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宵のウタ  作者: バリカタ麺マン
3/4

悪い夢の始まり。

ジリジリーン。

古びた呼び鈴の音が部屋に響き渡る。

ガザザッと雑誌の束が倒れて、デスクで眠りこけていた男が目を覚ます。

「くあッ〜」

欠伸をしながら、体を起こしドアに向かう。

「はいはい、今出ますよっと。」

ガチャ、古びたドアから見えたのは若いヤンチャそうな男が3人。

現れた男を見て固まっている。

「あぁ?なんだガキ共。」

意を決した様に真ん中にいたニット帽の男が声をだす。

「あぁ、あの、ここで。依頼が出来ると聞いて」

「誰になんの話を聞いてここへきた?」


威圧的な声と態度に怯えながらも、話を続ける。

「し、少年課の御剣さんに。ココなら嘘みたいな話でもきちんと聞いてもらえるって。」


「はぁ、、あのクソ野郎。またくだらねぇ話吹き込みやがって。。」


「金あんのか?」


「ええっ、用意します。言われただけ、かならず用意します」


チッ、蓮二は舌打ちをし、少年らを見渡すと、事務所に招き入れた。

「入れ、クソガキども。」


部屋の中は雑然としている。

ガッチガチに吸い殻の盛られた灰皿。

新聞、雑誌などが高く積まれいる。

古びた革張りのソファーに腰掛け、赤マルに火を点けると蓮二は話を促した。


「で、だ。どんな話で、誰をどうして欲しいんだ?」


ニットの右にいた、赤いパーカーの男が口を開く。


「さっきから俺ら客だぞ?なんだその態度。ふざけてんのか、てめぇ。」

怯えながらも、蓮二を睨みつけ威嚇するように声を出す。

「ふーん。」軽く男を一瞥すると。

蓮二は手を広げて男の前に突き出す。

「は? いててっ、いてぇ頭が割れる。」

アイアンクローだ。蓮二は何も言わずにギリギリと力を入れ続ける。

「度胸だけは買ってやるがな、糞ガキ。ここは俺の城だ。受ける受けないは俺が決める。」


「テツ‼︎」

どうやら赤パーカの名はテツらしい。

ニットが慌てて止めに入る。


「すいません!許してください。俺ら二人とも誰に何を言っても、信じてもらえないばっかでこいつも気がたってるんです。すいません。」


頭を下げると。蓮二はパッと手を離す。

テツの顔にはくっきり五つの指の跡が。。


「ほら、テツも謝れよ‼︎」

「すいませんしたっ…」

赤パーカーが、頭を下げる。


「俺の名前はアキラです。こっちがテツ。御剣さんには補導されてから親しくさせてもらってて。ここの事を教えてもらったんです。」


「で、だ、話を戻すが誰をどうして欲しいんだ?」

蓮二は手を閉じると話の続きを促した。


「ヒロキを助けてくれ。。」

赤パーカーがうつむきながら、絞り出すような声で言う。


「俺とテツ、ヒロキは同じ高校の仲間です。3日前。肝試しにとS市の廃病院に3人で出かけました。そこで…ヒロキは黒い靄に飲まれて消えました。」


赤パーカーが引きつったような声をだす。

「あ、あれは靄じゃなぃ、手、顔、色んなもんがごちゃまぜでこっちみて笑っていやがった。ニヤニヤニヤニヤ。」


タバコをもみ消すと。蓮二は立ち上がり声をかける。


「体質的にはニットより、パーカーのが視えるらしいな。」

やれやれと被りをふりながら蓮二は。

「あぁ、なんだっけヒロキってガキは金髪の小太りのチビか?」

アキラ、テツはギョッとして蓮二を見つめると震えた声で聞き返す。

「な、なんで、あんた。。」

「また握られてぇのかてめぇ。」

「すいません。。」

テツは頭を下げる。

「でも、本当になんで??」

アキラが声をかけると、蓮二は面倒くさそうに答える。

「紐付きかよ。めんどくせぇな。ヒロキってのは相当美味かったらしいな。」


「ど、どうゆう事ですか?」

アキラが震えた声で聞き返すと。


「あぁ??一から十かこのユトリどもが頭を少しは使いやがれ。」


「ちなみに俺は視えはするが、聞こえはしねぇ。だから話はわからねぇ。」


「ただ一つだけ、わかる。」

二人は息を飲んだ。


「そいつはもうこの世にゃいねぇってこった。」


二人は震えながら真っ青な顔になりながらも、蓮二に問いかける。

「ほ、本当にヒロキは、ヒロキは…」

「う、嘘だ‼︎俺は信じねぇぞ。」


ため息を吐きながら蓮二は答える。

「信じるか信じねぇかはてめぇ達の勝手にしな。」

「救うと掬うの違いがわかるか?ガキども。」

二人は震えており、何も答えられない。


「もう命を救ってやるのは、無理だ。死んじまったもんは神様だって救えやしねぇ。」

「ただな、魂を掬う事は出来る。そのくそっタレの塊からな。」


新しいタバコに火をつけ煙を吐き出すと蓮二は二人を見つめてこう言った。


「最後にもう一度聞くがな、で、だ。」

「誰をどうしたい?」


初めての投稿。

初めての作品。

いや、生暖かい目で見ていただけると幸いです。

批判、中傷は作者の豆腐メンタルには抱えきれませんのでご遠慮ください。

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