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No.57 キュカンの身体と人の祈り

緑色に点滅していたキュカンの目はいつも通り赤く発光し始めた


グローム「もしかして...!キュカンなのかっ!!!?」


キュカン「グローム...久しぶり」

喜んだ声でキュカンが答える


!!?!!?!!?!!?


リーナ「キュカン!?どうゆう事!?なんでグローム様の事。知ってるのよ!?」


キュカン「キュカンとグローム...お友達」


グローム「キュカン。今までどこに行っていたのじゃ?急に居なくなってワシは驚いたぞ。」


キュカン「キュカン...分からない...ずっと待ってた...キュカンの体...どこに行ったか忘れた...ずっと待ってた...モフモフ...友達になった」


グローム「お主、モフモフと一緒だったのか!?えーいっモフモフめっ!こんな大切な事を何故言わぬっ!」


フィリップ「やはり。キュカン様でしたか。見覚えはありましたが、自信が無く」


ユーム「フィリップ兄さん、どうゆう事なの?」


フィリップ「キュカン様がバルフームの核となるロボットだよ。要するに、キュカン様がバルフーム本体だ。」


!?!?!?!?


キュカンが、伝説の神獣 バルフーム !!!!



キュカン「体...同機したから大丈夫だよ...もう動かない...おいで...体」

瞬時、バルフームの外骨格と4匹の犬型ロボットはキュカンのコアに吸収された。


キュカン「ふぅ、やっと元に戻った」

キュカンが急に流暢にしゃべり出した



グローム「キュカンよ。説明してくれんかの」


キュカン「本当に久しぶりだねグローム。前回の大戦争が終わり、僕が意識を取り戻すと、何故か広大な自然の中に居たんだ。僕も何故そうなったのか、どうやってそこに行ったのか、解らなかったし、記憶データも少し曖昧で、現実が良く理解出来てなかったんだ。体のパーツが確実に欠損している事は理解出来たけど、それがどこにあるのかさえ解らなかった。下手に動く事は良くないと思い、多くの時間、そこに留まって欠損した体を待ち続けていたんだ。そんな時、モフモフが友達になってくれて、少し離れたモフモフの森で欠損した体を待つ事にしたんだ」


グローム「なんと。何故この東の大陸から西の大陸へ移動してしまったのであろうか...」


キュカン「本当に僕にも分からないんだ。でも、ユーム達のお陰で、こうやって僕は完全な身体に戻る事が出来たんだ。ありがとう」


ブンブン「仲間なんだから、当たり前だろ!」


グローム「なにはともあれ、キュカンが我が国に戻って来てくれただけで御の字じゃ。城へ戻り、詳しい話の続きをしよう」


6人はダンジョンを抜け、エスティム国王城へ入って行った


ギャビ国王の鎮座する広間


ギャビ国王「ユームとその仲間よ。キュカンをエスティムの国へ連れ戻してくれてありがとう。フィリップの弟と言うじゃないか。好きな程褒美を与えねばな。なんでも望みを言え」


ユーム「ギャビ国王陛下、俺達は仲間とただ旅をしていただけです。ですので、褒美とか、欲しい物は何も。」


ブンブン「美味い飯って言えよ」

ブンブンが小声でユームに伝える


ギャビ国王「フィリップよ。美味い飯を早急に用意させろ。すぐに宴を始める」


フィリップ「はっ!」


ギャビ国王「キュカンよ。心配したぞ。良く無事に帰って来てくれた。これからもエスティムの国で共に暮らし、共に大戦争を乗り切ろうぞ」


キュカン「ギャビ。僕はこのままユーム達と旅を続けるよ。モフモフにも身体が完全体に戻れた事を伝えなきゃいけないし。大丈夫だよ。君と同じ血が流れる君の祖先との約束だ。僕はいつだってこのエスティムを守るよ。それが僕が生まれた理由だから。」


ユーム「キュカン、良いのか?」


キュカン「大丈夫だよ。僕は飛べるから。どこに居たって、すぐにエスティムの国には戻って来れるから。でもね。僕はこの国の民の祈りで生まれたロボットなんだ。かつて、この世界でこの東の大陸は最弱の大陸と言われて居たよ。でもね。東の大陸の民達は本当に真面目に僕の元となるロボットの身体を完成させたんだ。何年も祈り、その祈りが元となって、僕の身体に僕の魂が定着したんだよ。だから僕はこのエスティムの国を守る為に生まれて来たんだ。だから死ねない。死なないのではなく、死ねないんだよ。何百万の魂の祈りで出来た僕は、その祈りの数ほど殺されないと死ねないんだよ。」


リーナ「そんな過去があったのね。」


キュカン「みんなが神獣と呼んでいる者達も全てそうさ。祈りが定着し、形をなす。グロームが召喚するケルベロスもそうさ。この3つの国からなるロックゼン連邦国を作る時に、グロームが祈り願い、3つの頭を持つケルベロスがグロームの願いを聞き入れグロームの召喚に応じるようになった。グロームはそれほど強く、この東の大陸を守りたいと。この3つの国を1つにしたいと何年も何百年も願い、祈り続けたのだと思うよ。」


神獣の真実を淡々と語るキュカンがいた

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