再度
短いです
昨日無人島に転生した俺はソニアが漂流してくるというハプニングに見舞われながらもスキル『クラフト』のおかげでなんとか一日を終えることができた。
しかし今、俺に難題が立ちはだかってる。俺の隣で寝息を立てているソニアだが、たいそう寝相が悪いのである。俺が起きたのも俺から布団(布きれ)を剥ぎ取ったからで、ちなみに剥ぎ取った布団も彼方に飛んでいる。早急にもう一つ小屋なり、部屋なり作らなければいけない。
そんな当のソニアだが、服がはだけている。これが難題である。考えてみてほしい。ここで俺がソニアを起こすとする。すると、俺が脱がしたと勘違いされる。そう、昨日と同じくだりが繰り返されるのだ。俺は反省する男、同じ過ちは犯さない。
「直しておくか」
俺はソニアの服を直してあげることにした。そう思ってソニアの服に手をかけた。ん? 待てよこの瞬間が一番危な……
悪いタイミングというものは重なるもので、ソニアがパチリと目を覚ます。
「お、おはよう、ソニア」
俺は笑って誤魔化すことにした。
「おはようございます。これも何か私の勘違いですか?」
「すみませんでしたああああああああ」
俺は地面に頭を擦り付け全力で謝った。いろいろ考えた末に一番悪い手を打ってしまうのは将棋のようだった。
「それで今日はなにをするのですか?」
「食料、ソニアの部屋、後は島を周りたい」
「確かに私の部屋が無いと襲われてしまいますからね」
「だからあれはソニアの寝相が悪いんだって」
「いいえ! 私は生まれてから寝ながら服を脱いだことなんてありません!」
ソニアは寝相が悪いことに気がつかないタイプらしい。……いやさすがに気づけよ。
手始めに俺たちは島を周りながら食料を探していくことにした。少し進んだところにまあまあな大きさの平地があった。
「ここを拠点にしてもいいかもな」
せっかく『クラフト』があるので大きめの家を建てたい。そのために広めの平地が必要だったのだ。
「あれはなんでしょう?」
またしばらく歩いた後、ソニアが指を指す。
なんか海岸に人が見えるな。それにこの展開に覚えがある。
「あれは誰かが漂流したな。ソニアもああやって流れ着いたんだぞ」
「そんなこと言ってないで早く行きますよ‼︎」
たとえおかしな状況でも二回目だと人間は慣れるものだと知った。
一通りの処置を済ますと意識を取り戻してくれた。見た目はソニアと似ているから同じエルフなのかもしれない。
こうして無人島に三人目の住人が来たのであ……
「ソニア様!」
目を覚ましたエルフが声をあげた。ていうかソニア……様⁉︎
漂流という出会い方を流行らせたい
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