No.62 これが鬼族
フレディー王のはからいで、ささやかな昼食会が開かれた
フレディー王「ユームよ。これがワシの息子のニックスじゃ」
フレディー王とそっくりな鬼族の青年だ。真っ赤な肌に鋼の様な肉体である
ニックス「やぁ、初めまして。フィリップの弟さんらしいね。俺はニックスだ。よろしくな」
見かけによらず気さくなニックスに一同安堵する
ユーム「初めまして。よろしくお願いします。」
フレディー王「近々、このニックスの部隊が南東の山脈に最近拠点を構えたロックゴーレムの群れの討伐に向かう。どうじゃ、ユーム達も同行してみては?なに、危険は無いと思う。ニックスはこう見えてもロックゼン連邦国の中でも強い方だからの。」
ユーム「是非ご一緒させて頂きたいです!」
鬼族の戦闘を見れる機会なんて滅多に無い。学べる事は学ぼう。ユームは前向きである
ニックス「それでは3日後に出発しようと思ってる。ロックゴーレムが多く、いつ襲われるか恐ろしい。と、近隣の集落からの討伐依頼です。俺の部隊で片付く問題だから安心して大丈夫だよ」
鬼族は伝承ほど凶悪な雰囲気は持っていないな。と感じるユーム達であった
ニックス「ロックゴーレムが拠点としている山脈はここから歩いて1週間程の所にあり。必要な物資は自分達で用意して頂く必要があるよ、よろしくね。」
ユーム「分かりました!」
ニックス「それでは、3日後の夜明けにメゲ正門で!」
3日が過ぎ、正門前に集まる
ニックス「やぁユーム達おはよう!」
ユーム「ニックスさんの部隊って…」
ニックス「あぁ、見ての通りさ」
ニックス合わせて3人である…しかも鬼族が3人
ニックス「妹のフレア。弟のビッセル。俺の部隊はこの3人だけさ、あははっ」
ニックスは案外陽気であるようだ
ブンブン「3人で…何体のロックゴーレムを討伐するつもりなんだ?」
ニックス「ん〜。報告では100体近く居るって聞いてるね!1人30体倒せばなんとかなるかな?」
簡単にニックスが言う
リーナ「あの…私はロックゴーレムの事は詳しくありませんが、モンスターの中では攻撃力、守備力が飛び抜けてる…と聞きます…」
ニックス「あぁ!そうだね!でも、多分問題ないさ!さぁ、行こう!」
ニックスは気に止める様子も無く歩き出す。
平坦な道を3日進み、山脈に入り4日目の昼
ニックス「見えて来たね!ロックゴーレムの拠点みたいだ!ユーム達4人はここで待ってて!行ってくるよ!」
リーナ「ニックスさん!報告より明らかにロックゴーレムの数が多いです!加勢します!」
ニックス「大丈夫だよ!こういう戦い方もあると。あるいは、こういう戦い方をする敵に出会う可能性もあると。何か学びになってくれると嬉しいな!じゃあ、行くぞ、フレア、ビッセル」
フレア・ビッセル「はい、兄様」
ロックゴーレムの群れへ走り出したニックスに2人が続く
鬼族3兄妹は大きな金棒を手に持ち、なんの躊躇も無くロックゴーレムの群れへ真っ直ぐ走る
ニックスが金棒を振り上げロックゴーレムを力技で叩き割り、一瞬で一体のロックゴーレムが消滅した
それに続き、フレアもビッセルも金棒を力任せに振り回す
リーナ「…あの3人、なんの補助魔法や強化の恩恵を受けていないわ…ただ純粋に、己の肉体だけで金棒を振り回し、防御力の高いと言われているロックゴーレムを粉砕しているわ…」
ブンブン「…そうだな。」
ユーム「あの生まれ持った肉体と攻撃力、それに、もしも補助魔法や強化魔法が付与されたなら…」
ロックゴーレム達は怒り狂い、鬼族3兄妹に襲い掛かる
ロックゴーレムは初歩強化魔法で強化された拳で鬼族3兄妹に滅多打ちに殴り始めた
鬼族3兄妹は一切の防御もせず、ロックゴーレムと打ち合い撃破して行く
ロックゴーレムが報告の倍はいたのかもしれない。
寸分の休憩も取らず、初手の勢いを保ったまま、既に1時間以上ロックゴーレムの群れを金棒で殴り消滅させ続ける鬼族3兄妹。
これが鬼族の持って生まれたポテンシャルか。
埋めることの難しい、持って生まれた身体能力と種族値の違いを感じながらユーム達はニックス達の戦闘を遠目に眺めるのであった。




