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第三章 - 4

自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓

http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64668231.html

「兄ちゃ~ん! どこ~?」

「雅人~、どこにいるの~?」

「雅人さ~ん?」

 三人の声が聞こえる。どうやら、戻ってきたようだ。

「ここにいるぞ」

 そういって俺は、声のする方へ手を伸ばし三人を回収する。

「よかった。突然手が離れるからどうしたのかと思った」

「すまんすまん」

「それじゃ、進もう!」

 どうして離れたのか聞かれるかと思ったが、特にそういうことはなかった。どうやら、あの現象の間は時間の流れが現実と合っていないらしい。

 そして、そこからほんの二分ほどで出口にたどり着いた。

「おめでとうございます! お化け屋敷完全制覇です!」

 出口で待ち構えていた係員が祝福してくれる。無駄にテンションが高いのは、多分ここまでたどり着く人が少ないからだろう。

「こちら、プレゼントですっ」

 そういって渡されたのは、このショッピングモールで使える商品券千円だった。一人一枚もらえたから、四千円分だ。

「やったねっ」

「ねえ雅人さん、この券で何か食べませんか?」

「そうだな、パフェでも食べに行こうか」

「パフェ!? やった!」

 女子が多いからパフェを提案したら、案の定乗ってくれた。パフェなんて最近食べてないからなぁ。俺も楽しみだ。

 その後、そのままパフェのお店へ。本当にパフェのみを取り扱っていて、種類がとても豊富でどれもおいしいと評判らしい。

「え~っと……どうしよう? すごい、いろいろな種類があって悩む~」

「優紀ちゃん、イチゴ好きだからこれなんてどうかな?」

「雅人さん、私これが気になりますっ」

「なになに……『アイランドスペシャル』か。マンゴーとかココナッツとかスターフルーツとかを使ってるのか。確かにアイランドスペシャルだな。おいしいかはわからんが」

 結局、俺と優紀は『トリオ・ザ・ベリー』というイチゴを中心にブルーベリーとかラズベリーがトッピングされているもの、知美はそのまま『アイランドスペシャル』を頼んだ。

 そして真弓は、

「『アルティメット・ゴールデン』くださいっ!」

「お前、本気か!?」

 『アルティメット・ゴールデン』とは、とにかく黄色や金色系のフルーツをトッピングしたもので、通常の約1.5倍のサイズがある巨大パフェ。そして極めつけに金箔が振りかけられている。

「大丈夫、大丈夫。女の子の別腹は大きいんだよ!」

「そ、そうですか……」

 まぁ、俺たちもいるし、最悪真弓一人で食べきれなくても……と、思っていたのだが、店員さんがパフェを持ってきてからものの数分で食べきってしまった。

 普通サイズを食っている俺より早いってどういうこった。

「ごちそうさまっ! おいしかったぁ~」

「すごーい! あんなにあったのにもう食べちゃったの!?」

 知美も驚いている。

「いや~、久々のパフェでついつい勢いがついてしまった」

「だからって、あの量を俺より早く平らげるとかおかしいだろ……」

「気にしない、気にしない。ほら、早く食べないと食べちゃうぞ~」

 スプーンを持って俺のパフェを狙う真弓。本当に食いそうで危ない。

 その後、俺たちも真弓に取られることなく食べきり、会計。

 しかし、店員が発した額を聞いて驚いた。

「4200円になります」

「「「「えっ?」」」」

 とりあえずさっきもらった券と不足分は硬貨でお金支払った後、どういうことかとレシートを見てみた。

 トリオ・ザ・ベリー 800円×2

 アイランドスペシャル 850円

 アルティメット・ゴールデン 1750円

「な ん だ こ れ は」

「おお……。あれってこんなにしたんだね」

「お前、値段くらい見ろよ……」

「てへっ」

「てへっ、じゃねえよ!」

「うぅ……、ごめんなさい」

「……まぁいいや。今日は真弓が案内してくれたからな。そのお礼ってことで」

「! ありがとう、雅人っ」

「お、おう。っていきなり抱き着くな!」

「いいじゃん~、たまにはこういうことさせてよぉ~」

「ふふふっ」「うふふっ」

「二人とも、そこで笑ってないで真弓をなんとかしてくれぇ~!」


 二分後、ようやく真弓は拘束を解いてくれた。周りからの視線がとても恥ずかしかった……。

 その後俺たちはロッカーに荷物を取りに行き、帰宅。

 ショッピングモールの方から帰ってくると真弓の家の方が近いので、彼女の家の前で別れる。

「それじゃ、また明日ね。知美ちゃん、遅刻しちゃダメだよ」

「はいっ。明日からよろしくお願いします」

「じゃあな、真弓。今日はサンキュー」

「真弓お姉ちゃん、またね~」

「じゃあね、雅人、優紀ちゃん。また明日」

 真弓と別れた俺たちは、そのまま帰宅。両親の部屋から妹の部屋に運んだタンスに知美の服をしまい、三人で夕食。

 今晩はスパゲティにした。これならもとは辛くないし、辛味調味料で各自好きなように辛くできる。まぁ、昼も麺類だった優紀からは抗議を受けたが、麺ではなくパスタだ!と言い張って納得させた。

 ご飯の後は、知美のファッションショーとなった。

 今日買った服と夏菜子姉さんのおさがりを組み合わせて、いろいろなコーディネートを楽しんでいた。俺はもちろん観客だ。

 三着くらいやったところで、優紀も我慢できなくなったのかやり始めた。

 素人目だが、二人ともなかなかセンスがいい。

知美は、髪が青いからか日本人向けのものは似合わないかと思ったが、むしろ洋服がよく似合う。

優紀は、中学二年生らしく子供っぽさと大人っぽさが混じった感じでかわいらしい。我が妹ながらなかなかいいと思う。

一通り着終えたら、最後は知美が制服を試着。

「おー、すごい似合ってるじゃん」

「かわいい~」

「えへへ……」

 夕真中高の女子制服って、こんなにいいものだったっけ? と思うほどよく似合っている。

「これを着て、明日から学校行くんだねっ。楽しみだなぁ」

「勉強頑張れよ。まぁ、なんだかんだできるみたいだから平気だろうけど」

 常時俺の勉強机の横にいたからか、中学までの勉強はほとんど大丈夫そうだった。むしろ、普通に学校行ってる俺や優紀の方が出来てない気が……。

「おっと、もうこんな時間か。そろそろ風呂入れ~」

「「はーい」」

 風呂場で鉢合わせして以来、どうやら優紀と知美は一緒にお風呂に入っているようだ。

 寝る時も一緒みたいだし、あの二人本当に仲がいいな。姉妹みたいだ。

 さて、二人が風呂に入っている間、俺はテレビでも観て時間潰しますかね……。


後の作品の参考にしたいので、感想・意見等あれば是非お願いします!

次回から第四章に入ります お楽しみに!

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