第二章 - 2
自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓
http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64562739.html
何とか質問攻めも終わり、ようやく始業式。
結局、赤髪の女の子と話す時間はなかった。彼女なら例の旧校舎?のことを知ってると思うんだがなぁ。
真弓たち三人と一緒に校庭へ。クラスごとに並んでいるが、順番はめちゃくちゃだ。まぁこういう場で並ぶとき、名前順と言われなければ大体みんな仲良い同士で固まってテキトーに並ぶだろう。先生も特に気にしていないようだ。
一通り並び終えたころ、教頭がマイクを持って話し始める。
『これより、一学期始業式を始めます。全員、礼。……まずはじめに、校長先生のお話です』
例の女性校長がマイクを持って朝礼台の上へ。昨日わかったことだが、この人、多分一般的な人よりもはるかに話が長い。よくそんなに話せるなと思う。
だからこそ、昨日の夏菜子姉さんの悪行はある意味助かったとも言えなくないが。
たっぷり二十分くらいかけてようやく校長の話が終わった。
その後、なんと生徒会長が話すという。なぜ始業式まで……。
出てきた夏菜子姉さんは、やはり緊張しているようだった。
そういえば、生徒会役員は朝礼台の横に並んでいるのだが、宝積寺先輩の姿が見えない。
……まさかっ!
『えー、しんにゅ』
ドーン
夏菜子姉さんが話し始めようとした直後、校舎の一角が爆発した。
いやいやいやいや、おかしいだろ。昨日の発煙とは比にならないじゃんか。
またも生徒はパニック。しかし、今回は先生が全員いる。
『みなさん落ち着いてください!』
昨日ので慣れたのか(慣れるってのもおかしいが)、教頭も落ち着いてマイクで生徒に呼びかける。
何とかパニックが収まった後、何人かの先生が爆発現場へ向かっていった。
どうやら、ここ数年使われていない空き倉庫が爆発したらしい。それに、建物自体に大きなダメージを与えるような爆発ではないらしく、特に問題はないようだ。
そのまま始業式は中止。俺たちは先生に連れられて教室へ戻っていった。
その時、しれっと戻ってくる宝積寺先輩を俺は見逃さなかった……。
教室に戻り、そのままホームルーム。明日以降の予定を先生が話し、今日は解散となった。
俺は、真弓たちと一緒に中学の教室へ行き、そこで優紀と合流。食堂でさっと昼食を済ませてから部室へと向かった。
部室には、流石にまだ姉さんも宝積寺先輩もいなかった。
「さっきの爆発、絶対姉さんの仕業だな」
「だよね。昨日のこともあるし」
「会長、やることなすことすごいな」
「……そこは褒めるべきところではないだろう」
「?」
優紀が俺たちの会話に首をかしげている。
「あー、優紀はその話してた時寝てたか。あのな、昨日の火事騒ぎは全部姉さんが計画したんだってさ。本人がそう自白した」
「え~! 夏菜子お姉ちゃん大胆!」
そんな会話をしていると、姉さんと宝積寺先輩がやってきた。
「姉さん、先輩。遅かったね」
「そりゃ、事後処理させられたからねぇ」
「しかも、二日連続であんなことするから疑われましたわよ」
そりゃそうだ。
「でもでも、凛ちゃんの完璧な隠ぺいのおかげで、否認し続けたら証拠不十分で解放されたよ!」
「そこは喜ぶな」
さて。
(兄ちゃん、あのことみんなに話すの?)
優紀が耳打ちしてくる。
あのこと……要するに、動き出したリメリィのことだ。
(話すしかないだろうな。俺たちだけじゃ手におえないだろ)
(そうだね)
(それに、そういうものを調べる部活だ。きっと、いや絶対協力してくれるって)
「雅人? 優紀ちゃん? 何話してるの?」
「ああ。ちょっと、みんなに聞いてほしいことがあるんだ」
そう前置きして、俺と優紀はリメリィのことを話した。
「……というわけで、今俺の家にいる。家から出るなとは言ってあるから平気だと思うが」
「うーん」
夏菜子姉さんが腕を組んで悩む。
「二人して私たちをだまそうとしているとは思えないけど、ちょっと突飛すぎるというかなんというか」
「でも、あのリメリィと実際に会えて話せるなんて夢のようじゃないか! なぁ、隆治?」
「……まぁ、確かに」
「とりあえず、事実確認のために黒磯君の家にお邪魔してもいいかしら?」
「ええ、構いませんよ」
「あれ~? 凛ちゃん、実はノリノリ?」
「う、うるさいですよっ」
なんだかんだこの部室に来てるってことは、やっぱり宝積寺先輩も好きなのかな? まぁ隆治みたいなのもいるし、見た目だけで一概にどうとは言えないからそうなのかもしれない。
「よし。それじゃあ今日の部活動は雅人の家で動くフィギアの調査ね! レッツゴー」
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