第三章 - 2
自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓
http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64639054.html
俺たちはショッピングモールの中へ入っていった。
まずは、昼食。さっき言っていたフードコートへ。
フードコートにはお店がたくさん並んでいた。世界展開しているファーストフード店から、有名なラーメンやカレー、中華料理のお店、さらにここオリジナルのお店とここだけで、ひと月は飽きずに食事が出来そうなくらいの種類がある。
座席を取ったあと、各自好きなものを取りに行った。
俺は知美と一緒にカレーのお店へ。俺は中辛のカツカレー、知美はどれだけ辛いのが平気かわからないので、とりあえず甘口の普通のカレーだ。
席に戻ると、すでに優紀と真弓がいた。
優紀は醤油ラーメン、真弓はなぜか牛丼だった。
「なぜ牛丼……。しかも、ご丁寧にナフキンまで」
「ふ、服を汚すわけにはいかないからっ」
そういえば、気合の入った服だったな。汚したくない気持ちはわかるが……やっぱり着てきた理由がわからん。
「カレーおいしい! けど、ちょっと舌がひりひりする……」
「それ甘口だぞ……」
「お姉ちゃんは辛いの苦手なんだね」
甘口でそれじゃあ辛い系は食卓に出せないな。もしくは各自で調整できるものにしなくては。
ところで、優紀は知美のことを『お姉ちゃん』と呼んでいる。どうやら、姉が出来たみたいでうれしくてそう呼んでいるようだ。
食事を終えた俺たちは、次に知美の服を買いにいった。
平日は学校があって買いに行く暇がなかったので、まだ知美の服は夏菜子姉さんのおさがりしかない。
真弓も持ってきてくれたのだが、「胸のあたりが苦しい」と言われタンスの肥やしとなってしまっているのは本人には秘密。
女子の服はよくわからないので、今は完全に優紀と真弓に任せている。
時々、「これどう?」と聞かれて「似合ってる」とか「こっちのほうがいいんじゃない?」とか答えるくらいだ。二人きりなら恋人のデートっぽいのだろうが……。
五着くらい買い、ようやく終わったと思ったら、今度はなんと下着を売っているお店へ。
「お、俺は外で……」
「雅人がいなきゃ意味ないでしょ。ほら、入った入った」
逃げようとしたが、失敗。真弓に引っ張られて中へと引きずりこまれる。
「うわぁ……」
とても目のやりどころに困る空間だ。あっち向いてもこっち向いても女性用の下着がある。かといって、目をつぶるわけにもいかない。
こういう場面によく遭遇するのか、はたまた仕事だから気にしないのか、店員さんは俺の事なんて気にも留めず仕事している。
「ねえ兄さん、この下着どう?」
そこに優紀が下着をもってやってくる。
「お前も買うのか?」
優紀の手にあるものをなるべく見ないように話す。
「うん、折角来たからね」
「そ、そうか……。うん、いいんじゃないか?」
見てないけど。
「やた。じゃあこれ買うねっ」
続いて、真弓がやってくる。
「ねえねえ雅人、これ私に似合うかな?」
「なぜ俺に訊く?」
「なんでって……、はっ!?」
と、急に赤面して、そのまま立ち去っていった。
「どうしたんだ……?」
そして、やはりというかなんというか、最後に知美が来た。
「雅人さんっ。私ってこのCとDどっちがいいんでしょうか!?」
「店員さんに訊いてください」
なんとか下着売り場を脱した。なんか異常に疲れたぞ……。
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