怖がりな私が、物語を書く理由
ホラーが、苦手だ。
びっくりさせるような映像もだめだし、何も起きてないのに「何かが起きそう」って雰囲気だけで、もう怖すぎる。
でも、本当に怖いのは、「人の感情」……かもしれない。
私は人の失敗を見るのがすごく苦手だ。
その人が失敗したことによって、誰かが困ったり、不安になったりするのが本当に見ていられない。
誰かが失敗しそうだったら、思わず「こうしたらいいかも」と言ってしまう。
その人のことがものすごく嫌いもしくは苦手じゃない限り、助けたくなってしまう。
たとえ、「余計なお世話」だとわかっていても。
だから、毎回誰かが失敗するのが“お約束”になってるアニメとかも見ていられない。
特に、あの猫型のロボットが出てくるアニメ。
道具をちゃんと使わなかったり、なにか取り返しのつかないことが起こる展開が、苦手だ。
でも、「書く」のは好きだ。
人が何かを思って、悩んで、行動して、それが誰かに影響を与える……
そういう話が好き。
そして、その影響がめぐりめぐって、最初に動き出した人のもとに戻ってくる。
それがその人にとっていいことでも、悪いことでも。
だから私は、書く。
登場人物が失敗したり、感情にまかせて動いたりしてしまっても書き続けようと思える。
その一歩にはその人なりの理由と理屈があるって、知ってるから。
物語の中だけは、登場人物の“全部”を見ていられる。
その人の過去、思い、行動。
それが、書く理由なのかもしれない。
つたわれっ