第二章+y
まただ、またあの夢を見た。
女性にかっこいいと言われたことなんてない僕は少し嫉妬してしまった。
なんだ、イケメンなのか。
僕の考えていた、デブでニキビで汚らしい服を着たモテないブ男とちがい、
身長も高く、革ジャンを着たイケメンくん。
僕とは、一つも似ていない。
多分彼と僕の行動を比較してみても、まったくもって似ていないのであろう。
例えば僕がパソコンを打っても彼ほどかっこよくはならないし、
彼が寝ていたとしても、僕ほどブサイクにはならない。
むしろ、女子達はキャーキャー言って写真を撮るのだろう。
ご飯よ!というこえが聞こえたので、
僕は、急いで学校の用意をし、急いでリビングに向かう。
香ばしいコーヒーの香りとともに、甘い卵の香りが鼻をかすめる。
日本古来からある全てのものの命を頂戴いたします。という意味を込めたいただきます。という言葉を合図に僕はごはんを、口の中にかきこむ。
ご飯と卵の甘さがより一層コーヒーの苦味を際立たせる。
これほど美味しいご飯があるだろうか、いやない。
確かこれは、同格表現だったよな、と考える。
僕は、最近習ったことでご飯をレポするのが好きだ。
流石に、生物で習った用語でレバーを表現するのは母親に怒られたが、この方法が一番覚えられる気がする。
8:06 いつもと同じ時間に家を出る。
この時間が一番いじめっ子が少ない。
僕はいじめは無くならないと思う。
学生の目からしてもそう思う。
なぜなら昔からそうであったように、人間は自分と違うものは消したがる性質にある。
戦争だってそうだし、争いだってそうだ。
そう、いじめは学生の戦争だ。
僕は戦争に負けたのだ。
あとは、嫌なことを言われるだけだし、
もう覚悟は終わっている。
ただしこんな僕にもひとつだけ許せないことがある。
いじめはいじめられる方が悪い。
はっきりいって僕のいじめられている理由は、授業中にふざけてたやつに注意をしたからだ。
僕とアイツとのペアは勉強以外のことは話さなかった、
ただ、前の組は違った。
授業中なのに男子同士で膝枕したり、ドッタンバッタン大騒ぎ状態だった。
もちろん僕達の机も揺れた。
だから僕は、うるさい。と注意をした。
すると彼らは、
「お前らだってここが違うここはあってるとか、それさっきやったもんとかうるせーよ」
と言ってきた。
はっきり言うが、これは勉強のために話していたことだが、そんなに授業中に勉強するのが嫌なら、こんな進学校来なければいいのに
少し出ていた先生が帰ってきた。
その瞬間僕は度肝を抜かれた。
彼らはいい子ちゃんアピールを始めたのだ。
何もしていなかったのに、ここはどうやるのですかー?
…はっきり言って反吐が出そうだった。
ヤンキー君の俺いい子だよアピールは本当に嫌いだし、気持ち悪いと思う。
グレるのなら最後までグレればいいのに。
もちろん彼らは、先生が部屋を出た瞬間モンストと呼ばれるゲームを始めるのだ。
しかしこいつらは頭がいい。
どうせこんなことしていたって、校内偏差値60は軽く超えているのだろう。
僕はこの学校では勉強ができる訳では無い。
ただ、こいつらには負けたくないと思った。
放課後も一生懸命勉強をし、土日にも学習時間を割く。その時間をもっと増やそうと考えた。
僕は学校が嫌いだ。
もう一度いう、僕は学校が嫌いだ。
人間が嫌いだ。
僕と同じように授業中に静かに勉強するヤツらは好きだ。
自習時間になれば、僕は仲良い友達と一つの場所に集まる。
そして僕は最近見つけた面白い話や、面白い曲をする。
僕は少人数でいる時の静けさは嫌いだ。
もったいない気がする。確かに勉強のことを話すこともあるが、僕はもっとたわいない話をしたい。
そんなことを考えながら、帰宅する。
一日は短い。
楽しみにしていた晩飯は…と思ったが、今日も母親は男のところに行ってるらしい。
置いてあった1000円を持って、ハンバーガーショップへ行きハンバーガーを頬張る。
僕はこんな機械に作られたハンバーガーより、お母さんの作るご飯の方が好きだ。
そんなこと言ったって聞き入れてくれる訳では無い。
残ったお金でプラネタリウムに行く。
星を見ると心が浄化される気がしていた。
そっと頬が濡れた。
そっか、僕辛いのかな。
なんて馬鹿げたことを思いながら、家に帰宅し、ベッドに入って眠りについた。