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白の殺し屋と黒の殺人鬼  作者: ぜろしぃ
3/3

灰澤


朝のニュースが流れる


「昨夜未明、指定暴力団〇〇組の組長が何者かによって殺害されました、被害者は胸に3発の銃弾を打ち込まれており、現在の所目撃者は見つかっておりません」


捜査一課の敏腕刑事灰澤がタバコをくゆらせながらニュースを見ていた


「何度言ったらわかるんですか、ここは禁煙ですよ」


灰澤

「うるせぇな、タバコとコーヒーはセットって昔から決まってんだよ」


「だったらきちんと喫煙所で吸ってください」


灰澤

「こまけぇやつだな、そんなんだからろくに事件も解決できねぇんだよ」


灰澤は捜査一課では事件解決率ナンバーワンを誇る刑事だ

数々の未解決事件を解決してきた実績がある


タバコに文句を言う人間はその部下の男ぐらいのものだ


灰澤

「このニュースの事件はすぐに犯人は捕まるだろうな」


灰澤は眉間に皺を寄せながら語る


「なんでそんなこと分かるんですか?」


灰澤

「バカかお前は?こういう事件は実行犯じゃなくて下っ端が捕まりに来るもんなんだよ」


「なるほど、勉強になります!」


男は感心しながら手帳にメモをとる

何かとメモをとる癖があるようだ。


灰澤

「それよりも最近の女の連続失踪事件の方が気になるな、どの失踪者の家族も失踪直前は娘に生気を感じなかったと言っていた」


女性の連続失踪事件の犯人は黒木だ、灰澤は一度黒木を捜査している

しかし黒木に怪しい点は見当たらなかった


「それってつまり連続失踪事件じゃなくて、連続自殺って事ですか?」


男は問いかける


灰澤

「いや、それは無いと思う、もしそうなら全員が見つかっていないって言うのが気に食わん」


灰澤はコーヒーを飲み干し事件の資料を読み始める


「そう言えば事件の容疑がかかった男性が1人居ませんでした?」


そう、その男こそ黒木の事だ


灰澤

「確かに容疑者として上がったには上がったが家宅捜索までして何も見つからなかった、しかもそいつが犯人だと訴えてきた少女は自殺している」


発見された少女の日記には自殺をほのめかすような文章が書かれていた。

証拠品として唯一警察が所持しているのはこの日記のみだ。


「だとしたらやっぱり連続自殺事件な気がしますけど」


男は灰澤に自分の意見を言う


「仮に犯人がいたとして、目撃者も出さず何人もの女性を隠せるものなんでしょうか?」


灰澤

「難しいな、今は至る所に監視カメラがあるしそれを掻い潜って女性を拉致したりするのは不可能に近い」


「つまりどういう事です?」


灰澤

「女が自ら監視カメラに映らないように動かないと無理ってことだ」


「やっぱりそうなると自殺なんじゃないでしょうか、ほら!闇サイトとかで自殺サークルとかあるじゃないですか!」


灰澤

「そんなもんはとっくに調べたさ、だが何の成果も上がっていない、本当に神隠しにでもあったみたいに消えちまってるのさ」


「女性たちは今も生きているんでしょうか」


灰澤

「わからんな、時期も場所も年齢もバラバラ、共通点もほとんど無いに等しい」


しかし灰澤には彼女たちはもう既に死んでいるという確信に近いものがあった。

連続失踪事件ではなく、連続殺人事件の可能性を視野に入れていた。

しかし警察は死体が出なければ事件にはできない。


数日後


ニュース

「先日の指定暴力団〇〇組の組長を殺害した犯人が逮捕されました、犯人は抗争中だった△△組の男性で凶器の銃の弾道痕が一致したため逮捕され、犯人は容疑を認めている模様です」


灰澤の言う通りこっちの事件はすぐに解決した、真犯人はどうあれ解決したことに違いは無い。


「またタバコ吸ってるじゃないですか、体に悪いですよ、というか喫煙所行ってください」


灰澤にまた男が注意している

灰澤は注意など気にせず相変わらずタバコを吸っている


灰澤

「ほらな、すぐ解決しただろ?」


タバコの事など無視して会話を続ける


「これで解決でいいんですか?」


灰澤

「俺達にはどうしようも出来ねぇよ、ただ〇〇組がどう出るかは分からねぇけどな」


「と言うと?」


男は不思議そうに問いかける


灰澤

「組長が殺されて下っ端が逮捕されて組が黙ってると思うか?こっから戦争になりかねんぞ、それか金で解決だろうな」


灰澤はこっちの事件にはあまり興味が無いようだ


女性の連続失踪事件の資料を読み漁る灰澤


灰澤

(ただの女性が監視カメラの位置を全て把握してるとは思えない、誰かが裏にいるに違いない)

灰澤は考えを巡らせる


灰澤

「やっぱり一番怪しいのはこの黒木って野郎なんだよな…」


灰澤は黒木を怪しんでいた、その考えは正しい、正しいが灰澤に黒木を逮捕することはできないだろう。

なぜなら彼は…


灰澤の部下

「灰澤め…あの野郎いつもタバコ吸いやがって、何が事件解決率ナンバーワンだ、あんな奴に解決できる事件僕にだって解決できるっての」


そう、灰澤の部下は灰澤に殺意を抱いていた、その殺意に反応したのがあの男

もちろん白である。

白は部下が一人になるまで待つ。


「どうも初めまして、私は殺しを生業に生きているものです、あなたの殺意にひかれてきました」


男は突然現れたその男と言動に動揺する


「殺しだと?殺人犯か!一度撃ってみたかったんだ!」


そう言うと男は白へ向かって発砲する

白が男の元へ来たことには意味がある、灰澤を生かしておくといずれ黒木が逮捕されてしまうからだ。

銃弾は白へ当たったが白は無傷だ。


男は驚き手が震える


「あ、あんたナニモンだ?」


白は笑顔で答える


「先ほども申し上げましたが、私は殺し屋です、あなた死んでほしい人間がいるんでしょう」


男は心を見透かされてさらに男への恐怖心が増してゆく


「こ、殺さないでくれ」


男は何か勘違いをしているようだ、自分が殺されると思っている。


「おや、何か勘違いをなさってますね、私はあなたの殺しの依頼を聞きに来たのですよ」


静かに時が流れる

男はだんだん頭がクリアになってゆく


「そ、そういうことか、そうだ!灰澤ってやつを殺してくれ!」


男は灰澤の殺しを依頼する

白の思惑通りだ


「殺しの契約をすると報酬としてあなたの一番大切なものを頂きます、それでもよろしいですか?」


男は考える、確かに大切なものを奪われるのは辛いが、灰澤がいなくなれば自分の役職も上がるだろう


「わかった、それで構わない」


白はニコッと笑うとどこかへ消えてしまった


数日後


灰澤は心不全で亡くなった


男は本当に白い彼が殺したのかわからなかった、そして白い彼が現れた


「貴方の一番大切なものを頂きますね」


刑事にとっての大切なもの、すなわちそれは頭脳

白は男から頭脳を奪い取った


そして場面は初めて白と出会った場所へと戻る


「今まで見せたのは幻です、どうしますか?あなたの頭脳を失ってまで灰澤さんを殺したいですか?」


男は考える、頭脳なんてなくたって自分が上の人間になれば解決する話だ


男は答えた


「ああ、殺してくれ」


灰澤は死んだ

白の計画通りに

灰澤を殺したのは今までの世界線の中で初めてだ


白は思った

今回こそうまくいくんじゃないかと


しかしそれは大きな間違いだった


灰澤は殺すべきではなかった


白にとって灰澤は必要な存在だったのだ

それに気づくのはこのループの最後になるだろう。



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