表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
胸の傷と心の傷  作者: 乙女一世
19/100

第19話:グループ分け

私は、家に着いて落ち着くと、明日から池田君が来ることを思い出しました。


「そーだ! 池田君に、もらった早園麻紀のCD,聴いてない!」


絶対に、話題にしてくるから、少し聴いておかないと・・・。


CDプレヤーのスイッチを入れると、曲が流れ始めました。


「女性とのデュエット曲なんだー。早園麻紀もなかなかいいじゃん。


池田君は、これが1番好きなんだー、ふ〜ん。


もしかして、私とデュエットする気?


そー言えば、覚えてきてとか言っていたような・・・。」


それから、私は、池田君に言われたからという訳でなく、自然と何度も聴いて、そのまま寝てしまいました。



朝が来て、いつものように忙しく、家を出ました。


朝礼で、今日の仕事を言われたのですが、まだやったことの無い仕事で、部品の検査を言われました。


挨拶くらいしかしたことのない、30歳くらいの女性の西田さんに、教えてもらうことになりました。


「よろしくお願いします。」


『よろしくね。この仕事は簡単だから・・気楽にやって!」


その言葉の通り、一つずつ機械にはめれば、あとは機械が判定してくれるので、


今までで1番簡単でした。


しかし、それが良かったのか? 悪かったのか?


西田さんが、話しかけてくるので、私もつい調子に乗って、ペラペラ・・・


話題が、北村さんのことになりました。


『あの人、頭くるのよねー。しゃべれないからって、楽な仕事ばかりして、それを当然のようにして、係長もそんな仕事ばかりしか、やらせないし、ねーねー、あの2人できてると思わない?』


あ〜あ〜聞きたく無い事、聞いちゃったよー。


こういうところから、グループ分けされちゃうんだよなー


私は、北村さんのことが気に入ちゃったけど・・・。


西田さんは、山口さんや松本さんといつも一緒。


北村さんは、金子さんといつも仲良くしてるし、確かに係長と仲が良さそう。


さ〜困った。とりあえず、良く分からないので、「あ〜そうなんですか〜。知りませんでした〜。」この返事の繰り返しとなってしまいました。


どこの職場でも、あるんだな〜。


私は、みんなと仲良くしたいのだけれど、案外こんなどっちつかずの気持ちが、1番嫌われたりするんだよね〜。


仕事は、楽だけど、こういう話は嫌だよー。




〔キンコーン♪、カーンーコーン♪〕


「お〜お昼だー。」


いつものように食堂に行くと、イター! 池田君。


でも、こっちを見ない。


「池田君、久しぶりー。」とりあえずの、私の挨拶。


池田君は、下を向いたまま、


『あ〜・・・。』の返事。


「うまくいってないの?」


池田君は話したくないのか、仲良しの小林君が答えた。


『朝、仕事場に行ったら、3人に囲まれて、《よくも、係長にちくったなー、お前、絶対に辞めさせてやるからなー。》って、言われたんだとさ。


仕事も教えてくれるのは、係長が居る時だけで、居なくなると前よりもひどくて、《じゃまだ!》《消えろ!》《うざい死ね!》とか言われて、たまに、蹴られたりするんだって・・・』


「ひどいじゃない、本当なの? 池田君!」



(つづく)(登場する人物・団体・場所の名前、名称は架空のものです。)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ