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第四章 - 1

自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓

http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64681654.html

 二人が風呂から上がったあと、俺も風呂に入った。その後は、寝るにはちょっと早かったので、各自自由に過ごしていた。俺はテレビを観て、優紀と知美はトランプで遊んでいた。机の上にたくさんのカードが並んでいるところを見ると、どうやら神経衰弱のようだ。

 そんな感じでくつろいでいると、俺の携帯がメールの着信を知らせるランプを点灯させた。

「こんな時間に誰だ……?」

 父さんか母さんかと思ったら、送り主は夏菜子姉さんだった。

『緊急招集!

妖鬼研究部 部員へ

私の自宅近くにて人とも動物ともつかない謎の生物を発見!

学校方面へと移動してると予測!

先回りのため、至急学校前に集合!』

 あー、そういえばちょっと前にこんなこと言ってたな。


 始業式から二日後のこと。授業が終わり部室にて。

「そうだっ!」

「いきなりなに? 姉さん」

「いや~、黒磯兄妹と凛ちゃんに言い忘れてたことがあって」

「何か言い忘れるようなことがあったの?」

「この部活では、放課後のこの時間以外でもなるべく未確認生物の探索を行い、もし発見した場合は部員全員にメールで連絡し、どこか適当な場所に集合するっていうルールがあるの。まぁ、今までにやったことはないんだけどね」

 結構重要なこと言い忘れてたんだな。

「……もし見つけて、部員が集合したとしてどうするんです?」

 宝積寺先輩が訊く。

「うーん……。その時考える!」

「はぁ、もし起きたらどうするつもりですの……」


 まさかこんな早々に起きるとは……。とりあえず、二人に伝えよう。

「優紀、知美。夏菜子姉さんから緊急招集の連絡だ。まぁちょっと遅いし、あれだってなら二人は家にいても……」

「行く」「行きます」

「そうですか。じゃあ、着替えて。動きやすい服がいいと思う」

 それから十数分後。着替えた俺たちは早速学校前へ。すでに他の部員は集まっていた。

 今までに一度もなかったという割には、みんな着くの早いな。

「お待たせ」

「おそーいっ、と言いたいところだけど、三人だから仕方ないね」

「それで、その謎の生物とやらはどこへ?」

 隆治が姉さんに訊く。

「うちの運転手に追いかけさせてるわ。今は……河川敷の方ね」

 スマホを見ながら姉さんが答える。どうやら、GPS機能で位置がわかるようだ。

「よし、行こうぜっ」

 八人で河川敷の方へ向かう。

 河川敷は学校から徒歩十五分ほどの位置にある。ちんたらしているとまた移動させる可能性があるので、俺たちは少し走って向かった。

 河川敷に着くと、そこにはいつものリムジンではなく頑丈そうな四輪車がいた。乗っている運転手はいつもの人だ。

「お嬢様。あの生物は今、川を渡ってこっちに向かってきています」

「わかったわ」

「もしもの時はかけつけますが、そうならないようくれぐれも気を付けてください」

「ええ。じゃあみんな、行くよっ」

 俺たちは障害物やぼうぼうに伸びた草を利用して謎の生物の方へ近づいていく。

 ぎりぎりまで近づいたところで、一旦ストップ。

「思った以上にでかいな」

「大体三メートルってとこか」

 隆治が目測で予測する。確かにそれくらいはありそうだ、

 見た目はヒト型だが足や手が大きい。全身真っ黒で、顔らしき場所に目だと思われる丸い点が二つ白く光っている。それが、川のむこう岸からこちら側に向かってゆっくり歩いている。

 俺たちはその生物に見つからないよう隠れながら、各自写真や動画を撮っていた。

「会長、そろそろ撤退した方が……」

「そうだね。みんなの安全を考えたら、これ以上は危険だね。みんなっ、撤退!」

 姉さんに言われ、俺たちはまた隠れながら車の方へ戻ろうとした。

 しかし、

「ゴォオオオオオオ」

「なに!?」

 謎の生物が突然咆哮したかと思ったら、そのまま俺たちの方へ今までとは比べ物にならないスピードで迫ってきた。

「みんな、逃げてっ!」

「おいおいおいおい、マジかよ!?」

「キャー!」

 逃げ惑う俺たち。そんな中、どうやら俺たちが一番遅いようだ。それも仕方ない、優紀と知美の手を俺が繋いでいるからだ。

「雅人たちっ、しゃがんで!」

「!?」

 真弓に言われて反射的に俺たちはしゃがむ。すると、頭上を黒い何かが飛んできた。

「黒磯君! あいつは手が伸ばせるみたいだから、気を付けて!」

 宝積寺先輩が言った通り、そのあとも何度か伸びる手が襲ってきた。

 何とか、あとちょっとで車にたどり着く。

 その時!

「きゃあ」

 知美が何かに躓いて転んでしまった。しっかり手を繋いでいた俺と優紀も流されるまま転ぶ。

「雅人っ!」

 その時、運悪く謎の生物が手を伸ばして襲ってきた。

「くっ!」

 俺は、二人を守るように覆いかぶさる。

「兄ちゃんっ!」「雅人さん……っ!」

 せめて二人だけでも! 最悪死すら覚悟した。


後の作品の参考にしたいので、感想・意見等あれば是非お願いします!


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