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3話

3話






 槇原は丹波に「パーティーで来た人たちの中には犯人は居ませんので帰してあげて下さい」と、丹波に言うと、丹波は少し考えこんでから「解りました先生がおっしゃるなら」と、槇原に視線を合わせた。そして翌日、パーティーの客達は7人乗りのジープで下山して帰って行った。すると槇原は旅館が出ると風呂敷の中に仕舞っていた巻き尺を持って地元の刑事が乗って来たジープに乗り込むと、刑事に「確かあの別荘で亡くなった人たちは不動産屋の勧めで購入したんですか?」と、尋ねると刑事はそうですが「ただ亡くなった人たちは全員がばらばらの不動産屋で関連はなさそうなんです」と、槇原の事をチラチラ見ながら雪道を走った。


そして事件現場になった別荘に到着すると、既に居た丹波に「この建物の建築図面はありますか?」と、聞くと丹波は「あっはいあります」と、言って部下の刑事に伝えて刑事は亡くなったオーナーの書斎にはいると前回の事件の時に使った図面を持ち出して槇原に渡した。そして槇原はさっそくテープルの上に図面を広げ「ふふ~ん」と、何かを発見したように笑みを浮かべた。そして槇原の視線は天井の構造を見て両腕を組んで何かを考えていた、そして立ち上がるとドアの前に立ってドアを開けると持参した巻き尺で壁の厚みを調べてそれを手帳に書き込んだ。そして槇原はこの建物の殆んどを調べては手帳に書き込んだ。


槇原が全ての壁の厚みを計り終えた頃、そばに居た執事に「天井に上るドアはありますか?」と、聞くと執事は頷いて見せると槇原をその場所まで連れて行くと丹波達も同行して二階に行き「ここです」と、指を指して幅が1メートル近くあるドアを開いて見せたが中はホコリだらけで誰かが歩いた形跡はなかったことで、槇原は再び両腕を組むと目を閉じて考え込んだ。そして槇原が目を開くと槇原は執事に頭を下げ二階から一階へと降りて来て再び図面を見入って飛騨の手でアゴを支えた。だがそれを見ていた丹波達は槇原が何かを掴んだように思えた。


どうやら槇原は建物の構造が普通に見える住宅との違いに拘っているのが丹波達には解らなかった。そして槇原は執事に「ここの食料は誰が買ってきてるのか?」と、聞くと執事は「ここの食料は指定の業者に電話して届けてもらってますが」と、槇原の目を見て答えると槇原は丹波にその業者に任意で事情を聴いてもらえないかと伝えた。すると丹波は地元の刑事にさしずして手配を頼んだ。そして槇原は執事に「なぜここには電気が来ていないのか?」と、聞くと執事は「御覧の通りここは山の中で電気が通っていないんですよ」と、槇原に言うと槇原は窓に近づいて風景を見て「確かにここまで電気は来ないだろうな~」と、独り言を言った。


そして槇原は執事に「水はどうしてるんだすか?」と、聞くと執事は「井戸から汲み上げているのですも電気が来ていれば水くみも出来るのですが、ここでは台所ににある井戸水を人力で汲み取っているのです」と、槇原の目を見て答えるとも槇原は台所にある井戸を見に移動した。そして直接、自分で水くみをしてみて「結構な重量ですね~」と、執事に目を向けると執事は「一週間に一度、街から来る若者にここにある大きな(カメ)に貯めてもらってます」と、答えた。すると槇原は丹波に「丹波さんその若者にも任意で事情を聴いて下さい」と、丹波は頷いて地元の刑事に手配を命じた。


 そしてこの日は捜査を終えて槇原は旅館に戻ってテーブルの上に建物の図面を広げて両腕を組んで考えこんで居た。そして「今回の山を崩せば過去に起きた事件も全てが解決するはず」と、首を斜めにしてタバコに火を点けて白い煙を吹いた。そして部屋にある七輪を手前に引き寄せて両手で暖を取って身体が冷えていることに気づいて、槇原は思い出したように図面を片付けると浴衣に着替えて風呂場へ向かった。だが槇原は湯に浸かりながらも建物の構造に疑問を持っていたが何に対してなのかが解らなかった。そして翌日も迎えに来た刑事に一礼すると建物に向かい中に入ると執事に風呂場を見せてくれと言い、執事の案内で風呂場に移動した。


槇原はさっそく小さなハシゴが無いかと執事に聞くと執事は刑事を連れて物置から2メートルくらいのハシゴを持ってくると天井にある点検口を上に押し上げるとロウソクの炎で辺りを確認したが、そこは数センチもホコリが一面を覆い槇原の感を見事に打ち砕いた。そして残るのは便所だったが、ここも風呂場と同じでホコリだらけだったことに槇原は愕然としたが、さっき見た風呂場に妙な引っ掛かりがあってその引っ掛かりが何なのか槇原は気づいてなかった。そして槇原は丹波に縄梯子(なわばしご)を用意してもらい井戸の中に地元警察の刑事にロウソクを持たせて井戸の中に下りてもらって内部に不自然な箇所がないか見てもらった。


そして井戸の中に下りた刑事は何処にも異常がないことを槇原に言うと、槇原は両腕を組んで頭を傾げて井戸の周りを回り始めた。そして執事にこの建物に玄関以外に出入口はあるかと尋ねると執事は「出入口は玄関だけです」と、答えると槇原は両腕を組んだままその場から離れてリビングに行くと執事に「ここの暖房の石炭はどうしてるのか?」と、聞くと執事は「一か月に一度だけ業者が来ています」と、答えると丹波は槇原が言う前に部下の刑事に任意で事情聴取を命じた。だが槇原は何故か天井が気になっていて何故気になるのかこの時は解っていなかった。そして過去にこの建物で起きた密室殺人の調書を全て読ませて欲しいと丹波に言うと丹波は地元の刑事に明日までそろえてここに持ってくるようにと命じた。


そして翌日の朝に丹波が届けてくれた過去の密室殺人の調書をテーブルの前に置くと、槇原はその内容に不思議な点がないか調べつつ読んでいった。そして調書の中に入っている白黒写真を見ては当時の詳細に槇原は丹波を前にすべての調書が書き方は違うが書いている内容はどれもこれも殆ど一緒であることに槇原は愕然とした。槇原は調書からは何も得られずにいたが、何かあるはずと何度も入念に読み返した。すると屋敷の裏側に大量の獣のの糞が落ちていると言う小さな事実を知り丹波とその部下たちに頼んでその場所へ行ったものの雪で覆われたその場所は除雪から始めるしか無かった。


そして数時間かけてようやく雪をどかしてその大量の糞を発見したが凍っていて安易に掘り起こす事も出来ずに槇原は丹波に鑑識を要請し二時間後に鑑識が到着すると、鑑識は小さなガスバーナーで凍った糞の一部を採取したが槇原は見逃さなかった。そう槇原が見た物とは屋根に取り付けられた空調設備だった。そしてもしあれが人糞なら天井に誰かがいる、もしくはその場所へ来て誰かが排便をしたかと、槇原は考えた。だが槇原は天井に行く全ての個所に数センチも積もったホコリがあって人が歩いた形跡もなく、それが槇原を苦しめて行った。そして二日がたった時、丹波の耳に鑑識からあの糞は鹿や小動物の糞であって人間の糞ではないと報告が上がっていた。


 槇原は執事に「床の下にへ行く入り口のような物は無いか」と、尋ねると執事は少し考えて槇原に数か所あって「もう何十年も開閉したことはなかった」と、答えそして槇原をその場所に一緒に向かい丹波達警察も同行した。そして床下に通じている縦横1メートルの点検口を地元の刑事達が開けようとしたが開閉用の金具がさび付いていて中々開けられなかった。そして別の場所へと執事が移動すると、その場所もさっきと同じで開閉用の金具がさび付いて開かなかった。そして最後の場所へ移動すると、その場所の点検口の金具に刑事が手を掛けるとその点検口は何故か歓談に開けることが出来て刑事達は顔を互いに見合って丹波の方をみてから一気に点検口を開いた。


そしてその瞬間、目にした光景は深さ1.5メートルほどの通路のような物を見つけ地元の刑事達が数人、ロウソクを片手に中へ降りて行った。そして槇原と丹波も中に入ると幅1メートルになっていて刑事達は各自その通路を辿って少しだけ見える明かりを頼りに移動すると、そこはさっき開こうとした点検口で下から押し上げると簡単に開けることが出来て、腐食した金属が原因ではなく点検口の金具がワイヤーで固定されていて足元に埋め込まれた何かに吊るされる形で点検口の開閉が出来ないようになっていた。そしてそれを知った槇原と警察官全員でその入り組んだ通路をしらみつぶしのように探し回った。そしてそこで見つけた物は便所でしかも、小石を投げ込むと相応の深さがあることが解った。


するとこれは、ロウソクでは不安ですねと槇原が言うと丹波は大声で警察官達を呼んで一旦、室内に戻って丹波は蛍光と発電機を持ってくるように所轄に連絡をして鑑識も同時に呼んだ。すると槇原は椅子に腰を下ろして手帳に何かを書き込んでいた。そして槇原は、丹波に「取敢えず電気が来るまで待ちましょう」と、小声で言うと丹波は「やっぱり先生来てもらって良かったですよ♪」と、槇原を激励して部下達にも休憩を取らせ、執事に「この辺で一番近い食堂は何処だろう」と、聞くと「執事は山荘を車で出て10分くらいの所にあります」と、答えたがねただ槇原は床下だと言うのに何故こんなに暖かいのかと通路の壁に素手で触り再び考えていた。


そして槇原が秘密にしていたポケットに入るサイズの小さい温度計で床下の気温が+18度もあったことに疑問を持ったが丹波達は事件解決まで、そう時間がかからないだろうと思っていても丹波に誘われて近くの食堂へとジープに乗せられジープは真っ白い雪の中を走って行った。だが数年単位で発生するオーナー殺人をする理由がなく犯人の動機も考えられず、何が原因なのかを解き明かす必要があった。そして到着した槇原達は食堂に入り次々に食いたいものを注文して丹波が「先生は何にはますか?」と、聞かれ丹波さんと同じいいよと槇原は「何で長年と言うか一番最初からいる執事があの床下の事を知らなかったのだろうかと疑問に思っているんだ…」と、執事の事も洗った方がいいなと、丹波に耳打ちして目の前に来た味噌ラーメンに舌鼓をうった。


だがこの時点では執事が一番怪しいと警察は思って居たが槇原は違っていた。槇原は確かに一番に疑われるのに自ら警察に連絡をしていたことと、パーティーに集まった複数の男女たちも丹波の指示で既に洗いつくされていて、だがこの70過ぎた執事が被害者を押さえつけることは難しくむしろ、ふき数の人間たちなら被害者を押し付けて青酸カリを飲ませることは現実には簡単だが、パーティーに来た複数の男女たちは全国の様々な場所から来ていて、それは考えすぎだと槇原は苦笑した。そして時間は経過して槇原達は山荘に戻ると、既に来ていた鑑識さん達は電話で丹波が言っていた点検口の中に入って20個の裸電球に電気を通しロープをはって一面を明るく照らした。


 すると、中に入った鑑識の一人が「おぉーーーい!!」と、床下に居る仲間に異常を叫んだ。そして「おいこれを見て見ろ!」と、指さしたところには朽ち果てた棺桶が置かれていて腐った棺桶の蓋を持ち上げると、中から人間の遺骨が出て来て、鑑識のチーフは持参した道具を使って写真を取って身長を巻き尺で計って、こりゃあ「女だなぁ~」と、残っていた骨盤に半円形の穴を見て男ならここはそんなに大きくないからな、と鑑識のスタッフに小声で話すと、この遺体は一度、持ち帰って詳しく調べんといかんな~と、渋い顔をして見せた。そしてれを見た槇原は丹波と一緒に鑑識の隊長さんに「何歳くらいですかね~」と、槇原が質問すると隊長さんは「持ち帰って細かく調べるが、恐らく10代の後半か あるいは20代前半」と、憤った声で二人に話した。


そして遺体は丁寧にトラックに乗せられ山荘を離れた。そして槇原は棺桶の周囲の土に視線を向けて「変だなぁ~」と、言い「付近の土と棺桶に付着した土の種類が違う…」と、頭の髪の毛を掻きむしって白いハンカチに棺桶の土と基礎にある土を比較してもらうために鑑識に丹波から話してもらった。すると丹波も確かに土が変ですよね先生と、槇原の顔を見て真剣な眼差しで見つめた。そして槇原は小声で「電話線は来ているのに何故、電気が来ていないんだ?」と、丹波を見て首を傾げた。すると槇原は丹波に「あの執事のこと… 洗って頂けませんか?」と、言うと丹波は「はい喜んで」と、返した。そして槇原はこうも付け加えた。こんな地下要塞のような物を誰が作り何の目的なのかがの疑問ですね。


ただ床下を捜査する刑事達と鑑識たちは他にも何かあるのではないかとランプを手に持って細部に至るまで調べて行くと、一人の刑事が「丹波さん!! こっちです!」と、呼ばれ丹波と槇原の二人は刑事が見つけた直立な謎のハシゴを発見してランプを照らしてハシゴを見たが、ホコリがかぶっていて最近は使われていないことを感じたが、とにかく登ってみようと数人の刑事と丹波と槇原達は一人ずつ登って行った。すると何処かの部屋の壁の中に出て、そしてそこで更に二階へ上る階段が1メートルほどの幅の階段があって全員が一人ずつ階段を登ると再び壁の中に出て、ドアノブのような物を発見して丹波がドアノブを回すとドアが開き、中へ入ると台所やボロボロのソファーがあって白黒テレビや小さい冷蔵庫まであって、奥の部屋にはベッドも発見出来た。


だが不思議なことに屋敷そのものには電気が来ていないと執事も言っていいたが、何故かこの部屋には家電製品が置かれているこの妙な状況に刑事達は頭を傾げた。そしてそれは槇原も同様であった。だが部屋の隅々を見回った刑事はバッテリーのようなモノと手動の発電機があるのを目撃して状況が解った。ただこの屋敷の壁を使って殺人は行われたに違いなく状態を組み立てて行くと、誰かがここで暮らしいて殺人を行って居るとの指摘も刑事達にはあるものの、仮にこの部屋に殺人犯が隠れていたとして、何故、風呂場と壁の階段には大量のホコリがあったのか説明できないと槇原は考えていたが、しかも今、この部屋に居てもホコリの一つもなくさっきまで誰かが住んでいるようにも思えた。


まして仮に三階の部屋からどうして被害者の居る場所に辿りつき、どうやって台所の冷蔵庫から食べ物を盗んでそして風呂場で誰かが深夜に入っていたのかと言う説明がつかなかった。最初のころに聞いた深夜に風呂の音や台所の冷蔵庫のドアの開閉をしていたのか、最初の聞き込みでは「ここはお化け屋敷と言われ深夜に入浴する音や冷蔵庫の開閉の音がある」と、履いていたが槇原は最初からそんな子供だましにはひっかかっては居なかった。今のところ床の下には要塞のような作りがあって、そこから棺桶に入っていた人骨や、そして地下室から三階に上るハシゴの存在と電気が来ていない屋敷で手動式の発電機で賄い、そしてそんな犯人がここで殺戮(さつりく)を繰り返して居たとはとても信じられない状態だったが、過去にこの屋敷でオーナーが次々と殺されているのにと槇原は思って居た。





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