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第一章 - 1

自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓

http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64488597.html

 翌朝。

 見慣れぬ光景にびっくり……

「って、自室か」

 そうだった。帰ってきたんだよな。

「そういえば……」

 ふと、机の横を見てみる。そこには、昨日と変わらずリメリィの等身大フィギアがちゃんとあった。夜中に何かあった気がするが……気のせいだろう。

「さて、寝坊助を起こしに行くか」

 ドアを開けて向かいの部屋へ。

「優紀、起きろ~。朝だぞ~」

「…………」

「置いてくぞ~」

「…………」

「はぁ。仕方ない奥の手を使うか」

 とあるラノベで見つけた方法。優紀にも効果があったから、いざというとき使っている奥の手。

 俺は大きく息を吸って

「ゴーストバスター・リメリィの時間だぞ!」

と、叫んだ。

「ふにゃあっ!」

 バンッ!

 急にドアが開くから思いっきり顔面をぶつけた。

「いってぇ」

「……兄ちゃん、どうしたの?」

「どうしたのじゃねぇよ! いつまで寝てるつもりだ」

「……そっか、学校だった」

「本気で忘れてたのか?」

「うん」

「はぁ」

 春休みボケしている妹は置いといて、朝食の準備とぶつけた顔面の手当をしなければ……。


 昨夜同様、まったく食料がないので近くのコンビニでパンを買い、それで朝食は終了。

 その後、真新しい制服に袖を通す。

「兄ちゃん、似合ってんじゃん」

「なぜ制服程度で妹に褒められなきゃならんのだ……?」

「そりゃ、最後に通ってた学校の制服がダサすぎたから……」

「あー、お前超嫌がってたもんな」

「ほんとだよ。よかった、こっちのはかわいくて」

「かわいいか? 一般的なセーラー服と変わらんが」

「わかってないなぁ。ほら、ここのあたりとか、こことか!」

「わかった、わかった。もう時間だから行くぞ」

「はーい」

 これまた真新しいバッグを持ち、二人で外へ。

「そういえば、こっちに来てから誰とも会ってないね」

「確かに。昨日の宅配業者くらいか」

「ちょっと寂しいな……」

「大丈夫だって。学校行けばすぐ友達ができるさ」

「う、うん……」

「よし、行こう。っと、戸締りの確認してないや」

 家を一周し、全てのドアと窓に鍵がかかってるか確認。

「大丈夫そうだね。じゃあ、行こうか」

 俺たちが通うことになる『私立夕真中学高等学校』は、陽期町で唯一の私立校……というか、ここともう一つしか中学高等学校がない。

 だから、小学生のころの友人がいてくれると、とても助かるんだが……。

 家から徒歩十分もかからずに学校へ到着。

 まだ生徒がいないのは、入学式までかなり時間があるから。俺たちが早く来た理由は、優紀の編入手続きのためだ。親代わりに俺がいなくてはならないため、入学式の前に済まそう、というわけだ。

 校門についているインターホンを押す。

『はい、どちら様ですか?』

「編入の手続きに来ました、黒磯です」

『黒磯さん……。あ、はい。わかりました。入って右手にある職員室までお願いします』

「わかりました」

 校門を通り抜け、校舎の中へ。玄関に入ってすぐのところに案内板があったので、職員室はすぐにわかった。

 コンコン

「失礼します」「し、失礼します……」

 ドアをノックし中に入る。そこには、先生と思しき人が数人いた。

「編入手続きに来ました、黒磯です」

 すると、俺たちの方に五十歳いかないくらいのおじさんが近づいてきた。

「君が黒磯雅人君か。そしてそちらが黒磯優紀さんだね」

「はい」「は、はいっ」

「私は教頭の宝積寺だ。それでは早速手続きをしよう。と言っても、確認程度だがね」

「わかりました」

 職員室の中央に置かれた大きな机に俺たちと教頭先生が座る。机の上に教頭先生が何枚かの書類を並べる。時々優紀が署名する必要があったくらいで、言っていた通りほとんどが確認だった。

「それじゃあこれで終わりだ。ご苦労様。雅人君はこれから入学式だね。それじゃあ……ちょうどいい、矢板先生」

「ひゃ、ひゃい!」

 教頭先生に呼ばれたのは、二十代くらいの若い先生だった。

「彼女が君のクラスの担任だ。矢板先生、折角だから彼を体育館まで案内してあげなさい」

「わ、わかりましたっ! それじゃあ黒磯君、行きましょう」

「はい。……じゃあ優紀、あとでな」

「うん」

 矢板先生に連れられて職員室の外へ。そこから二階へ上がり、渡り廊下を通って別の建物へ。どうやら、体育館は別棟らしい。

「ここです」

 体育館の入り口前に着いた。中を見ると、すでに入学式の準備がなされている。

「え~と……、四年二組なんで、あのあたりに座ってください」

「四年?」

「あ、すみません。この学校は中高一貫なんで、高校生は中学生と混ざらないように四年、五年、六年って呼ぶんです」

「あ、なるほど」

「それじゃあ、一階に降りましょう。そこが入学者の集合場所です」

 階段を降り、一階へ。そこにはすでに結構な人数が集まっていた。

「適当なところで待っていてください。時間になったら指示が出ますので」

「わかりました」

 そういって、矢板先生は行ってしまった。

(困ったなぁ……)

 中高一貫校、ということで、ほとんどの人たちが中学から上がってきたのだろう。入学式前であるが、みな知り合い同士で仲良くお喋りしている。

(こういうのは何度も経験したけど、やっぱり慣れないなぁ)

 転校を繰り返してきたからこういう空気はよくあったが、慣れるものではないね。孤独って感じがきつい。

(早く始まらないかなぁ)

 その思いが通じたか、思ったより早く先生たちが来て、入学式が始まるから整列するよう指示が出た。

 誰ともわからない人の間に並び、流されるままに会場である体育館へ。

 そのまま用意されていた椅子に座り、式の開始を待つ。

 しばらくして、さっきの教頭が話し始めた。

『これより、弟三十三回入学式を挙行いたします。全員ご起立ください……』

 そのあと、校長の話(校長は女性だった)、理事長の話と続く。この辺は一般的な学校と変わらず、面白くもなんともないので割愛。

 そして、次は生徒会長の歓迎の言葉。

 舞台袖から出てきたのは、かなり美人な女子生徒だった。

(こんな美人が生徒会長って、すごいなこの学校。……ん?)

 よくよく見ると、なんだか様子がおかしい。

(まさか……かなり緊張してるのか?)

 右足と右手が同時に出てたり、動きがぎこちなかったりと、明らかに緊張しているようだ。生徒会長があんなに緊張してちゃダメだろ……。

 何とかマイクの前までたどり着いた。

『えー、入学せ』

 キーン

 マイクがハウリングを起こしたようだ。なんだこのグダグダ感は……。

『こほんっ。新入生諸君、入学おめでとう』

 え。もしかしてさっき新入生と入学が混ざった……?

『えーと……。ほとんどが中学から上がって「火事だー!」人たち……』

「キャー、煙が!?」

「に、逃げろー!」

 今度はなんだ……って、体育館の後ろの方から黒い煙が!

『み、みなさん落ち着いてください! 教師が誘導するのでそれに従ってください!』

 教頭が呼びかけるも、ほとんどの人に届いていないようだ。

 会場は大混乱。俺もとりあえず逃げなきゃ、と思ったが、ただでさえまだ校舎がどうなってるか把握してないのに周りはパニック状態。いつの間にか人波にもまれ、気付いたらよくわからない場所にいた。とりあえず、煙からは離れられたようだ。

「さて……。ここはどこだ?」

今後の作品の参考にしたいので、感想・意見等あれば是非お願いします!

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