第一章 - 2
自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓
http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64499359.html
とりあえず、上を見上げたら青い空が見えたので、外らしい。きっと校舎裏とかそんな感じだろう。
俺は落ち着いて、近くにある建物の壁を伝って進んでいった。そうすれば、必ずどこかしらの出入り口に着くはずだ。
案の定、少し進んだところに扉があった。とりあえず体育館ではないようなので中へ入ってみる。
そこは、廊下のような場所だった。しかし、古ぼけた机や椅子が煩雑に置かれている。
「旧校舎……って感じか。なんか出そうだな」
そのまま奥へ進んでいく。途中で、おかしなことに気づいた。
「いやに人気がないな……。それに、いくらなんでも古すぎやしないか? というかそれ以前に、そもそも旧校舎なんてものは存在したか?」
床や壁が木製で、ところどころ穴が開いている。こんなボロボロの建物を放置するだろうか。それに小さな町とはいえ、この学校は住宅街の中に建てられている。とても、旧校舎なんてスペースはないだろう。
「これは……」
この町は、妖怪や幽霊の類の目撃情報が絶えない……。まさかついに自分がそういう類のものを経験することになるとは……。
「とりあえず、出口を……っと、だれかいる?」
出口を探して進もうと廊下を曲がったら、そこには赤い髪をツインテールにした女の子がいた。多分、俺と同い年くらいだろう。
「…………」
「すみませ~ん」
「ん?」
美人……なんだが、かなり無愛想そう。
「君、なんでここにいる?」
「いや、それが俺もよくわからなくて、出口捜してるんだ」
「そうか……」
沈黙。あれ?答えてくれるんじゃ……。
「……出口ってわかります?」
「ん、あぁ。そこまっすぐ」
彼女が指さす方を見ると、うっすらと外の光らしきものが見えた。
「お、サンキュー」
「早く出た方がいいぞ。ここは何が起きるかわからないからな」
「そうか。それじゃ」
赤髪の女の子と別れ、出口の方へ。
廊下の突き当り、そこにあったドアは周りに見合わず新しく感じた。
「まったく、変な場所だなぁ」
ドアを開ける。
と、そこは学校の玄関前だった。
あたりに人はいない。
「ん、戻ってきたか」
時計を見ると、入学式からかなり時間が経っていた。
「こりゃまずいな……。とりあえず、職員室に行くか」
職員室に行くと、例の教頭がやってきた。
「ああ、黒磯君。よかった、混乱に紛れて行方不明になっていたから心配したよ」
「すみません。気が付いたらよくわからないところにいて、迷っちゃいました。思った以上にこの学校広いですね」
「ふむ……。私はそんなことは思ったことがないが、まぁ初めて来た人からしたらそう思うかもしれんな。とりあえず、無事で何よりだ」
「はい。……ところで、優紀は?」
「混乱も落ち着いたから、養護の先生と一緒に学校探索してるはずだ。そろそろ帰ってくると思うが……」
「ただいま戻りました」
「戻りましたっ!」
タイミングよく、養護教諭と優紀が戻ってきた。
「ちょうどよかった。黒磯君が見つかったぞ。校内で迷ってたらしい」
「そうですか。黒磯君、けがはないですか?」
「ええ、大丈夫です。ご迷惑をおかけしました」
挨拶をして、優紀と職員室を出る。
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