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15/43

15.寝室でヒロイン戦争が勃発し、翌朝には筋肉ムキムキの女番長に決闘挑まれました


 屋敷が一応、綺麗になった!

 といっても、外観はまだまだだし、壁にはホコリやらシミやらが残っている。完全に新築とは言えないけどね。

 それでも、わたしと家臣たち、そして子供たちが住むには十分だ。雨風もしのげるし、寒さもしのげる。


 まあ、ただ一つだけ問題があるとすれば。


「はっ、はっ、はっ……♡」


「このっ! 離れろ! 無駄肉鬼! 主はわたしのものだぞ!」


 今、わたしが寝室として使えるのは、一室しかないということだ。

 そしてなぜか、家臣たち全員(アナ、キリカ、桜香)が、示し合わせたように同じ部屋に集っていることだ。

 まあ、一応問題は無いよ? 倫理的な問題はね。でも。


「だいじょうぶ……♡ さきっちょ……♡ さきっちょだけでいいんで……♡ ほんと、さきっちょだけで……♡」


「止めろセクハラ鬼! なんのさきっちょだ、なんの!」


「はっ♡ はっ……♡ もうだめ……♡ 耐えられない……♡ ちゅっ♡ ちゅっ♡」


「だからやめろぉお!」


 ドゴォッ!


 キリカが桜香に渾身の蹴りを食らわせる。

 しかし、桜香は野生の勘とでもいうのか、攻撃が当たる瞬間に腕でガードしていた。

 それでもキリカの剛力が勝り、桜香の巨体が窓際まで吹っ飛ばされる。

 彼女は空中で掌から炎を噴射し、それを推進力にして華麗に着地した。無駄にスペックが高い。


 一方で、キリカはここぞとばかりにわたしを抱きしめる。


「主、ああ……わたしの主……♡ 怖かっただろう? 大丈夫……。わ、わたしが……今夜はずっとずっと、ずぅっと……そばにいてあげるからね♡」


 なんか、目が怖いよ。瞳孔が開いている。


「だ、大丈夫……そばにいて守るだけだから……。ふ、二人きりだけど……べ、別に何もわるいことしないから……。ほんと、悪いことはしないから……ね? ふぎゃう!」


 ドカッ!


 今度はキリカが蹴っ飛ばされた。犯人はアナだった。


「全く貴方たちときたら……」


 はぁあ、と深いため息をつくアナ。


「リオン様。キリカも桜香も、危険ですわ。なのでここはこの二名を鎖で縛り付けて、部屋の外に放り出しましょう。大丈夫、わたくしが夜通し、ベッドサイドでリオン様の寝顔を見守ってますので……♡」


 おや、雲行きが。


「そこの発情犬二名と違って、わたくしは貴方様の体を穢すような真似はいたしませんわ……♡ ただ、わたくしは貴方様の一番でいられればそれでいいのです……♡ 貴方様の一番の女はこのわたくし……。ねえ、そうですわよね? ねえ……そうと言ってくれないと、わたくし不安で、どうにかしちゃうかもしれません……。もうわたくし無しではいられない身体になるまで……もうやめて、許してって泣いて喚いてしまうまで……たっぷり、優しく、いろいろ教えてあげます……」


 すとっぷすとーーーーぷ!

 目がハイライト消えてる!


「みんな、なかよくしよう! ね!」


 ケンカはよくないよ。


「ケンカ……ふっ」


 アナが冷ややかに嘲笑う。


「リオン様。こんなお言葉はご存じでしょうか?『ケンカは同じレベルでしか発生しない』と」


 聞いたことあるような。


「わたくしは、リオン様の一番のママ。そこのむっつり騎士と発情雌鬼はそれ以外の女。一番と、それ以外。レベルが違うのですよ……」


「ぐぅうう! くそぉお! どうしてわたしが一番じゃあないんだよ!」


「はぁ……♡ はぁ……♡ もうだめです……♡ 我慢しすぎて……もれちゃいそう……♡」


 ボッ!

 ギャー! 桜香から火が漏れてるッ!


「性欲を発散させるか、異能の炎を出すかしないと、また熱暴走しちゃうみたいだねっ」


「はっ♡ はっ♡ はいっ♡ はっ、はっ、な、なのでっ、♡ す、すこしでいいのでっ♡ ちゅ、ちゅ、ちゅーでいいのでっ♡ ちゅっ、ちゅこしだけ……チュ……♡」


「わ、わかったよ。じゃ、じゃあその……そうだ。目を閉じて」


「はいっ!」


 桜香が嬉々として目を閉じ、唇を突き出す。

 わたしはキリカとアナを手招きした。


「はッ♡ はっ♡ ま、まだですかっ、まだですかっ♡ ひゃんっ♡ なにかが巻き付いてきて……♡」


 ギュッ、ギュ、ギューッと。

 キリカが手早く厚手の絨毯で桜香を簀巻きにする。


「あれ!? なんですかっ? これどういう状況なんですかっ!? 目の前が真っ暗で、体の自由もきかなくってっ。ああっ、不自由!」


 キリカはそのまま桜香を抱え上げ、窓の外へとテイクバック。


「いけぇッ!」


「あっあっあっ! ま、まだっ! まだですかっ! もうっ、漏れちゃうっ、漏れちゃうぅううううううう!」


 ドォォォォォォォン……!


 庭に、巨大なキャンプファイアーが出来上がった。危なかったぁ。


「しばらくああしとこっか」


「「そうですね」」


「二人は……仲良くね? できるね?」


「「…………」」


「へんじっ!」


「「はぁい!」」


     ◇


 翌朝。

 起きると、なぜだかわたしは肉に埋もれていた。

 肉……美少女の柔らかいお肉。


 右には、アナ。わたしを抱きかかえるようにして、眠っている。

 左には、キリカ。なぜかわたしに腕枕をして、だらしない顔でよだれを垂らしている。

 で、最後になぜか桜香。庭から戻ってきたのか、全裸でスス汚れもそのままに、わたしの体の上へ覆い被さっていた!


「さ、みんな起きて起きてー!」


「「「…………」」」


 みんな、ゆらりと目覚める。

 そしてなぜか不機嫌そうに、お互いを睨み合っている。

 なぜだろうか。みんな……目の下にどす黒いクマがあった。


「どうしたの?」


「「「別に……」」」


「何かあったの?」


「「「何も……」」」


 なんかあったに決まってる。昨晩、わたしが寝た後に第二ラウンドがあったなこれ。

 まあ、うん。わからないことは、わからないってことにしておこっ。


「た、大変だぜリオン様!」


 そのときだった。

 部屋の扉がバーン! と開く。

 トニーだ。


「ええええええ!? た、大変なことになってるぅう!?」


 室内の地獄絵図ハーレムを見て絶叫するトニー。

 そうだね。こっちも大変だね。


「どうしたの、トニー? マジな話?」


「あ、ああ……。屋敷の前に……廃棄都市のゴロツキどもがやってきたんだっ!」


「「「……へえ」」」


 家臣たち、その言葉を聞いた瞬間、瞳から光が消えた。


「わたしの……リオン様タイムを邪魔しようっていうのか……」


「……ご主人様のおちゅうちゅうタイムを……邪魔する害虫は……消し炭」


「……みな、わかってますね」


「「塵も残さず、消す」」


「やめてやめて」


 しっかしゴロツキ連中……いったいわたしの屋敷に何の用なんだろう。

 わたしたちは身支度を整え、外へと向かう。

 屋敷のドアが、ドンドンと乱暴に叩かれていた。


「アナ、開けて」


「承知」


 ガチャ……。


 ズカズカズカ。

 入ってきたのは、柄の悪そうな集団。

 全員が女性。それも、鋼のような筋肉をまとった、アマゾネスのような戦士たちだ。


 そのリーダーらしき人物が、前に出る。

 浅黒い肌に、割れた腹筋。

 左目には眼帯をし、右腕は――無骨な鉄塊のような『義手』だった。


「よぉよぉ、あんたが新しい領主だなぁ? ガキじゃあねえか。ん? 可愛いねえきみぃ~?」


 家臣×3は「「「わかる」」」と頷く。そこは主に近づくな的な反応してほしいなー。


「初めまして、リオン・サイハーデンです。君たちは廃棄都市の人だよね?」


「ああ……そうだ。アタイらは【餓狼団がろうだん】。アタイはリーダーのガラ。見ての通り、レディースだ」


 ガラと名乗る女性は、義手の指をガシャガシャと動かしながら不敵に笑う。


「ガラさんは一体なにしにきたの?」


「アタイらのナワバリに、なに、良い感じの建物ができたからよぉ。ここを餓狼団のアジトにしようってね」


 なるほど。領主の館が修繕されたから、それを奪おうってことか。


「ようは、ここに住みたいってこと?」


「まあそうなるね。ガキ」


「いいよ」


「「「リオン様!?」」」


 家臣達、驚愕。


「殺すのでは?」「八つ裂きにするのでは?」「消し炭にするのでは?」


 怖い怖い怖い。物騒な単語しか聞こえてこない。


「住んでもいいけど、その代わり、手伝いしてほしいんだ。わたしたちの」


「ああ? どういうことだ」


「君たち、ウチで仕事しない? 腕の立つ人達ほしいんだ。ここに住み込みで働くってことで、どう?」


「カッ……! ははは! 不良のアタイらを、雇おうってか?」


「うん。強いんでしょ? 筋肉むっきむきだし」


「ああ、つええよ。強くなきゃ生きていけねえからな」


 ガラは背後の荒野を親指で指した。


「アタイらのアジトにはよ、戦えねえ女らが待ってるんだよ。あいつらを路頭に迷わせるわけにはいかねえ。だから――アタイらで、ここを奪いに来たんだ」


 なるほど。

 彼女たちの背後には、守るべき弱者たちがいるわけだ。

 私欲のために奪いに来たわけじゃない。生きるために必死なんだ。


「アタイらの上に立ちてーならよぉ! アタイらより強いことを証明してみな!」


 わたしは思う。この人達には、是非ともウチの仲間になってほしいと。

 仲間思いで、腕が立つ。

 魔物の死骸や素材集めには、こういう頼もしい戦力が不可欠だ。


「殺す……」「斬る……」「消す……」


 背後の三人が限界寸前だ。殺気が物理的な圧力になって吹き荒れている。


「まあ、待って待って。決闘は、1対1でやろう。わたしとガラさんの決闘」


 だってそうしないと、アナたち、この人らを再起不能にしかねない。最悪殺しかねない。


「はっ! 良い度胸だねガキンチョ……。度胸だけは買ってやろう。アタイが勝ったら、そうだな、アタイの愛玩動物にして可愛がってやるよ」


 ガラさんが義手でわたしの頬をなぞり、舌なめずりをする。


「うん。じゃあわたしが勝ったら――お姉さんがわたしの愛玩動物ペットね♡」


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三つ巴が四つ巴になる未来しか見えんw
隻眼で義手か、リペアしたら治るのかなこれって。 失った片目と片腕が再生されたらどうなるか。
う〜む、話しの流れがネットミームにもなった「スマホ太郎」だな、テンプレすぎて、主要キャラが暴走ギャグ化しほぼ主人公意外は成人男性出さないって設定
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