7話
7話
別荘でのオーナー7人の殺人犯は全員逮捕され身柄は検察庁に送られたもののあの別荘の穏当のオーナーの殺人犯は未だに見つかっておらず、まして最初の事件である白骨死体のの爺さんを誰が殺して棺桶に入れて床下に放置した犯人の検討も付かないままに、今度は爺さんの実家から発見された二人の白骨死体も浮上して来て警察は、緊急逮捕した実家の奥さんが何か知っているに違いないと踏んでいたが、奥さんは黙秘したまま何も答えずに警察を悩ませた。だが爺さんの実家から出てきた白骨死体は医科大学の権威である教授からの連絡を待つしか無かった。だがここへ来て東北の別荘を建てた建築会社の社員だった男もまた行方不明になっていて、丹波は全国に指名手配して刑事達もまた彼の行方を探して居た。そして槇原は東京での出来事に見切りを付けて東北の温泉旅館に移動して居た。もちろん丹波も同行していた。そして様々な殺人事件に遭遇した槇原の最大の謎の一つに何故別荘があんな形で設計され建築されたのかと言う点だった。そしてあれでは密室殺人をするために作られたと言っても過言では無かった。そして別荘の事は何でも知っていると言っていた執事は壁の中に入れることに気付いてはいなかったのか、それとも最初から知っていて知らない振りをしていたのか、今ではその謎さえも解らない状況だが、槇原は何かがおかしいと考えていた。まずは壁の中を自由に出入り出来て屋根裏に住むことさえ出来ていたが誰がそこに住んでいたのかが解れば謎の一つは解明されるであろう事は槇原にとってこれから推理していくしか無かった。そして温泉旅館に戻った二人はもう一度別荘に出掛けて一から考えて見ることにした。そして別荘についた二人は真っすぐに屋根裏の部屋に入るとランプに火を点けて辺りを見回した。そして四つん這いになって何か見落としていることは無いかと数時間もソファーの下やテレビの下まで見て回った。
まぁ、最初に入った鑑識ですら見つけられなかったモノを素人の槇原に探せるはずもなく、ただここで不思議なことがある。それはソファーのことだがこの壁の中にどうやって入れてどうやって屋根裏に運んだのかと言う事実だった。槇原と丹波はソファーを持って屋根裏部屋から出たモノの階段で引っかかってしまい何度もトライしたが結局はソファーを出すことが出来ず、槇原は「もしかしたらこのソファーは別荘が建築された時に入れられたモノではないかと言う事実に、でも何故こんなところに」と、考えた槇原は「ではこの屋根裏部屋も建築の時に作られたのか」と、槇原は考えた。だが何故にこんな部屋を作ったのかと言う疑問に思って居た。そして「もしかしたら自分が殺される前に次のオーナーの事を見ていたのではと言う仮説が立てられたのでは」と、推理は未完成のまま時間だけが経過して行った「しかし奇妙ですな~」と、丹波が言うと槇原は「いや… 多分白骨死体の爺さんは自部な命に危機が迫っている事を知っていた可能性もありますが」と、槇原はそこにあった机の引き出しを開けては中のモノを見て何もないことを確認すると今度は机の下に潜り込んで天板を見ると一枚の写真を発見した。そしてその写真には爺さんとその家族だろうかの白黒写真で全員が笑顔で映って居て子供が二人楽し気に映りこんでいた。槇原が見つけた写真を丹波が見ると槇原は「この二人の子供でないですかね~」と、爺さんの奥さんが住んでいた実家から出てきた二つの白骨死体のことを槇原は丹波に話した。そして警視庁が調べた爺さんの財産は、あの宝箱の他に奥さんが持って居た有価証券の他に金庫から出てきた数億円の金塊があったが金庫は素人には開けられず、警視庁からの協力要請を受けた鍵屋が数時間かけて金庫を開けることに成功したのだ。そしてその価値はトンでもない程の値打ちのある物だったことが警視庁に報告されていたと丹波が言う。
そして爺さんは殺されるまで替わるオーナー達を壁の中で観察していたに違いないと槇原は考えていて、そして執事が主である爺さんの世話をしていた可能性も考えられると槇原が話した。そして丹波の元へ警視庁の刑事から連絡が入って爺さんの実家から見つかった白骨死体は爺さんの二人の息子たちである可能性が高いと教授から連絡があったと説明をした。そして二つの白骨死体は同じ頃に頭を鈍器で殴られての死亡だと付け加えた。すると槇原は「やっぱりそうでしたか…」と、最初から予想は立てられていたが、誰が二人の遺体を壁の中に遺棄したかと言う問題ですが、恐らく床下で眠っていた爺さんでしょうねと、付け加えた。だとすると家族ぐるみの財産の争奪戦ですかねと丹波が槇原に聞くと、ええ、その可能性も否定出来ませんが。ただ当たりの息子さん何歳の時に殺されたのかと言う疑問も残りますねと、丹波に返答した槇原は、恐らく実家の奥さんは少なくとも関与はしていないでしょうねと、槇原は丹波に説明しつつ温泉に丹波を誘った。そして丹波は警視庁の刑事達といつでも話の出来る無線電話を今回から持って来ていた。この当時としては最新の技術であった。だが丹波は時間に関係なく入る刑事達からの連絡に少々うんざりしていた。そしてそれは昼も夜も深夜も同じで丹波は無線電話のスイッチを切る訳にも行かず枕で耳を隠して一人布団に入った。そして翌日、爺さんが建築を依頼して作らせた別荘の事件にも関わりを持っていて経営者を次々に殺害して放火もされてその会社から逃げるように退職した男の足取りが解ったと丹波に連絡が入って警視庁は男の身柄を留置場に入れて男の命を守った。さすがにここまでは殺人犯も近寄れないだろうと、一見は任意同行に見せていたが実際は男を守る手段としては有効だと槇原は思って居た。そして警視庁では建築会社の経営種たちが殺されて発見された経緯を調べるために資料を保管庫から持って来ていた。
丹波の耳に入って来た情報に依れば建築会社から逃げ出した元社員が刑事に「俺、みてしまったんです… 社長が殺されてからしばらくして専務が殺された時に犯人は左足を引き摺って歩いて大きなカマで専務の首を切り落とした所を」と、男は身体を小刻みに震えさせて刑事が紙と鉛筆を男に渡すと似顔絵を描いて欲しいと言うと、男は30分くらいかけて一枚の絵を完成させると、刑事は警視庁の捜査本部にある黒板に張り出して周囲に伝えると全員がその似顔絵を青焼き複写機に入れてコピーを取て各自がその似顔絵を保有して全国にも捜査を依頼した。そして警視庁ではコピーを手にした刑事達は一斉に飛び出して行った。そして放火されて全焼した事務所の付近から聞き込みをして刑事達は額に汗を流し冬の寒空のしたで湯気を出して走り回っていた。特徴は左足を引き摺っていたことだけが頼りだった。そして似顔絵を持って左足を引き摺って歩く男を刑事達は必死に追い掛けた。そしてその頃、温泉に居る槇原と丹波は将棋を指して将棋の駒を事件の容疑者に見立てて、その様子を食事を運んできた女性が「私… こう見えても将棋は結構強いんですよ♪」と、将棋盤を覗いて「そっか~ ここは歩じゃなくて、敢えて飛車を捨て駒にして開いた穴から一気に角をドスンと打てばどうでしょうか♪」と、言うと槇原は突然「そうか… 飛車を捨て子のにして開いたとひろに角を入れて角は赤になって斜めの他に金銀の動きにも使えるのか~」と、突然女性に「大変勉強になりました♪」と、丹波の顔を見ると「私たちはとんでもなく小さな将棋ををしていたんですね♪」と、頭を下げて礼を言った。槇原は将棋を見て「そうか斜め上か…」と、言い今回の事件は全ての事件が個々には別だが斜めから見ると全く今までとは違う構図が見て取れることを丹波に説明した。
警視庁が緊急逮捕した爺さんの実家に住んでいた妻は部屋の中にあった二つの白骨死体の件については何も知らないと何度も繰り返し、刑事達を苦しめたが医科大学の教授が頭部に粘土を使って復元した二つの頭部に色を付け白黒写真を作り警視庁に持って来ていて、それを爺さんの様に見せると行方不明になっていたとされる子供たちですと、刑事に伝え「何でこんなことに」と。涙で机を濡らした。そして教授は「この白骨死体から見て死後数年が経過していることを付け加えた」だが、丹波を通じて知らされた槇原は首を傾げ別荘で死んでいた爺さんの死んだ時期とはずれがあって、どうやら別荘の爺さんが実の息子の二人を殺害して壁の中に入れてそれを施工した建築会社も存在して、それが左足を引き摺って大きなカマで首を跳ねて惨殺を繰り返した男なのではないのかと、槇原は推理を丹波に聞かせた。ただ左足を引き摺って殺人を繰り返した男の所在が未だに不明であって警視庁の刑事達は一刻も早く身柄の確保が必要だと汗して捜査していた。だがもしも左足を引き摺って印象付けた可能性も否定出きてはおらず「そうだな… 槇原はその男と言うのはもしかしたら別荘で死んだ爺さんだったとしたらと言う推理を丹波に話していて丹波も確かにその線もありですね」と、将棋の角を見て頷いた。ただ専務が殺されたのを見たと言う男の供述にも若干の嘘が見え隠れしていた。それは丹波が役所から取り寄せた当時の建築会社の図面を見れば、仮に専務が殺されたのを見たと言う証言が嘘になるのだと槇原は丹波に図面を見て解る通り専務の部屋はここで、足を引き摺って大カマで首を跳ねたなら犯人を正面から見ないと似顔絵なども書けるだろうが、恐らく見たのは入れ口付近と言う事になって後ろから足を引き摺って犯行に及んだ犯人の顔がみれるはずはないと槇原は結論付けた。
槇原は警視庁に身柄を拘束されている建築会社の元社員の話しを丹波伝いに聞かされた時に、その社員の作り話では無いだろうかとも推理していて、もしかしたら建築会社の経営陣を殺したのは、その元社員であって放火もその元社員ではないかと考えていた。
槇原の推理を警視庁に連絡した丹波は「元社員を釈放して泳がせろ」と、指示を出し元社員は突然の釈放に驚きを隠せず取り乱して留置場の鉄格子に捕まって釈放されたら「今度は俺が殺される!!」と、大騒ぎして刑事達を困らせた。そして釈放後に警視庁の刑事達は複数に解れ無線電話を携行して元社員を尾行すると、さっきまで取り乱していた男とは思えない程の笑顔を見せて歩道でタバコを吸うと顔をニンマリさせてタバコの煙を吐き出した。その足取りは軽やかで尾行する刑事達を驚かせた。それを見ていた刑事は無線電話で男が話した似顔絵は偽りの物で左足を引き摺っていた事も嘘だと断定し左足を引き摺ったと言う男も嘘だと教えられた。そこで騙されていた刑事達は急いで男を尾行する班て合流して男を尾行すると、男は行きつけなのか昼間でも開いているバーに入るとスコッチを注文して中にあった赤電話で誰と談笑して電話を切るとそこに現れたのは、警視庁の捜査本部に出入りしている当時としては珍しい女の警察官だった。どうやら男とこの女性警察官は男女の関係に見えていて刑事達はその写真を隠し撮りして後の証拠にするために数十枚の写真を撮った。そしてカウンターに居て男の手は左側に座った女のスカートの中に手を入れ、男はニヤニヤして女の警察官に数十万円の入った封筒を手渡した。そんな光景も刑事達はカメラに収めて男が立ち上がって会計を済ませると、今度は女の警察官に別の男が来て女の右側に座ると女の警察官の肩を抱いて何やら笑みを浮かべて笑顔を見せていた。
そしてそんな情報を外で受け取っていた刑事達は再び男を尾行すると男は自宅アパートへ入り5分くらいで出ると今度は街の中にあるマンションに入って行ってしばらくは出て来なかったが、そこへバーに居た女の警察官が制服のまま入って行った。そしてそれも刑事達はカメラで撮っていて後に摘発するであろう事を当たの中に記憶していた。