表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/70

26.魔法のゴミ袋を発明して、子供たちにお小遣い稼ぎを頼みました


 翌朝。

 わたしはフラフラになりながら、食堂へと向かった。


「おはようみんな……」


「ど、どうしたんだよ、リオン様……」


 子供たちは、みんな朝ご飯を食べていた。

 うちで採れた野菜のポタージュだ。

 心配そうに声をかけてきたのは、子供たちの代表格であるトニー。


「うん……ちょっとね……」


「いやちょっとって……だいぶゲッソリしてるけど……リオン様、何あったの?」


 隣に佇むアナは、対照的に肌がツヤツヤと輝き、女神のような微笑みを浮かべている。


「ご褒美を、少々♡」


「ご、ご褒美……」


 トニーがわたしを見て、あきれたように言う。


「羨ましい……」


「ううん、地獄だったよ……天国でもあったけど」


「なにそれ」


 ほんとだよ。

 愛が重いって、物理的にも重いんだね。


 わたしは気を取り直し、椅子に座る。

 テーブルの上には、野菜のポタージュ、蒸し野菜、サラダ。

 見事に野菜づくしだ。

 まあ、野菜しかないからなんだけど。


 野菜は体にいい。

 でも、偏るのはよくない。

 野菜ばっか食べてても、栄養が足りなくなってしまう。

 特に、育ち盛りの子供たちや、肉体労働の餓狼団にはタンパク質が必要だ。


「みんな、注目ー」


 パン、と手を叩く。

 食堂には、結構な人数が集まっている。

 いつの間にか、家臣たちは増えて大所帯になっていた。


「今後の方針について、話します」


 こういうのは、リーダーがちゃんと決めとかないとね。


「今後は……お金を稼ぐよ!」


「どうして?」


 とトニー。


「食料が、現状野菜しかないからね。それ以外の食料を手に入れようとするなら、商人から食材を買わないといけない」


 この森は、白骨樹海。

 塩害のせいで、森の恵み……たとえばキノコとか、木の実とかは、ほとんど採れない。


「牛とか飼うのは?」


「逆に聞くけど、飼える? その後の処理は?」


「できない……」


「ね。なら、まずは持ってる人から買うのがベストだと思うんだ」


「廃棄都市で買うの?」


「うーん……今はまだ買いたくないかな、あそこ」


 廃棄都市は、基本、物々交換が主流だ。

 でもあそこには闇市がある。

 闇市で売っている、出処のわからない肉を買うのは……ちょっと怖い。

 領主として、そこの衛生管理を改善できていないのは、情けない限りだけども。


「まずは目の前の、みんなを食わせていくことが、課題だと思ってるんだ」


「それで……お金稼ぎ?」


 トニーに言われて、わたしは頷く。


「そう。まず、お金を作って、それでよそへ行って、食材を買う。できれば、行商人が来るようにしたい」


「でも……お金ってどうやって作るの?」


「そこは、わたしのリサイクルショップスキルでやるから任せて!」


 リサイクルショップ。

 このスキルには、掘り出し物を探す【市場調査リサーチ】、そしてそれを元通りにする【商品修繕リペア】がある。


「あ、なるほど。リオン様が珍しい道具を拾って、リペアして、それを売るんだね」


「そゆこと! だから、これからわたしは廃棄都市周辺を巡って、掘り出し物を探してくる。みんなは、ポイント稼ぎをしてきてほしいんだ」


 リペア、リメイクなどには、ポイントが必要となってくる。

 価値が高いものほど、スキル使用にはそれだけ高いポイントが必要となるからね。


「トニーたち少年の部のみんなは、桜香を連れて塵拾い。ガラたち、餓狼団のみんなは、館周辺の魔物狩りをお願いね」


 ガラがこくりと頷く。


「魔物の死骸もポイントになるからだね?」


「そういうこと。ごめんね、みんなにも負担かけちゃって」


 ほんとは、リーダーが一人で頑張んないとダメだとは思う。

 でもわたしはまだ体が八歳だし、わたしのリサイクルショップは、ノーコストで使えるスキルじゃあない。

 どうしても、人手が必要となってくる。


「謝らないでよ」


 トニーが笑顔で遮った。

 周りの子供たちも、力強く頷いている。


「オレら、リオン様に命を助けてもらって、ご飯も食べて、ふかふかのベッドで寝かせてもらってる。……もらいっぱなしじゃ、男が廃るんだよ」


「トニーくん……」


「オレたちだって、この街の住人だろ? リオン様の役に立ちたいんだ。だから、なんでも命令してくれよ!」


 その言葉に、胸が熱くなる。

 ただの庇護対象じゃない。彼らも立派な、開拓団の一員なんだ。


「トニー……みんな……ありがとう!」


     ◇


 食事の後、わたしたちは外に出る。

 トニーたちは、わたしが配った革袋を持っている。


「リオン様、これなぁに?」


「それは、わたしのリサイクルショップスキル【買取】が付与されたゴミ袋だよ」


「! スキルを……付与!? そんなこともできるの!?」


「うん。ほら、こないだレベル2になって、遠隔での買取ができるようになったでしょ? それを応用したんだ」


 革袋には、『★』のマーカーがついている。


「そのマーカーがついてる袋には、【買取】の力が遠隔で繋がっているんだ。これで、わたしがいなくても、その袋の中に塵を入れればポイントにできる」


 もっとも、できるのは買取だけ(ゴミをポイントに変えるだけ)。

 貯蔵はできない。まあできなくはないけど、手分けしてやると、すぐに貯蔵量のキャパオーバーになるし。

 わたしが拾ってきた、大事な掘り出し物を収納するスペースが減ってしまうからね。


「ちょ、ちょっとやってみる」


 トニーが草むしりをする。

 そして、むしった雑草を、リサイクル袋(今命名)に、ポイ捨てした。


 シュオンッ!


 袋の口が淡く発光する。

 中に入れた雑草が、光の粒子に分解され、空間に吸い込まれるように消滅した。


『1RPを獲得しました』


 わたしの脳内に通知が来る。

 うん、問題なし。


「「「おおーすげえー……」」」


「ご主人様よぉ……こいつひょっとして、とんでもねーモンじゃねえのか?」


 ガラが感心したように、袋をつまみ上げる。


「ほら、魔法袋マジックバッグってあっただろ。重さとか大きさを無視して、何でも入れられるやつ。あれ、国宝級に高ぇらしいじゃん。それをいくつも量産できるってことだろ?」


「そーだね。でも結局全部ポイントになって消えちゃうから、魔法袋より価値は下がると思うよ」


 ためておければそりゃすごいけどさ。

 これは一方通行のブラックホールみたいなものだ。


「それでも、すげえゴミ袋にはちげーねーさ。買取って、たしかポイント消費しないんだろ?」


「うん。だから、無限にリサイクル袋は作れるね」


「サラッと言ってるけど、マジすげーからさ」


 苦笑し、ガラはわたしの頭をワシワシと撫でる。

 くすぐったいけど、悪い気はしない。


「んじゃ、行ってくる!」


「オレらも! 桜香姉ちゃん、行こうぜ!」


「わふー! 散歩だ散歩ー!」


 桜香が子供たちを引き連れて走り出す。

 ガラたちも、武器を担いで森の方へ向かった。


「うん! よろしくね、みんなー!」


 ブンブンとわたしは両手を振る。

 さて、残されたのはわたしとアナ、キリカの三人。


「で、わたしたちは何するの?」


「資源調査で、ちょっと見つけたものがあるんだ」


「見つけたもの?」


 わたしは【市場調査リサーチ】のウィンドウを空中に展開し、二人に見せた。


~~~~~~~~~~

【???:#”I$"Mの剣】

【レア度:測定不能エラー

【状態:■■■■■】

【価格:――】

~~~~~~~~~~


「なんか……文字が変だね」


「うん、あと『測定不能エラー』ってのが気になって」


「どういうこと?」


「いつも、価値は、RやC……コモンみたいに、ちゃんと評価されるんだ。でも……こんな表示は初めてで」


 バグなのか、それとも鑑定できないほど上位の存在なのか。


「なるほど……何かあるって、思ったんだね?」


「うん。リサーチに引っかかったし」


 今まで、リサーチは全部、価値あるものの情報を、わたしに提供してくれていたからね。


「それに、気になったのはレベル2になって、これが見つかったことなんだ」


「なるほど……」


 アナが顎に手を当てる。


「ただのゴミなら、レベル1段階でも引っかかるはず」


「そゆこと。なので、それを回収しに行くから、二人にはついてきてほしいんだ。よろしね」


「「御意」」


【作者からお願いがあります】


少しでも、

「面白い!」

「続きが気になる!」

「更新がんばれ、応援してる!」


と思っていただけましたら、

広告の下↓にある【☆☆☆☆☆】をタップして、

【★★★★★】にしてくださると嬉しいです!


皆様の応援が、作品を書く最高の原動力になります!


なにとぞ、ご協力お願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
その袋を売るか配るかするだけで無限の財産になるけど… こんなものを何処で手に入れた?どうやって作った?ってなるリスクもあるか…
女どもが酷すぎてトニーが癒し
男なのか!? 女であってくれ…僕っ娘は許容範囲だから…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ