ガチャッの向こうに行くにゃ♪
以前投稿した【ガチャッの向こうに行こう】
これを、今回の作品に合わせて、少し変えてみたにゃ♪
ここから、くるちゃんのお話の始まり、始まり～！
わたしは、くるちゃん。
にゃんでかって？
みんなが、くるちゃん、くるちゃんって、このお部屋で呼ぶから！
この広い、広いお部屋には、パパとママ、それに、大好きな ららお姉ちゃんがいるにゃ。
みんな、やさしいにゃ♡
このお部屋は、よじよじ登れて遊べるものもあるし、何をしても怒られないし、
パパ達に言えば、おいしい食べ物をくれる。
でもね、このお部屋には、ちょっと怖いものがあるにゃ……。
ママがそれを持って、ガーって大きな音を出しながら、ゴロゴロってお部屋を転がすの！
にゃにしてるのかな？
わたしはそいつに近づいて、ちょん、ちょんさわってみたけど、ガーって言わなかった⁉
どうしてにゃんだろう？
でもね、そいつとは違う形のやつはもっと怖いにゃ！
そいつは寒くなると、この広いお部屋にやって来る……。
そして、パパがピッてそいつをさわるとね、そいつは、ジーーって変な音を出してから、
ボッ！て大きな音を出して、わたしをびっくりさせる！
とっても怖いにゃ……。
けど、そいつはとっても温かい風を出してくれる。
もしかして、悪いやつじゃにゃいのかも……。
勇気を出して、わたしはそいつに近づいてみたにゃ！
わたしは、ジーーと、ボッ！は怖いけど、
もう、ぬくぬく、すやすやおやすみなさいって、そいつの上で ねんねできる♡
もう、すっかり友達にゃ！
だけど、こんなわたしのお部屋に、たまに、かいじゅうが来るんだにゃ……。
ーー
「……、ズドドド、ドン！ ヅドドド、ドン‼」
「あっ⁉ あの足音は、ズドドド、ドンかいじゅうにゃ‼ 逃げるにゃ‼」
「ガチャッ！」
「ズドドド、ドンかいじゅうに見つからにゃいように、そぉーっと、そぉーっと……。トトッ……」
わたしは、ズドドド、ドンかいじゅうに見つからないように隠れるんだけど、
ズドドド、ドンかいじゅうは、すぐにわたしを見つける。
「くるちゃん、発見‼」
「やめれぇ！」
そして、ズドドド、ドンかいじゅうは、すぐわたしをつかまえる。
ズドドド、ドンかいじゅうにゃんて、あっちに、行っちゃえ！
ーー
「ねえねえ、ららお姉ちゃん！ ズドドド、ドンかいじゅうに、またつかまっちゃったにゃ……」
「ドジねぇ。私みたいに上手く隠れなさいよ」
ららお姉ちゃんも、ズドドド、ドンかいじゅうからねらわれるけど、するって、逃げれる。
すごいにゃ！
わたしも、ららお姉ちゃんみたいになりたいにゃ！
でも、ズドドド、ドンかいじゅうは、どこから来るんだろう？
あの、ガチャッ、て所からみたいにゃんだけど……。
あの、ガチャッ、て所の先って、どんな所にゃのかな？
わたしは、ガチャッの向こうが気ににゃった！
「じぃー……」
「くるちゃん、どうしたの？ 見上げちゃって」
「ららお姉ちゃん。ガチャッの向こうって、どんにゃ所？」
「そうねぇ。私も見た事ないわ」
わたしと、ららお姉ちゃんは、この広いお部屋の外に行った事はない。
ママからこのお部屋以外、行っちゃ駄目にゃって言われてるから！
「トントン……。ららお姉ちゃん、押しても、開かにゃい」
「そんなんで開くわけないわ」
「たしか、ママ達はあの上にある棒をさわってたにゃ……」
「そうね、触ってた」
「でも、あんな高い所、とどかにゃい……」
「こうすれば、いいわ！」
ららお姉ちゃんは、ぴょんって、ジャンプした。
すると、
「ガチャッ！」
て、音がして、ガチャッの向こうが見えた。
「ほら、開いたでしょ？」
「すごいにゃ、ららお姉ちゃん！」
そして、わたしは、そっと、ガチャッの向こうを覗いてみた。
「へぇ、ガチャッの向こうって、こんにゃ所なんだ……」
「そうね。何か、面白そう！」
「ママ達いないし……」
「くるちゃん、行ってみる？」
「ららお姉ちゃん、一緒に行こう！」
わたし達は、ガチャッを通って、広いお部屋を出た。
まず、左に行くと、ガチャッがまたあった。
「ここも、ガッチャッ、あるにゃ」
「そうね」
「ららお姉ちゃん、また、ぴょんしてにゃ！」
「いいわ」
ららお姉ちゃんは、ぴょんって、ジャンプした。
でも、
「ガリガリガリ……」
てなって、ガチャッて言わなかった⁉
「ガチャッって、言わないにゃ⁉」
「そうね。棒じゃなくて、丸いから開かないみたい」
「そっかぁ……。ガッカリ！」
「他、行きましょ」
「うん、行くにゃ！」
わたし達は、ガチャッをあきらめて、その先に行ってみる事にした。
すると、そこは一段、下りる事が出来た。
「ららお姉ちゃん、ここ、下りていいかにゃ？」
「いいと思うけど、何か、寒そうよ？」
わたしは下りてみた。
「つめたい！ にくきゅうが、いたいニャ‼」
「くるちゃん。私は下りるの、やめとくね」
「でも、ららお姉ちゃん、見て見て！ 何か、いっぱいあるよ！ これ、何かにゃ？」
「さあ？ 似てるのが二つずつ近くにあるけど……」
「こっちの暗い所にも、いっぱいあるみたいにゃ。ちょっと、たんけんしてくる！」
「気を付けてね」
わたしは、するすると隙間を通って暗いお部屋に入ってみた。
「暗いにゃ……。でも、面白そう！ さっきみたいのが、いっぱいあるにゃ！
あ⁉でも、行き止まりか……。つまんないから、帰るにゃ！」
そして、わたしは、するすると暗いお部屋から戻って来た。
「ただいまにゃ。って、あれ？ ららお姉ちゃん？ どこ？」
ららお姉ちゃんは、いなくなっていた。
「どこ？ ららお姉ちゃん？」
わたしは、きょろきょろ探したけど、ららお姉ちゃんはいなかった。
「どこに行ったのかにゃ？ 広いお部屋に帰ったのかにゃ？」
だけど、広いお部屋にも、ららお姉ちゃんはいなかった。
「まさか、ズドドド、ドンかいじゅうに食べられちゃった⁉
嫌にゃ‼ ららお姉ちゃん‼」
わたしは、また、ガチャッの向こうに行ってみた。
すると、わたしの前には、見上げても上が全然見えない段が、いっぱい重なっていた。
「もしかして、ズドドド、ドンかいじゅうは、この上にいるかも！
ららお姉ちゃんを、助けるにゃ‼」
わたしは、ららお姉ちゃんを助けるため、その段を駆けあがった。
「待ってって、ららお姉ちゃん。今、助けに行くから！」
段を、いっぱい駆けのぼると、くるっと、周れ左！
そこには、ちょっと歩くと、また段があったけど、今度は二つしかなかったから、ほいほい上った。
そして、そぉーっと、そぉーっと、足音をたてないように、ゆっくり歩いて、
キョロキョロ、わたしは、ららお姉ちゃんを探した。
「お部屋が、三つあるんにゃ……。でも、一つは、丸いから、ガチャッ、できにゃい……。
まずは、このお部屋から探すにゃ！」
わたしは、ほいほい上って、ガチャッしなくても入れたすぐ右にあるお部屋に行ってみる事にした。
そこで、ズドドド、ドンかいじゅうに見つからないように、そぉーっと、そぉーっと、
辺りを見にゃがら、ららお姉ちゃんを探した。
「ららお姉ちゃん、どこ？ 助けに来たにゃ！」
わたしが、ららお姉ちゃんを呼ぶと、風がヒューって吹いて、大きな布がバーッてなって、
ぽかぽかしていて、明るい所に、ららお姉ちゃんはいた。
「ららお姉ちゃん、どこに行ってたにゃ？ 心配したにゃ‼
ズドドド、ドンかいじゅうに食べられたかと思ったにゃ‼」
「私がそんなドジなわけないでしょ？ ねえ、くるちゃん、見てみて！」
「えっ？」
ららお姉ちゃんに言われて、わたしは、ぽかぽかしている方を見た。
すると、そこには広いお部屋からは見れない世界が広がっていた。
お日さまは、ぴかぴか、ぽかぽか。
ちゅんちゅん、ぴーぴー鳴いてるコが、パタパタ飛んでる。
そして、広いお部屋じゃ、匂わない匂いがした。
「ららお姉ちゃん、きれいにゃ！」
「そうね。綺麗ね」
寒いけど二人でくっついて、ぴかぴか、ぽかぽか見てたら、うとうと眠たくなっちゃったにゃ……。
ららお姉ちゃん、一緒に、すやすやしよう……。
でも、わたしが、ららお姉ちゃんと、すやすやしてたら、
ドンドンドン、ズドドド、ドン、ズドドド、ドンって、あの音が近くで聞えてきた。
「ららお姉ちゃん、あ、あれって、ズドドド、ドンかいじゅうの足音⁉」
「ズドドド、ドンかいじゅうのすみかが近くにあったみたいね」
そして、広いお部屋の方から、ズドドド、ドンかいじゅうの声がした。
「あぁーーっ⁉ ドアが開いてる‼ くっちゃん、らら様、下りて来なさい‼」
「マズいにゃ‼ ズドドド、ドンかいじゅうにバレちゃった！」
「じゃあ、わたしはお先に！ ピューッ！」
「あっ、ららお姉ちゃん⁉ ずるいにゃ‼ ピューッ！」
広いお部屋に戻ると、ららお姉ちゃんは上手く逃げたけど、
やっぱり、ズドドド、ドンかいじゅうにわたしはつかまっちゃった。
「これっ！ 駄目でしょ？ 二階に行っちゃ。猫様は、この部屋から出ちゃ駄目なの‼」
ズドドド、ドンかいじゅうは、にゃにか言ってたけど、楽しかったにゃ！
だから、ららお姉ちゃん、また、ガチャッの向こうに、連れて行ってにゃ♪
わたしは、くるちゃん。
【ららお姉ちゃん】へ。
楽しかったニャ！
また、一緒に冒険しようにゃ♡
でも、その時は、見捨てにゃいで……。
