出雲大社に行ってきたので。
「ここってさ、縁結びで有名なんだって」
あーそうなんだーへぇー
と二人の声が重なって返事した。
んじゃあなんで3人で来た!?
敦子と私の気持ちが通じた瞬間だった。
縁結びの神様も、
三角関係状態でこられたって困るだろう。
「すごいね、この縄。どうやってつりさげたんだろう」
のんきに写真を撮る達也。私ほ敦子の様子を伺っている。逆もまた真である。
「せっかくだから、二人でとってあげようか?」
なんで!?…そう思いつつ女二人でカメラの中。
「お守り買ってくるね」
と言って驚きの速さで敦子は帰ってきた。
「二人ペアだったから、あげる。」
「あーありがとう。」
…縁結び…!縁結びのお守りだよ…!
と思ったが私は何も出来ずに、あぁいいねとか言っていた。
どこにつける?なんて言って、敦子は勝ち誇ったような余裕を私にみせつけていた。
どうせ私は何も出来ないぶさいくな女ですよ、
神様に向かって4回手を叩いた。
「なんか怒ってる?」
怒ってねぇし!と私は達也に叫びたかったけど、え?全然そんなことないけど?と軽く笑いながら返事した。
敦子は無駄に多くのお土産を買おうとしている。 「なんでここに来ようと思ったわけ?」
私は達也に問いかけた。
「新しい道が出来たから。来やすくなったから、行こっかなって思っただけ。」
「それなら男友達と行けばよかったじゃん。」
「あー確かに。」
なんだそら。別に私が来なくてもよかったんじゃん。来なかったら、こいつが敦子といちゃついてるところを見なくてすんだのに。いや、そんなにいちゃついてないけど。
「でも、この3人楽しいじゃん?俺は好きだよ。」
まぁね、長い付き合いだしね、そういって顔を見合わせて自然に笑った。私は達也が笑ってる顔が好きだ。
「そうだ、はい。」
そのまま自然に達也はカバンから小さな袋を取りだし、私の手に渡した。
「俺とお前と半分こ。…縁結びで有名…だし。」
達也の耳がほんのり赤くなるのが私には分かった。
敦子が大きな紙袋を持って、ごめんねー長くなっちゃってーと言っているのが少し遠くから、聞こえた。