No.25 盗賊団の急襲
アクセイランの街へ来て4ヶ月が経った。
俺達は毎日闘技場へ通い、アイに稽古をつけて貰っていた。
空いた時間でギルドの依頼をこなし、近くのダンジョンにも入り日銭を稼いでいた。
闘技場
アイ「あなた達、もっと生ぬるいのかと思っていたけれど、毎日欠かさず闘技場へ来て。少し見直ししたわ。かなり強くなったとも思うわ」
以前より少し表情の柔らかくなったアイが言う。
ブンブン「おめぇのお陰で強くなってる実感があるよ。ありがとうなっ」
突如。
「 ビーっ!ビーっ!ビーっ!ビーっ! 」
闘技場全体に、街全体に、警報音が鳴り響く
ブンブン「なんだこれ?!」
アイ「戦闘警報よ。何かあった見たい。私は行くわ」
兵隊「はぁはぁ…!アイ3席!大変です!アクセイラン北部、コラルの町が盗賊に襲撃されていますっ!情報によると、襲撃しているのは、あの「虚栄盗賊団」とのことっ!」
息を切らした兵隊が焦りながら伝令に走って来た。
アイ「虚栄…!やはり北から攻めて来たか。絶対に壊滅してやる。私は一足先にコラルへ向かう!!」
兵隊「承知致しました!」
リーナ「盗賊団…!しかも…虚栄…」
リーナが俯きながらこぼす。
ユーム「リーナ、虚栄盗賊団って言う奴らを知っているのか?」
リーナ「あぁ、知っているわ。魔族と手を組み、盗賊団の幹部はAランク相当の実力者が多く在籍しているみたい。なんの罪もない人々を虐殺し、奪い、魔族に落ちたような人種の集まりよ。許せない…」
リーナの表情が暗くなる
ブンブン「俺達も行こうぜ。」
ユーム「そうだね!」
リーナ「行こう!!!!」
アクセイランから風魔法の補助を受け全力疾走する事1時間。
コラルの町へ到着した。
ブンブン「これはひでぇ…」
決して小さい訳ではない町が火の海となっていた。
町に入りすぐの広間で盗賊の首領や幹部と見られ者達とビアン様達が対峙していた。中には魔族らしい姿も見える。
ビアン様から少し離れた後ろでアイが獣人族の女の子を抱えて座り込んでいる。
リーナ「アイさん!私が治癒魔法で治癒を行います!」
アイに走って駆け寄り、すかさず獣人族の女の子にリーナがヒールを始める。
アイ「ありがとう…任せた。」
アイの目は悲しみと怒りに満ち溢れて震えていた。




