遊園地に入って少し歩くと、階段の下から楽器の音が聞こえてきました。


階段の上に立つと、下には、ステージと折りたたみ椅子を、


きれいに並べた観客席が有りました。


涼子が、「ちゃんとしたステージじゃん。早く聴きたーい!」と、私よりはしゃいでいます。


観客席の3列目くらいまでは、スタッフやファンらしき人達で、埋まっていました。


近づいていくと、バンドの1人が私に気づき、おいでおいでをしていました。


それに従い、ステージ横に行くと、丸山さんが迎えてくれました。


『ようこそ、パープルシャドーのライブへ。』


「おはようございます。1時間前にと言われたので来ましたが、何をするんですか?」


『椅子を並べてもらおうと思ってさ。』


「えっ? でも、椅子はもう・・・。」


『冗談だよ。歌ってもらうんだよ。その為に練習したんじゃんか。


だけど、僕らのライブとしてじゃなくて、音の最終チェックとして、


僕らの前に、歌ってほしいんだ。』


「ほんとに歌うんですか?」


『もちろん。 準備出来たら、1度練習しようか。』


『やったね! 遥!』 涼子が、やけにうれしそうだった。


私は、もしかしたらとは思っていましたが、実際にステージを目の前にすると、


なんか胸がどきどきして,逃げ出したくなってきました。


丸山さんは、メンバーを集め、打ち合わせを始めました。


そして、5分くらい経つと、私を見て、『ステージ上がってくれる?』と、右手で合図。


私は、仕方なくステージに上がり、スタンドマイクの前へ。


目の前には観客席が広がり、まるで学校の体育館の壇上に立ったようでした。


そして、演奏が始まり、私はドキドキしながら歌い始めました。


ところどころ、チェックが入り、止まりながら、「ストロベリードリーム」を歌いました。


そして、続けて同じように、「フレンディー」を歌いました。


開園して間もないこともあって、お客さんは多くは居ませんでしたが、


入り口から、この広場を通らないと、奥に行けないこともあって、


通行する人達も、こちらを見ながら歩いたり、中には立ち止まる人もいました。


もう一度、歌うことになり、徐々に落ち着いてきた私は、


考えながら歌えるようになってきました。


演奏の方も音が合ってきたようで、明らかに最初と違いました。


冷静になってみると、案外ステージでは、音が取りづらいことに気づきました。


生の演奏音とスピーカー音そして、モニタースピーカーからのそれぞれ違った音が、


耳に入って来るからです。


練習が終り、本番まで観客席で待っててと言われて、観客席に座っていると、


前列にいるファンらしき人達から、時折にらまれていることに気づきました。



(つづく)(登場する人物・団体・場所の名前、名称は架空のものです。)

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