彼氏彼女の日常パート4
彼氏彼女の続編です。よければどうぞ。
俺には彼女がいる。
その、彼女は自分では絶対出来ない事をし始めた。
「よし、小説を書いてみよ」
「がんばれ」
「うわ!!なにその投げやり感たっぷりの一言は」
俺は分かっている。彼女は暇だから言ってみただけだと言う事を、
「第一小説を書くのに根気とネタが必要だぞ。お前にはあるのか」
「大丈夫、できる」
「嘘つくな!!この前は『暇だからプチプチを潰す』と言ったくせにわずか5分で止めたろ」
「だって飽きるんだも、でも、書ける自信がある」
「どこにその自信があるのか根拠を言え」
「なぜならネタがたくさんがあるからです」
「根気は!!」
彼女は目をそらした。そして、「多分……あると……思われます」と小さい声で答える。
絶対に出来ないと思ったが、彼女がどんな小説を書くのはどんなものか少し気になった。
「とりあえず、ネタを言ってみろ」
「それは言えません。盗作されるかもしれませんので、それでは自分の部屋でがんばりますので夕食近くになったら呼んでください」
「ああ、分かった。がんばって作ってこい。俺は書けなくなって寝ているお前の顔にいたずらをする準備をするから」
「と、思いきや私の寝顔を見るのでしょ。いやらしい」
「しません」
「本当?」
「多分……しません」
「多分……」
「無理です。見ます」
「……いやらしい」
「男は全員いやらしいんだ!!」
「はいはい、あんだが、どんだけいやらしいかよく分かったわ。それでは、本題の小説でも書くね」
俺は弁解したが、普通に流され、彼女は自分の部屋に入っていた。
それから夕食の時に彼女の部屋を覗いたが。彼女は一生懸命にキーポードーを叩いていた。それが3日間続き、夕食は愚か朝ご飯も作ってくれなかった。
おかげで俺は3日間カップ麺で過ごしていた。いかにも不健康な生活だ。
4日目の朝、彼女の部屋を覗く。
彼女はパソコンの前で寝ていた。俺は彼女の小説が何を書いているのかが気になり、パソコンの画面を見た。
タイトルは『私の彼氏』
そっか俺を題材にした小説か、何を書いているのかな?
『私の彼氏はかっこよく、背が高く、頭が良いです』
うんうん分かっているな。
『と思っているナルシストな彼氏です』
誰がナルシストだ!!
『そして、よく、浮気します』
まだ根に持っているのか、その件について片はついたぞ。
『特に女のアドレスは名字だけを入れるなどという小細工をしていますが、バレバレです』
恐ぇよ。なぜ、分かるんだ。バレないようにロックをかけたりしているのに。
『そして、先日、彼氏の携帯に知らない女の人からのメールが来ました』
ああ、知っているんだね。この前までバイト先の女とメールしていたよ。最近、なぜかメールを送っても無視されるけどさ。
『で、私は問い詰めてやろうと思いました』
あれ、おかしいなこの子に関して問い詰めはなかったぞ?
『でも、問い詰めても面白くないのでその女にメールを返しました(笑)』
ちょっと待て!! 何をしてくれる。そしてなんて送った。
『それはですね……』
それは……
『どんな内容かと言うと』
とんな内容か言うと。
『おやすみ』
寝るな!!起きろ。そして書け、ていうか3日間、篭っていたくせに10行くらいしか書けてないだろ!!3日間、何をしていた!!
彼女の体を揺らす。
彼女は体を起こし、寝ぼけ眼の顔で俺の顔を見た。
そして、俺の鼓膜に響く声で口を開いた。
「この浮気者この女は誰よ!!」
「ちょっと待て夢の世界までおままごとをしているのか?お前はどんだけおままごとが好きなんだ」
そう言ってつっこみを終えた瞬間。彼女はまたパソコンの方に倒れようとした。
俺は彼女の体を起こし、体を揺らして起こした。
彼女は寝ぼけ眼で今度は「おはよう」と言った。
俺はすかさず、バイト先の女の子について聞いた。
「お前、バイト先の女の子になんて送った」
「バイト先の……女の子?」
彼女はまだ頭に血が回っておらず、片言で言った。でも、俺は容赦なく言う。
「バイト先の女の子だよ。ほら、お前が書いている小説の女の子」
「小説の女の子……ああ、あの子ね」
「そうだよ。お前なんて言ってメールを送ったんだ」
「送ってないよ」
「何を言ってる。だってお前の小説に『メールを送った』て書いてあるだろ」
「いやいや送ってません。それは小説の話のネタを考えている間に寝ってしまったので書けませんでした」
それを聞いた瞬間。今までの会話でおかしな事が分かった。
彼女はメールを送っていない。ただ、ネタを考えてこの文章を打っただけと言う事だ。
ただ、バイト先の女の子からメールが来ないと言う謎は残るが、
俺はとりあえず「無理をせず、がんばれ」と言って彼女の部屋を去ろうとした。しかし、いきなり、肩に強い力が掛かった。
そして、同時に食い込むような痛みが走ってきた。俺は恐る恐る。後ろを見たとき、半笑いに笑う不気味な彼女がいた。
「ねぇ、一つ聞きたいことがあるんだけどいいかな?」
「ダメです」
「バイト先の女の子てどんな子?」
「分かりません!!」
「ちなみにバイト先の女の子とはどこまで行ったの?」
「一切どこにも行ってません!!」
「嘘を付くとね。閻魔様に舌を抜かれるんだよ」
この後、正座をしながら2時間以上、彼女にバイト先の女の子について尋問を受けた。
後日、バイト先の女の子と話すと新しい彼氏が出来たから送らなかったと言われた。
これを書くと心が落ち着きます。最近、かなり精神的な打撃が多いからこれを書いていると楽しくなれて良いです。他の書いている作品は暗いのばかりで暗くなりますけど、これを書くと少し気が楽になります。本当に。




