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第2話『庶民、召喚』

この夢だかタイムスリップだかわからないが、ここに現れてから多分1時間が立ったと思われる、今は姫様?が退席していてただ広い部屋の中で正座して待機している俺。


「しっかし、よく出来た部屋だな。本当にお城の部屋みたいに石の壁じゃないか」


この際夢なら夢で楽しもうと割り切った輝星(きらと)、姫様を待つこと10分。


「お待たせ致しました、少しお飲物をお持ちしました」


「あ、なんかすみません、いただきます」


確に喉が渇いていたのでコップに入れられた水をグイッと飲み干した、その間じーっとこちらを見てくる姫様


「あのー、なにか?」


「へ?あ、いえ!すみません、その変わった座り方をなされていると思いまして」


「変わった座り方?」


正座を知らないのか?と輝星は首をかしげる、ひょっとして姫様は正座をしないからか?なら説明をしないといけないな、何故か気合いが入る輝星。


「この座り方は正座(せいざ)と言いまして、偉い方の前でやるような座り方ですよ」


簡単にだが説明をすると、姫様は横に足を伸ばして座っていたが正座をし始める


「ドレスですと難しいですね、正座とやらは」


「い、いやいや!姫様はしなくていいですよ!?」


「でも立場が上の人に対してやるのなら…」


「ちょっと待ってください!俺は庶民です、聖騎士とかじゃないです!」


さすがに嘘をつくのは良くないと考え直し訂正する、夢の中なら別にと思ったがまだ違和感が拭えない、起きている状態と同じように行動をした方がいいと考えた


「しかし、貴方は(わたくし)の目の前に出現しましたし、呪文や魔法陣もミスはありません」


「ですが、聖騎士とか言うような強さや武器はありませんよ?服装も全然でしょ!?」


姫様は正座から立ち上がった輝星の身体を上から下まで、じーっと見つめる


「見たことのない素材の生地、ではありますが、では貴方はどこの国から召喚されたのですか?」


国とか召喚とか言われても……眠って気がついたら胸だったし、夢なら覚めてよ…


輝星は頭を悩ませるが話せることを話してみることにした、所謂自己紹介だ、そうすれば納得するはずだ。


「と、とりあえず自己紹介します、俺は七星輝星(しちせいきらと)です、日本と言う国から来たと思います」


「七星輝星様、日本とはどの大陸でしょうか?」


「た、大陸………」


ダメだ、多分この夢の世界には日本がないんだ、というかどこなんだここは、普段使わない頭をフル回転させて質問に答える。


「きっと別の違う世界、姫様がいるこの星とは違う星にあります、異世界と言うと言うか……」


「まぁ、異世界とは存在したのですね!古文書などで見たことがあります、文明がかなり発達しているのだとか」


古文書?待て日本が古いと言うのか?って事はこの夢は未来にタイムスリップしたのか?地球が終わって新たに誕生した世界?ここの世界が異世界なんじゃないか?


余計に分からなくなって来る輝星だが、姫様は目をキラキラし始める


「なるほど、(わたくし)は過去の世界で活躍された聖騎士様を召喚した、そういうことなのですね。申し遅れました、(わたくし)はこのフィーエルド国の姫、エレミィ・フィーエルドです」


なんか聖騎士にされている、誤解が解けないのが1番辛いところだが今は仕方ない


「フィーエルド姫ですね、輝星(きらと)とお呼びください」


「わかりましたキラト様、(わたくし)の事はエレミィとお呼びくださいませ」


「わかりました、それより俺は聖騎士ではありません、ただ本当の聖騎士が現れる間は聖騎士と言う肩書きでも構いません、それでいいですか?」


エレミィは少し寂しげな顔をするが、すぐに笑顔になる、何かあるのだろうか?確にここに現れたのは俺だ、だが聖騎士だとかそんな人間ではなくタダの一般人で、日本は多分地球が無くなってからの世界、そして夢なのか現実なのか、今はわからなくてもいつか分かるかも知れない。


「はい、わかりました、今日は―――」


何かを告げようとしていたエレミィだが、突然扉が開きすんごい顔で入ってきた男が剣であろう物を腰に付けた鞘から引き抜き、輝星の喉元に突きつける


あと数ミリもしたら刺さる、絶対に刺さる、呼吸すらしたらヤバイがしなきゃ死ぬ、そのズカズカと入ってきた男は俺を見ながら


「姫様!あれほど聖騎士召喚はしないでくださいと言ったはずです!聖騎士など居なくても私が居ます!」


「いいえ、確に貴方は強いですが、聖騎士は今この大陸には必要です」


「しかし!この男はどう見ても聖騎士ではありません!ヒョロヒョロですし、服装は意味のわからない生地!貴族ですら怪しい、きっと賊に違いありません!」


入ってくるなり輝星をボコボコに言う男、きっとエレミィのボディーガードか何かだろう、色な勲章や腕章を付けている、剣も1発で喉元まで引き寄せる技術だ


「キラト様は賊ではありません、私が召喚して来られた方です、それによく見なさいルシア、この方が身に付けている服はキラキラ光っています」


「あー、ポリエステルだから」


「貴様は黙っていろぉっ!!」


「すみません」


危うく殺されるところだった、この男はルシアとか言うらしいがエレミィが好きなのか、他の男と居るのが気に食わないらしい、エレミィは立ち上がるが正座をしていたのか


「あっ、た、立てません」


「姫様!?貴様なんの呪いだぁぁぁあ!?」


「うぉお!?馬鹿野郎!!死ぬわぁ!ただ足が痺れているだけだろ!」


正座をしらない国の人間に正座をさせたらダメだぞ、立ち上がれないのを呪いとか言うから、本当に。


それからちゃんと輝星が説明をした、過去の世界から来たこと、気づけばこの部屋に来たことを、胸の中とはさすがに言えなかった、あと聖騎士じゃないとかも言えない、恐らく賊と判断されて血祭りになるはずだし


「納得はできん、だが召喚されたの本当のようだ、手首に証がある」


「うわぁ、痣みたいだ」


左手首に変な模様の痣、これが召喚された証らしい、ルシアとか言う男はやっと剣を仕舞う、部屋の出口である扉から出る直前にこちらに振り向き


「ルシア・ヴァンホッセン、貴様、覚えていろ」


それだけを告げると部屋を出ていった、エレミィもようやく痺れから開放されて立ち上がる


「さきほど言いそびれていましたが、今日はもうお疲れでしょうしお部屋に案内いたします」


「あ、はい」


部屋から廊下に出ると漫画で見たような直線廊下の壁側に、鎧を着た兵士のオブジェがズラッと並んでいた、案内された部屋はエレミィの部屋から3つ隣にある部屋、中はあまり変わらないようだ、県営団地見たいにこちらエレミィの部屋の内装が真逆になった感じ


「こちらでごゆっくりとお休みください、ご用がありましたらそちらの枕元にある電話を使ってください、ではおやすみなさいませ」


エレミィは静かに立ち去った、電話があるという事は電気がある世界という事になるはず、古臭い時代と新しい世界の技術が混じった世界、本当に異世界のようだ………


「あーもう無理、考えるのも疲れた……寝よう」


明日の事は明日に回すのが1番だ、ベッドにダイブすると軽く身体が跳ね上がる、デカさは大人3人が寝ても余裕と言うことを伝えておこう


輝星はそのまま身体をベッドに任せ、目を瞑るとあっという間に闇の世界に誘われた、急なこと過ぎて疲れたのか直ぐに眠ってしまった…………



しばらく闇をさ迷っていると、手に何やら柔らかい感触が広がる、なんだかデジャヴュを感じるが多分枕だろう、それにいい香りがするし、柔らかい何かをもにゅもにゅする


『ん……ぁん』


あん?なんだ?なんで枕が声を出すんだ?ちょっとずつ身体に感覚が戻ってくる、なんだか頭も柔らかい感覚に包まれてるような、最高級の枕なのだろうか?………しかしなんか暑い、風が身体に当たる感覚はある……目をゆっくりと開けると


「………!?!?」


そこに居たのはエレミィではなく


「す、凉音!?」


胸から手を離し起き上がり部屋を見渡すと、確にここは七星寮の凉音(すずね)の部屋だった、というか何故この部屋に居るのかすらわからない


「やはり夢だったのか?」


いまいち理解ができない、悪い夢、白昼夢?とにかく目覚めたら凉音の胸の中だったなんて………


時間は夕方、恐らく寝てしまってから数分しか立っていない、夢であった出来事はやはりただの夢………


すると思い出したように左手首を見ると、そこには


…………なにもなかった。


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