表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

銃✕鎚《最凶の姉妹》

作者: 川崎雨御

この短編は昔、夢で見たモノだ。(笑)

俺は見たままの出来事を書きましただけだ(笑)、文章力はまだ未熟者ですが、どうかご感想とご評価を頂ければ嬉しいですm(_ _)m

 深夜、ウラスニーテー(Urasnite)王国、国境線。 ふたりの少女と言うより、ひとりは大人っぽいお姉さんと可愛らしい少女です。 彼女たちは地下遺跡から脱出した後、真っ暗な空から、突如! 巨大な四肢の機械が降ってきた。

 あの巨大機械が地上に落ちた瞬間、大地が揺れる。 まるで自然界の地震の如く。 天と地が激しく揺れていた。


「わっ!」


ハンマーを持っていた少女がその揺れで転ぶ。


「大丈夫か?!」


「はいぃ…なんとか…あれは一体何なんなの?!」


 お尻の辺りがケガしたみたいで、彼女は泣くそうな顔で尻を撫でる。


「まずい…あれは帝国軍の秘密の帝器(ていき)の一つだ…チッ! もう来やがったのか!」


 舌打ちでお姉さんは焦る。


「帝器って?」


「説明は途中で話す! 今はいそごう!」


 有無を言わさず、お姉さんは先へ急ぐ。


「うん! 分かった!」


 少女が立ち上がった後、彼女はお姉さんの跡を追い、暗くて先がほぼ見えない森に入る。

 彼女たちある場所へ向かっていた。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



「それで? 帝器っていったい…?」


 走ってる途中、少女は再び聞く。


「帝器とは、今から二百年前、帝国に現れたある奇跡の天才が奇妙な素材で、信じがたい計算力で作られた《戦争兵器(ウォーウェポン)》だ。 その天才は長年の戦争を終わるため、自分の人生のすべてをかけて、計174の帝器を創り上げたんだ。 手持ちの大きさから、山よりでっかいモノまでを創った」


 拳銃を持つお姉さんは少女に帝器の由来を説明する。


「ってことは…あれは一番でっかい帝器ってこと?!」


 話を聞いた少女は驚いて、あの四肢の機械を見詰める。


「それは私にも分からないけど、一番とは限らない…しまった!」


「ど、どうした?!」


 いきなり大声を出すお姉さんは少女を驚かす。


「あれをみろっ!」


 彼女たちが最速で森の中に走っていた時、拳銃のお姉さんは指先であの巨大機械を指す。 機械が動き始める、そのまま、隣の山に移動していた。


 数秒後、あの機械は青い光で山を照らしていた。 まるで検査してるみたいに。 そしてその青い光が照らしてる内に、色が徐々に変わっていく。 青から赤に変わって、一点にある場所を集中していた。


「クソっ! もう見つかったのか?!」


 っと拳銃を持っていたお姉さんは焦る。


「はぁ…ぷはぁ…ま、待ってー」


 しかし彼女の前に走っていたはずの少女は何故か遅れていた。


「急いで! もう時間がないんだッ!」


「さっきの戦いで疲れたぁー」


 ふらつく少女は今でも倒れそうな走り方、到頭体力が尽きたみたいに、彼女は足を止める。


「弱気になるな!」


「は、はひー!」


 しかし拳銃のお姉さんの一言にびびって、少女は再び走る。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



 彼女たちが山へ向かってる途中、既にある男がその山の中にある遺跡にいた。 そしてその男が鉄棒を持って、ある壁に叩き込んでいた。


「クソッ! なんで壊れねんだッ!? あと少しだというよに…! もたもたする暇がねんだッ! もうすぐ奴らが――」


 トカン!!! と急にあの男の右側から約十五メートル離れていた壁が、大きな穴が開けられた。


「なっ!? あれは帝国軍の…チッ!」


 壁に穴を開けたのは帝国軍の帝器だった。 それを見た男は少し焦ったていた、焦る分、彼はハイペースで壁に埋め込んでいた大きな青い宝石の辺りに全力で叩き込んでいた。


 叩いてる内に、壁にヒビが割れる。 それに気づいた男は、力を絞って、鉄棒を高く上げて、そのまま全力で振り下ろして叩き込む。


 トン!!


 壁が完全に崩れていたと同時に、あの鉄棒も壊れた。


 男が喜んでいた。


「よっしゃー!!! ついに手に入れた! ん? なんだありゃ?!!」


 男を驚いたことは、壁が崩れたと同時に、壁の中からひとりのニヤッとしていた爺さんが現れたこと。 爺さんは壊れていたはずの鉄棒を一握りで、一瞬に元通りに戻した。


「やれやれ…やっとここから出られたかー」


 老人の声は渋い。 身長は約二メートル、上半身は丸裸、軍服のようなズボンを穿いて、全身は筋肉で覆われていた。


 そしてあの壁から出て、埃が散った後、初めてその老人の正体が現す。


「お、おおお前は誰だ?!」


 男が驚き過ぎて、震えたまま地面にこける。


「ん? なんだ、貴様は? 老人にその口ぶりはなんだ?! 敬語を使え! ワシの名前はフィンウェイ・ジャハーザ(Finwey・Jahazza)」


 フィンウェイが自分の名を男に教え、そして男はその名前を聞いた途端、表情が変わる。


「フィンウェイ・ジャハーザ…? ま、まさか…!! 五十年前に存在した最強のホムンクルス……フィンウェイ・ジャハーザだと!?」


「なんだ? ワシの名前、そんなに有名かい?」


 男の体が震えていた、恐怖を感じていた。 その時、男は理解した。 獲物の気持ちを。


「(殺される殺される殺される…!!! いやだいやだいやだいやだいやだァァァ!! 俺はまだ死にたくないっ!! 死にたくない!)」


 男はフィンウェイの怖い顔を見てる間、ふたりの少女はフィンウェイたちがいる場所へ行く階段まで辿り着き、そのまま彼らの前であがった。


「や、やっと着いたー」


 少女の足の震えが止められないくらいにぷるぷるしていた。


「のんきなことを言ってる場合じゃない! もしあのホムンクルスがよみがえ…って、もう甦ってるし!」


 っと、拳銃を持っていた姉さんがツッコんだ。


「え? うええええ!!? 本当だ!!」


 そしてでっかいハンマーを持っていた少女が驚いた表情して、大きな声で叫んだ。


「なにぃぃ!? なんでお前らがここにいるんだ?! 暴力姉妹!」


 男がふたりの少女の存在に気づき、驚きの顔をした。


「誰が暴力姉妹だ!! 私たちは《最強☩姉妹》だ!」


「そうだそうだ!」


「ぷーっ! 相変わらずだっせえ名前だ!」


 男が嗤う。 その時、彼は何かいいことを思い付き、フィンウェイに寄る。


「フィンウェイさん、俺と協力して! 俺と一緒にあのバカ姉妹をやつけろっ!」


「なぜだ?」


 しかしフィンウェイはその男に理由を求めていた。


「なぜって…彼女たちはいつも俺の邪魔をしているからだ!」


 男は少し焦る。


 そして男がフィンウェイに説得している間、突然、でっかいハンマーを持っていた少女が凄まじいダッシュで襲い掛かる。


「とぉりゃッ!」


 彼女は思いっきり男を叩き込んだが――、


「無駄だ!」


 フィンウェイが少女の攻撃を片手で止めた。 しかし、ハンマーの衝撃があまりにも強くて、床が少し沈んでいた。


「(凄まじいパワーを感じる…この小娘、できる!)」


 不敵な笑みを見せるフィンウェイ。


「なに?! 片手で受け止めた?!」


 少女は驚いた。 そして――、


「ふっとべー!!」


「いやあぁぁ!!!」


 フィンウェイはハンマーを掴んで、少女と共に投げた。


「ニーア(Nia)!!」


 ニーアが飛ばされた後、もうひとりのお姉さんが駆けつける、ニーアが地面に落ちる前にキャッチした。


「怪我はない?」


「あ、うん…ありがとう、ソーニア(Sonya)」


「ふふ…どういたしまして」


 彼女たちがニコニコと笑っている間、フィンウェイがその男に声を掛ける。


「ふむ…よかろう、お前に協力をしてやろ」


「えっ? いいの?」


 老人の返事で、男は喜ぶ顔で見詰める。


「ああ…久しぶりに骨のある相手に巡り会えたんだ」


「よっしゃー!!」


 男が嬉しすぎて、声を上げる。


「まず、お前の名前を教えろ」


「もちろんだ! 俺の名前はレスヴァン・ネワールガン(Resvan・Newallgun)だ」


 レスヴァンが自分の名前をフィンウェイに教える。


「分かった、レスヴァン。 まずお前、その拳銃を持っている小娘の相手をしろ。 ワシはあのハンマーの小娘だ、あいつ、凄まじいパワーが感じたから」


「(あ…俺はてっきりお前がロリコンと思ったぜ…)了解だ(なんか命令されていない? 違うよね?)」



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



 その頃、ソーニアたちがなんとなくレスヴァンの会話の内容が何なのかは分かったみたい。


「どうやら向こうはなんらかの方法を襲ってくるかも。 ニーア、君はあのホムンクルス、フィンウェイに任せる。 私はあのバカの相手をする」


「でも――」


「大丈夫、私には作戦がある…耳を貸して…(ゴニョゴニョ…)」


 相手に悟られないように、ソーニアはニーアの耳もとで話す。


「な、なるほど。 それなら大丈夫ッ!」


「でしょー? んじゃ、作戦開始だ!」


 ソーニアたちが話を済んだ後、レスヴァンたちもちょうど話を済ませた。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



 レスヴァンは腰にあった赤い拳銃を瞬時に持ち出し、さっそくソーニアへに撃った。


「今度こそ! ケリをつけてやる!」


 しかしレスヴァンの弾丸がソーニアに当てられなかった。 ソーニアは素早い動きですべての弾丸を避けていた。


「お前なー、いつも同じことを言うけど、その度にいつも負けてるよねー。 負けを認めろ、レスヴァン! お前は私を倒せない!」


「どうかな?」


 レスヴァンはニヤニヤと笑っていた。


 ソーニアたち戦ってる間、フィンウェイはなぜかさっきから同じところに立っていた。


「あの小娘…どこへ行った? 姿が見えん」


 フィンウェイはニーアの姿を探していた。


「さぁー、どこにいるかしら?」


 ソーニアはわざとらしい口調で話す。


 戦いが始まった時、すでにニーアの姿が消えていた…跡形もなく。 そして少し焦ったフィンウェイは、空中に飛んで、この空間の上にあった天井に穴を開け。 そこに新たな空間が現れた、そしてフィンウェイはその上で見下ろす、ニーアの姿を探るために。


 それでもなにも見つからなかった。 下にはレスヴァンとソーニアが戦っているだけだった。

 フィンウェイがニーアを探している間、彼女は既にあいつの横の約五メートルの距離で身を潜んでいた。


「(いひひ…バレてないバレてない。 ソーニアの予測通りだ、フィンウェイは私を見つかれないから、高い場所で探さなきゃならない。 もう少しソーニアの合図が来る! ここはもう少し近づいて、待つのみ!)」


 そして下にあるソーニアとレスヴァンはゲリラ戦を(おこな)っていた。 ふたりだけで周りの壁や古い陶器を蜂の巣みたいで穴だらけになっていた。


「どうしたんだ? レースバン?」


「レースバンじゃない! 俺の名前はレスヴァンだ!」


「はいはい、レースバンくん」


 ソーニアが二ヤリと嗤う。


「お前…許せん! これでもくらえ!」


「なッ?!」


 レスヴァンはズボンの後ろポケットから手榴弾を持ち出した。


「お前! まさかここで使う気?!」


「ああ! 使ってやるよ! ここで! オラッ!」


「やめ…!」


 プーン!!


 耳まで響いた音が頭の中になっていた。

 レスヴァンが使ったのは手榴弾ではなかった、フラッシュを使った。 そして――、


「くあああぁぁあ!!! お前!! フラッシュを使ったな!? 卑怯者め!!」


 ソーニア床に倒れ、目を瞑っていた。 彼女の視界が奪われた今の彼女はなにも見えない…見える世界はほぼ真っ白と複数の同じモノを見えていただけだった。


「ハハハハ…!!! いくら言ってもいい!! 最後に生き延びれた方が勝ちだァ!!!」


「くぅ…!! 死ねー!!!!」


 ソーニアは拳銃を持ち出し、撃ったが…弾丸はレスヴァンの顔を掠りもせず、空へ飛んで行った。


「かはっ! あははははは!! どこを狙ってる? 俺はここ、ここだ…分かる? 分かる訳ねえよな? ははは…あー飽きた。 さっさとお前を殺して、そしてお前の妹も殺す…muere tranquilamente, Sonya...buenas noches」


 レスヴァンが不気味な笑顔で、拳銃を持ちあげて、ソーニアを狙う。


「クッソォォォ!!!!!!!」


 バンバンバン!!!


 レスヴァンがソーニアの声を断ち切ったように、三発で彼女を黙らせた。


 最初の一発目はソーニアの腹、二発目は心臓、そして三発目は…(くび)

 そしてソーニアの体の活動は停止した…。


「心臓を撃ったが、まだ油断はできない…安心するため頭にも撃つ」


 そしてレスヴァンが拳銃をソーニアの頭に乗せ――、


 パン!!


 至近距離で撃ったせいで、返り血がレスヴァンの顔に少し汚す。


「チッ! 汚い女の脳みそが俺のハンサムな顔に…気持ち悪い」


 レスヴァンはポケットにあったティッシュで顔と指あったソーニアの返り血を拭く。


 その頃、上の空間――、


「(ソーニアの合図だ!)」


 その時、フィンウェイの様子は少しおかしかった、動きが少し鈍いと見えた。


「ぬ…さっきの弾丸…あれは鉛の弾丸ではなかった…麻酔弾だったのか…きっ、体の動きが少し鈍くなった」


 さっきソーニアが外れた弾丸は、実は、フィンウェイを狙っていたんだ。

 合図を聞いたニーアは、影から出て、フィンウェイのところへ突っ走る。


「てえぇいやぁぁぁぁあ!!」


「なにっ?!」


 フィンウェイは不意打ちにされ、ニーアはその隙に思いっきりハンマーをフィンウェイの胴体に叩き込んで、彼はそのまま下へ吹き飛ばされた。


「ぐあぁぁぁああぁ!!!」


 トカン! っと地面に直撃した。


 それを追いかけるニーアは、下に着陸する前、ハンマーと一緒に、物凄く回転数で追撃した。


「くらえ!! ファイナルスマッシュ!!!」


 しかし…フィンウェイはすぐに立ち上がり、逆にニーアへ襲ってきた。


「遅い!」


「なに?! 今の攻撃、効いていなかった?!」


「ふんっ!」


 フィンウェイが笑った。 そして――、


「くあああぁ!!」


 フィンウェイは一瞬にニーアの傍に現れ、拳ひとつでニーアを地面に叩き沈んだ。


「くはっ!!」


 衝撃はあまりにも強すぎて、ニーアの口から血が飛び散った。


 そして元々下の空間にいたレスヴァンはさっき衝撃にびっくりされた。


「うおっ?! あれはもう死んでいる、よな…?」


 気になっていたレスヴァンはニーアが落とされた場所に近づく。


「くっ……」


「まだ生きてる! しぶといやつめぇ…」


 ニーアはレスヴァンの姿が見えたが、逆にソーニアの姿が見当たらなかった。


「そ、ソーニアは……?」


 ニーアは既に虫の息、彼女はぼんやりとした目でソーニアの姿を探していた。 しかし――、


「ああ…お前の姉はすでにそこで寝込んでいるぞ? いや、死んでいる? くはははは!!!」


 それを聞いたニーアの顔は絶望に変える。 目に涙が溢れ出していた。


「ソー…ニア? きっ…!」


「ハハハ!! あぁ~?」


 笑ってる途中、レスヴァンは見下す顔で血まみれのニーアを睨む。


「貴様ああぁぁぁぁぁああ!!!!」


 ニーアは倒れたまま、大声で叫ぶ。


「おっと! 急ぐ必要なんてないよ、クソガキ。 すぐにお前も姉の元へ送ってやるよ! Go to Hell, baby」


 既に勝利のチケットを手に入れたレスヴァンは嗤う。


「死ねええええぇぇえ!!!!」


「なっ?!」


 ニーアは完全に暴走した。 上半身を起こし、ハンマーを片手で持った直後、一瞬にレスヴァンの目の前に現れた。 そしてハンマーで全身全霊で叩き潰した。


「ぐあああぁぁぁ!!!!」


 レスヴァンはそのまま吹っ飛ばされ、壁に貼り付けた。

 レスヴァンの胴体に大きな穴が開けられた。 ()肝臓(かんぞう)膵臓(すいぞう)腎臓(じんぞう)小腸(しょうちょう)大腸(だいちょう)脊椎(せきつい)仙椎(せんつい)にある第一仙椎から第五仙椎までが衝撃によって正面から受け、レスヴァンの背中から吹き飛ばした。


 地面に接触した瞬間、全ての内臓は木っ端微塵になって、小さなひとつひとつの肉片で地面を赤に染まっていた。


「そ、そんなぁぁ……馬鹿な…くぅー」


 死にかけたレスヴァンは目の前の事実に何も考えられない。


「うっ!」


 ニーアの目の色が赤になっていた、彼女はレスヴァンはまだ息をしているところを見て、ハンマーを地面に引っ張って、襲い掛かっていた。


「いや…俺はまだ死に――」


 レスヴァンがまだ最後まで言ってないうちに、ニーアは彼の目の前に現れ、ハンマーで彼の頭ごとを叩き潰した。


 レスヴァンの頭蓋骨(ずがいこつ)が一瞬に消えた。 脳味噌(のうみそ)目玉(めだま)()(のう)下顎骨(かがくこつ)が衝撃によって、あらゆる方向へ散らばっていた。 彼は既に死んでいた、頭が消え、胴体に穴を開け、そのまま壁に貼り付けた。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



 ニーアのハンマーがレスヴァンの血と脳味噌で汚されていた。 彼女がまだ暴走している時、フィンウェイがニーアに少しずつ近づいていた。


「やれやれ、レスヴァンがもう死んだのか? あっけないモノだ。 うん? 小娘…お前、その目の色、まさか…まさか……同じ? いや、それ以上の完成度だ…なるほどーお前は今の世代の『別神(ザ・アザーゴッド)』かー、ふふふふふ…これは楽しみだ。 どこまでワシを楽しめるのか、実に楽しみだ。 それに、お前の相棒も死んだのかい? ハハハハ!! それがいい、これなら思う存分に殺し合えるもんさ!!!」


 ニーアがファンウェイの笑い声を聞いて、彼を睨む。 殺気は空気を震えさせていた。


「殺してやる…」


「はぁー? 今なんて言った?」


「殺してやる!!!!」


 ニーアがハンマーを振って、フィンウェイを襲い掛かる。


「くあああぁぁあ!!!」


「お! お! お! おう! そうこなくちゃ! 来いっ! 誰か先に死ぬのかを比べ合おう!!!」


 フィンウェイもニーアへ攻撃してきた。

 ニーアが先に攻撃を仕掛け、横から襲う。


「ふん!」


「無駄ッ!」


 フィンウェイは逆に防御態勢を取らなかった、直接に左腕で受けようとしていた。

 そして攻撃を受けたフィンウェイが、一センチも動かされなかった。 しかし――、


「はあああぁぁぁああ!!!」


 ニーアは腰と足の回転で、ハンマーを倍の力でフィンウェイを無理矢理に動かせた。


「な、なにっ?!」


 フィンウェイは少しずつ押されていた、そして――、


「吹っ飛べー!!!」


 フィンウェイが力比べに負け、そのまま吹き飛んだ。 あの厚い壁さえ一緒に吹き飛ばされ、フィンウェイはそとに放り出してしまった。


 そこに帝器がいて、フィンウェイの存在にロックオンされた。


「なんじゃ? あの四つの足を持っているタコは?」


 そしてまだ遺跡の中にいたニーアが、正気を取り戻し、後ろを見るもせず、悲しい笑顔で外を見上げていた。


「待ってて、ソーニア…すぐにあいつをぶっ飛ばすから…」


 そしてハンマーを持って、外へ走り出す。


「やれやれだ…なんて馬鹿力なんだ。 あの小娘のお陰で、左腕の骨が全部破壊された…やはり『別神(ザ・アザーゴッド)計画』の成功者か…」


 しかしフィンウェイはすぐに地面に立ち直って、彼の左腕は四秒で全部治癒された。 そして彼は、腕の調子を試すため、足元にあった約三十センチの岩を左手で掴み、帝器へ投る。


「ふーん!!」


 フィンウェイが投げたその小さな岩が超高速で真正面から帝器を貫いた。 帝器は内部の故障によって、中にあった様々な機械が爆発する。


 フィンウェイが花火大会を見ている間、ニーアはすでに彼の後ろに立っていた。


「はやかったな…じゃ、本題に戻ろっか。 すーりゃっ!」


 フィンウェイが最初にニコニコと笑っていた瞬間に、ニーアを右足で襲ってきた。

 しかしニーアはその動きを読み、少し後ろに下がった、が――、


「チッ…」


 ニーアの頬に浅い切口が現れた。


「やはり素早い。 でもまだ未熟だ、お前…あの計画の成功者かい?」


「…………」


 フィンウェイがニーアに質問したが、ニーアはなにも言わなかった。 ただフィンウェイを殺気でこもった眼差しで睨んでいた。


「ノーコメント、かー。 じゃ…死ねぇぇ!!」


 フィンウェイが一瞬に姿を消え、次の瞬間、ニーアは吹き飛ばされた。


「ぐはっ!」


「どうよ? ワシの動き、付いてこられるかな?」


「くぅ…」


「逃がさん!!」


 ニーアは壁に走ってると同時に登っていた。 そしてフィンウェイも同じ、壁に走りながら登っていた。

 そしてふたりが山の頂点に辿り着いた時、そこには闘技場があった。 観客席もあって、その中心に高い柱があった。


「ほほー…こんなところに闘技場があるなんて…全世界を探しても、九つしか存在しない、古き伝説の闘技場かー」


 その光景に見惚れたフィンウェイは笑う。


「ここはお前の墓場だ」


 ニーアは口を開け、フィンウェイに挑発しる。


「なにぃ? 偉い口ぶりだな、小娘」


「信じない? お前は私を殺せない、闘技場に足を踏んだ瞬間…お前はもう私に指一本も触らせないから」


「なん…だと…?! いいだろッ! やってやろうじゃないか!」


 フィンウェイが先に闘技場に着き、その後、ニーアはフィンウェイがいる向こうの闘技場に着いた。


「どうした、小娘。 そんな遠いところじゃ、ワシを殺さないぞ? それともさっきの偉そうな口ぶりがはったり?」


 フィンウェイは明らかに挑発していた、しかしニーアはそれに乗れなかった。 ただ悠然と闘技場の中心して、歩いていた。


「(ほー余裕なやつめ、いいだろ。 ワシはここでお前の攻撃を待ってやる)」


 ニーアは徐々にフィンウェイに近づいていく。 十五メートル…十四メートル…十三メートル…そして――、


「なぬ!?」


 フィンウェイが瞬きした瞬間、ニーアの姿が消えていた。 次の瞬間、彼女は既に彼の背後にいた。


「はああぁぁあ!!」


「うあああ!!」


 ニーアは全力でハンマーを振って、フィンウェイを横で吹き飛ばした。


「(いつワシの背後にいた?!)」


「なんでそんなに驚いた顔をしている? 私はまだ三分の一の能力を使ってないよ?」


「ほざくな! ワシはまだお前に奥義を見せていない!」


「はやく出して、その奥義を。 使ったと同時に、お前の顔面をあの男と一緒に並んでやる!」


「いいだろ…ううう…はぁぁ…!」


 フィンウェイの周りに冷たい空気が集まっていた、すべての風が一点に集中していた。


「はぁぁぁぁ……食らえ! 奥義! 《(れい)(ふう)(とう)()》!」


 フィンウェイが集まった風を地面に叩き、地下から冷たいカッターのような風が噴き出し、ニーアに襲ってきた。 そしてニーアは――、


「くだらない、私には奥義など必要無い…」


「なぬっ?!」


 フィンウェイは驚く、驚いたことは別にニーアの言葉じゃなかった。 驚いていたのは、ニーアが再び姿を消えたこと。


「(また消えた!? ワシの奥義、《零風凍破》のスピードは時速四百だ! それを一瞬で躱しただと?!)」


 フィンウェイが必死にニーアの姿を探す、しかしどこにも見当たらない。


「ファイナルスマッシュ!!!」


「へぼっ!!」


 ニーアは突如現れ、フィンウェイの脳天にハンマーで叩き込んだ。 そして彼の頭以外は地面に埋められていた。


「どうだ? 地面にいる気分は?」


「実に不愉快だ。 お前…いったいどこから現れていた?!」


「黙れ、雑草。 今からお前を釘として認識するから、私に声を掛けないで」


「なっ! このこむす――ぐっ!」


 フィンウェイがまだ話の途中で、ニーアの一蹴りで黙らせた。


「黙れっと言ったんだろ? いくらお前は伝説のホムンクルスだとしても、不死身ではない、頭を木っ端微塵になったら、きっと死ぬはず」


「ガ……」


 でもその時、フィンウェイが完全に気を失っていた。


「気を失ったかーどうでもいいけど、じゃーもう一発だ!」


 トン!!


 ニーアが全力で叩き込んだ後、足場がその衝撃に耐えられず、下の空間に落ちた。 落下する場所は、ソーニアの死体がいる場所。


 フィンウェイは完全に死んでいた。 頭が体に叩き込まれていた、目玉と脳味噌はゼリーみたいで外に飾っていた。


「やっと終わった…」


 彼女の全身の力が勝手に抜けられ、ハンマーと共に倒れた。


「(仇を討った…ソーニア…)そうだ…ソーニア…」


 そしてニーアは地面にはいつくばって、ソーニアのところに向かっていた。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



更に数分後…



「くぅ…は…ん、うん…あぁ」


 ニーアはやっとソーニアの傍まで来て、彼女の顔を見ていた。


「ごめんなさい…ソーニア。 私のせいでこんな目になったよね…ごめんなさい…」


 ニーアは泣いていた、苦しんでいた、唯一の家族を失ったことに…唯一の姉を失った。


 彼女は泣き続けていた、ソーニアの胸元に泣いていた…しかし――、


「はっ…」


 彼女は感じていた、彼女の頭に誰か撫でていたことに。


「いつまで泣くつもりだ? ニーア…」


 ソーニアがニーアの頭を撫でていた。 優しく、いつも通り、昔みたいに、彼女を慰めていた。


「ソー…ニア?」


「うん、ソーニアお姉ちゃんだよ? ニシー」


 ソーニアはニコリと笑う。 しかも、頭にあった傷が完全に癒えていた。

 それを見たニーアが、両目を大きく開ける。


「ど、どうしてまだ生きているの?! 頭に撃ったでしょう!? 心臓にも…」


 ニーアは驚き過ぎて、色んな確認しようと、ソーニアの胸元に心臓の鼓動を確認した。


「嘘…動いてる…心臓が動いている…!」


「当たり前だろ?」


「でもど――」


 ニーアがまた質問した先に、ソーニアが右手の人差し指でニーアの唇に乗せ、左手の手平を裏にして、自分の目を隠した。


「シー…私はなにも見てない、君はなにも言わない。 でしょう?」


 そしてニーアはそれ以上をなにも言わず、ただ頭を頷いた。


「ニーアはまだ私の能力を知らないよね? 実は私も初めて気づいたんだ…どうやら私は能力と言うより、異能だな。 私はたぶん、不死身だ…」


「え? 不死身? じゃー私も?」


「違うと思う…ニーアは身体能力が全て優れている、しかし私はそれがない。 同じ計画の成功者であった以上、きっとなに匹敵する能力があるはず! っと思ったんだ」


「それが、《不死身》…」


「うん…」


 聞いて安心したニーアが、腰の力が抜け、ソーニアの胸に頭を寄せる。


「どうしたの?」


「なんでもない…(やわらかい…)な、お姉ちゃん…」


 ニーアはソーニアの胸を揉んで、彼女を呼ぶ。


「珍しいね、ニーアに「お姉ちゃん」呼ばれるがなんて…どうしたの?」


「キスがしたい…今日の分、まだだから」


「あ…ぷふふ…甘えんぼだな、ニーア。 いいよ? 顔をこっちに向いて」


「うん」


 ニーアはソーニアの膝に寝て、顔を天井へ見ていた。 そして彼女が見た光景はソーニアの顔がドンドン近づいていく、でもって――、


「「ちゅっ…」」


 彼女たちは接吻した。


「ニーア…」


「うん?」


「これから、ずっと一緒にいようね…」


「うん」


 ふたりが笑っていた頃。 壁の隙間から朝日が彼女たちを照らし、ふたりをより一層に綺麗に見えていた。 そして彼女たちは再びキスをした。


「「ちゅっ」」



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



 ソーニアがニーアの髪を撫でていた時、彼女は大事なことを思い出し。 ニーアに質問する。


「そういえば、ニーア…」


「うん?」


 ニーアは楽しくソーニアの胸を揉んでいた。


「私たちの本来の目的はあの青い宝石《スイーニイ・クローフィ(синий・кровь)》を探す、だったよね? そのスイーニイはどこにいる?」


 それを聞いたニーアが、手の動きを止め、唖然とする。


「あ…」


「やっぱり…」


 彼女たちが探していたスイーニイ・クローフィは既に天井から落ちた岩で砕け散っていた。



 これは、ホムンクルスの姉妹、拳銃を持つ姉《ソーニ・ゲヴェーア(Sonya・Gewehr》とでっかいハンマーを持つ妹《ニーア・スフィリ(Nia・σφυρί)》の物語である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 戦闘描写に迫力があって、なかなか良かったです。 [気になる点] 少しイメージしづらく、文章も読みづらかったです。 [一言] Twitterから来ました! これからも頑張ってください!
2017/05/05 04:44 退会済み
管理
[良い点]  物語の起承転結がはっきりとしていて、場面場面で読むには適しているかなと思います。  戦闘描写が分かりやすいですね。 [気になる点] 地の文が基本的に、~た、~した。など助動詞で終わって…
[良い点] 疾走感があってとても良いと思います!! 続きが気になる!! [一言] これからも頑張って下さい☆
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ