表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

第五章+y

家に帰ったら、親が揉めていた。


「あの子は正常なの!!」


きっと僕のことだろう。

僕だってわかってるよ。


「そんなわけないだろ!

お前あいつの行動ちゃんと見てるのか!?」


わかってるって、もう黙ってよ


「うるさいわね!

じゃあどうにかしろって言うの?」


だって無理なんだもん。

表に出さないなんて。


「せめて精神科に連れて行って、

あいつの将来はあいつに決めさせる。

それが親ってもんだろ!」


やめてよ。

僕のことでそんなに喧嘩しないでよ。


「だってわかんないじゃない。

あの子が本当に⚫⚫⚫だと、自分で思ってるのか」


ごめんなさい。

ごめんなさい。

生まれてきてごめんなさい。


「見てわかるだろ!

あいつは○○○じゃなくて!

⚫⚫⚫なんだよ!」


僕が生きてるからいけないんだよね。

僕が死んじゃえばいいんだよね。


「あなたはあの子のことなんも知らない!」

「知ろうとしないのはお前だろ!」


ああ、神様あなたはなんて残酷なのですか?


「だって、知ったところで無駄じゃない!」

「無駄じゃないようにするのも親の役目だろ!」


そっと首筋に切り込みを入れる。

たしかここら辺が静脈だったはず。


「あの子は、あの子は幸せなんてない。」

「何を言ってるんだ⚫⚫⚫にならしてあげることこそ、最後にあいつのために出来ることだろ」


だんだん意識が遠のいていく。


「そんなこと、出来るはずないじゃない。」


泣き崩れないで、お母さん。

ごめんね、僕女の子じゃなくて。


女の子の体してるのに、

女の子じゃなくて…


気持ち悪いよね。

わかってる。

だから、死んでしまえばもう同じだよ…


お母さん。今までありがとう…


「俺があいつと話してみる。

あいつが変えたいようだったら、

あいつのために、決意してやろう。」


お父さん。ありがとう


でももういいんだ。

僕死ぬから。


最後に認めてくれてありがとう。

性別変えてもいいって言ってくれてありがとう。

認めてくれてありがとう。


それだけで、僕は心が救われた気がする…


二人ともごめんね。

僕がいなかったら、お母さんもお父さんも喧嘩せずに済んだんだもんね


ごめんね。

お母さん。お父さん。


今までありがとう…

さようなら。


最後にお父さんが僕を呼ぶ声がして、

僕は意識を完全に失った…


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ