77.聖剣、加入
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
クズポンを追い払い、戦場に静寂が戻る。
瓦礫の山となった広場で、わたしは手に持っている聖剣を見下ろした。
戦いの熱が残っているのか、刀身がドクン、ドクンと脈打っている。まるで心臓が動いているようだ。
じんわりとした温かさが、柄を握る掌から伝わってくる。
「ん? まだ熱を持ってるのかな? よしよし、痛くないよ。もう終わったからな」
わたしは赤子をあやすように、刀身を優しく撫でた。
その瞬間だった。
カッ、と目を開けていられないほどの眩い光が、聖剣から溢れ出す。
「うおっ!?」
わたしは驚いてのけぞった。
手の中で硬質な金属の感触が消え、代わりに柔らかく、温かい重みが腕の中に落ちてくる。
光の粒子が収束し、一つの形を紡いでいく。
それは、剣ではない。
白銀の髪に、宝石のような青い瞳。光で織られたような薄手のドレスを纏った、小さな少女だった。
「……あ」
少女が、ゆっくりと瞬きをする。
その瞳がわたしを捉えた瞬間、とろりと潤んだ。
彼女はそのまま、わたしの胸にぎゅっとしがみついてくる。頬をスリスリと服に擦り付け、甘い溜息を漏らした。
「あたたかい……。あなたが、わたしをなおしてくれたのですね……ますたぁ……♡」
「えぇぇ!? 人になった!?」
わたしは思わず裏返った声で叫んだ。
リペアのスキルが、道具を新品にするだけでは飽き足らず、ついに擬人化の領域まで達してしまった……とか? わ、わかんない。
でも少女から伝わる体温は、確かに人間そのものだ。いや、人間よりも純度が高い、精霊のような気配を感じる。
呆然とするわたしの周囲に、家臣たちが集まってきた。
「……主よ、また増えましたね」
エリーが呆れたように溜息をつく。その視線は、わたしの腕の中にいる少女に釘付けだ。
「剣が人の姿をとるとはな……。だが、主の腕ならあり得る話だ」
キリカは腕を組み、感心したように頷いている。
「あらあら、ライバルが増えちゃったわね~。主様ったら、本当に手が早いですこと」
「むぅ、あやつのボディ、わらわが打った剣より硬いのじゃ……。解せぬ」
真魚美がクスクスと笑い、トールが悔しそうに地団駄を踏む。
聖剣の少女は、周囲の視線に気づくと、ビクリと肩を震わせた。前の持ち主の記憶があるのか、怯えたようにわたしの服を握りしめ、背後に隠れようとする。
だが、わたしを見上げる瞳だけは、全幅の信頼と好意に満ちていた。尻尾があるなら、間違いなくパタパタと振られているだろう。
「主よ。旧廃棄王『キエリュウ』の縄張りは、これで完全に貴方様のものとなりました」
エリーが少女への視線を切り、わたしに向かって跪く。
その言葉を聞き、周囲にいた魔物たちや、無法者の黒服軍団が一斉に頭を下げた。
勇者すら撃退した実績により、このエリアの住人は完全にリオン・カンパニーにひれ伏したのだ。
黒服たちも、もはやただのチンピラではない。立派な「社員」としての誇りをその顔に浮かべている。
「これで一安心だね」
わたしはホッと息を吐いた。これで平和にリサイクル業に専念できる。
だが、エリーは首を横に振った。
「いえ。ここは広大な廃棄都市の、ほんの一区画に過ぎません」
エリーが瓦礫の地面に、棒きれで大雑把な地図を描く。
彼女が示した範囲は、今のわたしたちの支配領域よりも遥かに広大だった。
「この先には、まだ手つかずの広大なエリアが広がっています。そこには、数え切れないほどの『廃棄物』たちが眠っているのです」
普通なら、さらなる強敵の存在を示唆する絶望的な情報だ。
しかし、わたしの目には違って映った。
機械、肥料、食料、魔法具。
それはつまり、無限のリサイクル素材の山が、手つかずで眠っているということだ。
「すごい! まだそんなに『資源(お宝)』が眠ってるの!?」
わたしは目を輝かせ、身を乗り出した。
喉から手が出るほど欲しいお宝が、誰にも拾われずに放置されているなんて、資源の無駄遣いにも程がある。
「よし! じゃあ、事業拡大だ! この廃棄都市にあるすべてのガラクタを、わたしたちの手で『価値あるもの』に変えよう!」
わたしの号令に、社員一同が拳を突き上げた。
「「「リオン様、バンザァァァイ!!」」」
地響きのような歓声が上がる。
聖剣の少女も、状況はよく分かっていないようだが、つられてニコニコと笑い、わたしの腰に抱きついたまま「ばんざーい!」と小さな手を上げている。
瓦礫の山の向こうから、新しい朝陽が昇ってくる。
その光は、まるでわたしたちの輝かしい未来を照らしているようだった。
わたしたちの「国作り」は、まだ始まったばかりだ。
さあ、いこう。わたしたちの活躍はこれからだ!
【※読者の皆様へ、大切なお知らせ】
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
リオンの物語は、一旦これにて完結。
第3章以降の続きを執筆するかどうかは、
本当にまだ何も決まっていないので、一度キリのいいここで完結設定とさせてください。
(数日後、こちらのページで『続編の有無』をお知らせするので、フォロー登録は外さずにそのままでお願いします!)
作者の今の正直な気持ちを言いますと……どうにかして、この作品で『日間総合1位』を取りたいです。
そしておそらく、第1章を完結した『今日』が、
本作における『最後のチャンス』です。
「第3章が、続きが読みたい!」
「第2章面白かった!」
「続きの執筆もよろしく!」
ほんの少しでもそう思ってくれた方は、
この下にある評価欄を【☆☆☆】→【★★★】にしていただけたら幸いです。
★評価は小説執筆の、
巨大な原動力になりますので、どうか何卒よろしくお願いいたします。
最後になりますが、ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。
願わくば、また第2章で会えることを楽しみにしております!




