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No.34 建前と本音

小国エルドーラを出発した3人

西大陸には大きな大きな平原が続く


遠くにとても大きな土煙があがっている


何万もの兵隊がぶつかりっている。

ワーワー、キーン、バンッバンッ!

これは、、戦争だ…


ブンブン「なにがあったんだよ…」


リーナ「酷い…」

呆然と見つめる3人は、ただただ佇み遠目に見つめるしかなかった


平原での戦争は夕方まで続き、多くの犠牲者を平原に残したまま、両軍は引き上げて行った


近くの小さな村に野営させて貰っているユーム達は村人から話しを聞く


村人「あそこで戦争しているのは、トック共和国とそれに対立している7つの町までは行かないけど、集落の連合軍さ」

村人が寂しそうに語る


ユーム「なにがあったんですか?」


村人「難しい問題さね。簡単に説明すると、歴史問題さね。歴史を重ねる毎に真実がどうだったか分かる者は死んでゆく。トック共和国が大昔に出来て、周りの村々に農業や建築、様々な技術を提供し、この地域は発展したと言われている。連合軍は確かに技術貢献はしてもらったが、法外な見返りをトック共和国が求め続けて来た。と。もう我慢出来ない。と。こんな所さね。」


一同「うーん、、、」

暗い顔になり、俯く。


ユーム「あと数年すれば大戦争が始まります。表の世界同士でいがみ合ってるヒマはないと思うけどなぁ。」


村人「先の戦争より、今の生活さね。」


………



毎日のように平原には土煙が上がり、日に日に戦争は激化して行く


10日ほど経っただろうか。いつものように戦争での戦闘が続き、土煙が上がっていた。


ユーム達の後ろから、なんの気配も無く、誰も、全く気付かぬ間にエルフらしき少女が現れ、戦争の中心へ向かって1人、歩いて行く


!!!!!!!!!!!!!!!!


ブンブン「……!!どこから!!?…危ないぞっ!お嬢ちゃん!!」


エルフの少女は本当に小さく、身長は130cm前後だろうか。耳はエルフ特有に尖っているが、リーナの様に上に向いてはいない。垂れ下がったエルフ耳だ。自分の背丈より長い杖を持ち、少女は口を開く


少女「大丈夫じゃ。ん?エルフが仲間に居るのか。我が子孫よ。強くあれ。」


リーナ「もしかして…!ハイエルフ…!」


少女「そうじゃ、ワシはハイエルフじゃ。もう何年生きているかの。数えるのも面倒で覚えておらん」

ハイエルフはこの世に片手で数えるほどしか存在していないと言われている。長寿とはまた少し違う性質だと言われている。

成長が、年齢が「止まる」のである。身長が止まり、年齢も止まる。どのようにして生まれ、どのように育ち、どのように死んで行くのかさえ、謎とされている。


少女は黙々と戦争の中心へ歩いて行く


ユーム「危ないよ!助けなきゃ!」

3人はハイエルフの少女を追いかける。


少女「やめーいっ!うるさくてうるさくて。眠れない。」

少女の一言に戦場は一瞬時を止める。


次の瞬間には何も無かったかのように戦闘が再熱する。


少女「やれやれ。」

少女は呆れた顔をしながら、ため息を吐く。


少女「千の刃よ、万の刃よ、億の刃よ」


?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!


少女がそう呟くと戦争を繰り広げている両軍の頭上に、本当に億を超える、数える事の出来ない程の無数の刃が現れた。


少女「ワシの名はモフモフ。序列称号8位、言霊姫モフモフじゃ。我の名に置いて命令する。この戦争の主要者達、前へ」


?!?!?!?!?!?!?!?!?!


平原で戦争していた者全員が固まる。


ぞろぞろと前へ出て来た強者達。


フィン「我が名はフィン、トック共和国のトップである。モフモフ殿、これはどのような」


モフモフ「ふむ。それではまずお互いの言い分を聞こうかの」


共和国「我々はこの地域の発展に寄与してきた。過去の見返りの過度な要求は知っている。しかし現在、その様な要求はしていない。」


連合軍「過去の過ちを無かった事にするのか!トック共和国は我々に賠償すべきだ!」


共和国「これまで、幾度となく賠償には応じて来たじゃないか!しかも、顔すら知らぬ先人達の罪の賠償すらも!」


連合軍「お前たちの国が豊なのは我々の過去の犠牲の上に成り立っている!トック共和国なんか解体だ!」


共和国「その様な事は出来ぬ!トックに暮らす民はどうするのだ!」


連合軍「俺たちはお前たちの為に飢え、お前たちの国に生まれた者はのうのうと暮らすのか!」


モフモフ「ふむふむ。平行線じゃの。お互い、過去の事は水に流し。自立し、逞しく生きて行け。以上じゃ。解散」

モフモフは淡々と言葉を発する。


連合軍「待てよ!お前になにがわかるんだよ!出しゃばってきやがって!」


モフモフ「お前は当事者か?お前がトック共和国に締め上げられたのか?賠償が貰えれば働かずに済むもんな。」


共和国「モフモフ様、こちらも精神誠意賠償するべきかと。」


モフモフ「お前は共和国の宰相とか言ったか。ワシが手打ちじゃと言ってなぜ引かぬ?引けば貴様の懐に入る何かが減るのかのぉ」


…………


モフモフ「言霊 真実の口」

モフモフが言葉を発すると続々と両軍から本音が漏れ出る


連合軍「働きたくなんかねーよ!過去の歴史で揺すってれば永遠にタダ飯だ!」


共和国「戦争仕掛けられてラッキーだぜ、これでフィンの責任問題にして失脚させ、俺たちがトック共和国のトップに君臨出来るぜ!」

自分の意思とは反して本音がボロボロと零れてくる。


モフモフ「死罪じゃ」

モフモフは表情1つ変えず言い放った。


モフモフ「貴様ら1人1人の贅沢、願望に引っ張られ、幾人の民が散って行った?死罪じゃ」


モフモフ「言霊 魂を喰らえ」

バタバタバタバタっ

何人もの上位責任者達が魂を喰われ倒れて行った。


戦場は一切の物音も立てず鎮まりかえる。


モフモフ「共和国と連合軍の若き主要者たちよ。これを見てどう思う。国とは、人生とは案外簡単な仕組みとなっておるのじゃよ。自分の欲など二の次じゃ、誰かを助け、また誰かに助けられる。それの繰り返しじゃ。過去も現在もこの先も。よいな。ワシの名において命令する。お互い手打ちじゃ。これから先、手を取りあい、共に豊かになってゆくのじゃよ。」


モフモフ「あぁ、死罪にする前に、宣誓しなきゃならんかったんじゃった。忘れとった。まぁ、ええかの。」


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