ソニア様の秘密
「ソニア様! こんなところにいらしたのですか!」
ソニア……様⁉︎ どういうことだろう?
「キリアこそどうしてここに?」
どうやらソニアのことをソニア様と言う彼女はキリアというらしかった。そのキリアという人が話し始めた。
「ソニア様のことを探しにきたのですよ! ソニア様がいきなりいなくなるから今、国では大混乱ですよ!」
どうやらソニアは重要人物だったらしい。それ以上のことはわからないが。
「なあ、ソニア様これってどういうこと?」
「その呼び方やめて下さい!」
怒られた。この呼び方は気に入らないらしい。その後ソニアはため息をついた。
「キリアが来た以上隠すこともできないでしょう」
そう言ったソニアはなんと手に小さな火をつけた。そして宙に指を振ると、空にこの島が破壊できそうなほどの巨大な火の玉ができたのだ! しかし俺に見せることが目的だったのかソニアはすぐにその巨大な火の玉を消した。
「コウセイさんは知らないとは思いますけど、この世界には3つの古代兵器があるのです。そしてその1つが私『エレメントフォース』火、水、風、土、4つの自然を自在に操れるのです」
ソニアは話を続けた。
「私にはこの忌々しい力があるのです。キリアが来たということは他の人たちも私を迎えに来るかもしれません。きっとその時コウセイさんに危害が及んでしまいます。もう私に関わらない方がいいです。短い間でしたけど楽しかったです」
ソニアの話を聞いてソニアがこの魔法を忌々しい力と呼んでいるのが俺は何よりも悲しかった。
「少しだけ俺の話を聞いてほしい。これは俺が住んでた世界の話なんだが、そんな火の玉よりも恐ろしい兵器がたくさんあった」
「そんなものが……」
「ああ、空に恐ろしいキノコができるんだ。でもな、そんな力を持った世界も火や水は作り出さないんだ」
俺のいた世界にソニアが来たら現在世界が抱えている問題がほとんど解決するレベルだ。
「ソニア、この力は兵器なんかじゃ無い。人を傷つけたり人から奪うなんてちゃちでしょうもない力じゃないんだ。これはゼロからイチを作るすごい魔法なんだ」
その点で俺の『クラフト』とはレベルが違うのだ。
「なあもしよかったらここで生活するのにその力を使わないか? 戦いとかそんなものにはその力は絶対に使わせない。約束するよ」
「いいんですか。私、もう、誰も傷つけなくていいのですか」
「うん。約束する。ああ、後もう関わらなくていいとかカッコイイこと言ってたけどこの島から出られないからね」
「そこ言うのですか⁉︎ こっちは真剣だったのに! 私帰ります!」
拗ねて先に帰っていった。同じ家だからすぐに会うんだけどね。
「コウセイといったか、ソニア様のことよろしく頼むぞ」
二人になってキリアが話しかけてきた。
「なあ、キリアはなんか魔法とか使えるのか?」
「使えないぞ。私はただのソニア様の世話役だ。ソニア様は寝相が悪いから毎朝私がお召し物を直していたのだぞ」
ああ、それが原因で本人は寝相がいいと思っていたのか。
「キリアはいいのか? そのソニアが戻らなくても」
「ああ、ソニア様が楽しそうだからな。私はソニア様が幸せだったらそれでいいんだ。あんなに笑っている顔は初めて見たよ」
「そうか、決闘だ! とか言われなくてよかったよ」
「まあソニア様を泣かせることがあったら問答無用で斬るけどな」
怖っ! 気をつけよ。あと絶対にキリアに剣は作らないようにしよう。
「じゃーん」
家に帰った俺とソニアはとあるものを作っていた。
「これはなんだ?」
キリアが聞いてきた。
「ほらここひねってみ」
下の蛇口をひねると水が出できた。
「私の魔法を飲み水に使うなんて」
ソニアが呆れているが嬉しそうだ。
「いやーこれで水問題が解決したわ。よかったよかった」
水だけは困っていたのだ。ソニア様々である。
「そういえば古代兵器って言ってたけどソニアってえっとその……古代なの?」
「あら私の魔法を体感したいのですか?」
「勘弁してください」
ソニアにどんな過去があろうが関係ない。ただこの島で暮らすだけである。
最初で最後の真面目回(たぶん)。次回から無人島?生活が加速します。
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