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妹のオマケで異世界に召喚されました  作者: 春岡犬吉
ヴェロン帝国編 第四章
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最高の助っ人登場

ライル視点ですので、漢字が少なく読み難いかもしれません。

情景描写も殆どありません。

ですが、子供、と言う事でご了承ください。

 僕はおとーさんといっしょにいたくて、いっしょうけんめい手を伸ばしてよんだけど、でも、おとーさんは「さよなら、ライル」って言ったんだ。

 なんでさよならなのか、僕にはすぐに分からなかった。でも、それがお別れのあいさつなんだ、って分かったら、なみだがいっぱい出てきて、とてもかなしくて、だから、おっきい声を出したんだ。

「やだ……やだよ! さよならしたくないよ! 僕、おとーさんともっとずっといっしょにいたいのに!」

 でも、ドアがとじちゃって、僕の声はとどかなかった。

 そして僕は、いっぱいいっぱいあばれた。おとーさんのとこにもどりたくて。いっしょにいたくて。

 でも、おかーさんの力は僕よりも強くて、はなしてくれないし、こわい顔でおこられた。

「我侭いってんじゃねえ! あいつはお前の本当の父親じゃねえんだからよ!」

 そんなことは僕もしってる。でも、僕にはあの人がおとーさんなんだ。

 たくさんお話してくれて、いっぱい遊んでくれて、いつもいっしょにいてくれた。

 あぶない時はたすけてくれて、けがをしちゃった時はしんぱいしてくれて、かなしくてなみだがいっぱい出た時は、止まるまで、だっこしてくれた。

 やさしくて強いおとーさん。

 いつもニコニコしてるおとーさん。

 時どきすけべなおとーさん。

 たまにいじけちゃうおとーさん。

 おどろくおとーさん。

 かなしいかおするおとーさん。

 色んなおとーさん。

 僕はおとーさんみたいになりたかった。

 でも、僕は人じゃない。だから、それがくやしくてかなしくて、いっしょうけんめいれんしゅうした。でも、おかーさんの言ってることが分からなくて、いっぱいいっぱいおこられた。

 おかーさんがたくさんおこるから、にげたりしたけど、そんな時でもおとーさんはやさしかった。

 だから、人になれた時僕は、ものすごくうれしかった。

 おとーさんと同じふくをきれて、剣をもてて、ちゃんとお話ができるから。そして、僕もぎゅーってできるから。

 おとーさんと初めて手をつないだ時は、おおきくて、あったかくて、僕よりもずっとずーっと強い力をかんじた。

 僕が同じふくをきた時、おとーさんはすごくよろこんでくれた。

 剣をもちたい、って言って、おかーさんをこまらせて泣かせちゃった時は、わるい子はきらいだって、おとーさんにおこられた。だから、僕はわるい子になりたくなくて、おとーさんにきらわれたくなくて、おかーさんにごめんなさいをした。

 そしたら、剣をかってくれるって言ってくれたんだ!

 僕はうれしくて――、とってもうれしくて、おとーさんにおれいを言った。そしたら、僕の目を見て言ったんだ。

「いいか、ライル。剣は自分の為に使う物じゃない。誰かを守る為に使うんだ。勿論、身を守る為に使う事もあるけど、それ以外は決して他の人に向けちゃいけないぞ」

 少しむずかしい事を言われたけど、でも、これを守らないとだめだって言われて、僕はやくそくした。

 だいじなかぞくを僕が守るって。

 おとーさんみたく強くはないけど、僕が守るってやくそくしたんだ。

 だから今はつかわない。僕がおとーさんといっしょにいたいだけなんだから。

 だから僕は、おかーさんにおこられた後、いっぱいかんがえた。

 どうすればおとーさんのとこに行けるか。

 どうやって行けばいいのか。

 なんて言えばおかーさんがいいよって言ってくれるか。

 でも、ぜんぜん分からなかった。

 だけど、僕はあきらめない。

 もっといっぱいいっぱいかんがえて、ぜったい、おとーさんのとこへいくんだ!

 そして僕は馬車に乗って、まどからお外をずっと見てた。

 おかーさんはあぶないからすわれ、って言ったけど、僕はすわらない。お城へ行く道をおぼえなくちゃいけないから。

 ひとりでもおとーさんのとこに行けるように。

 でも、どんどんはなれるお城が見えると、なみだがいっぱい出て来て、お外がよく見えなくなっちゃった。だから、いっしょうけんめいなみだをふいて、口をぎゅってとじて、お外をにらんだ。

 道を忘れないように。

 まっすぐにおとーさんのとこに行けるように。

 まっかな鳥さんの絵がかいてあるドアが見えると、馬車がとまったから、僕はじぶんでドアをあけて、お泊りしてるお家に走って入る。

 後ろからおかーさんの声がきこえたけど、そんなのしらない。

「ボウズ、どした?」

 お家のおじちゃんの声でも僕はとまらない。

 走って前にまきわりしたとこへ行くと、このあいだと同じにまきわりをする。

 台にのせて、剣をふって、まきをパカンってわる。なんかいも、なんかいも。

 でも、だんだん当たらなくなっちゃった。

 また、なみだがいっぱい出てきたから。

 かなしくて。

 さびしくて。

 くやしくて。

 おとーさんとお別れしたくなくて。

「やだよ……。僕、おとー、さんと、いっしょに、いたいよ……」

 剣をにぎった手をはなして、僕はなみだをいっしょうけんめいふいた。

「ボウズはとーちゃんの事が好きなんだな」

 お家のおじちゃんに言われて、僕はうなづく。

「話はボウズのかーちゃんから聞いた。とーちゃんがおめえさんを武道大会に出そうとした、って言ってたが、本当か?」

「うん……」

「で、ボウズは出る心算だったのか?」

「うん……」

「そしたら、かーちゃんが反対したのか」

「うん……」

「で、それなら帰れって、とーちゃんが言ったんだな?」

 僕は首を振る。だって、おとーさんはそんな事言ってないから。

「僕だけにさよならって……」

「そっか」

「僕、おとーさんといっしょにいたいのに、さよならしたくないのに、おかーさんが……」

 また僕はなみだをいっぱいいっぱい出した。

 そして、おじちゃんが僕をぎゅってしてくれた。

「本当のとーちゃんじゃないからって、言われたんだよな?」

「――うん。でも、僕は、ほんとのおとーさんなんてしらない……。だから、今のおとーさんが、僕のおとーさんなのに……、おかーさんは――ほんとのおとーさんじゃないからって……」

「そっか、ボウズには今のとーちゃんが本当のとーちゃんなんだな」

「僕、おとーさんとお別れしたくないよ! ずっといっしょにいたいよ!」

 いっぱいのなみだを出す僕を、おじちゃんはぎゅってしてくれる。

 でも、なんだかおとーさんにされてるみたいで、すっごくきもちよくて、僕のなみだはだんだんとまっていった。

「ボウズはとーちゃんのとこに行きたいんだな?」

「――うん」

「行ってどうすんだ?」

「僕、おとーさんのおてつだいがしたい」

「そうか。んじゃ、俺がなんとかしてやる」

 僕はおどろいておじちゃんの顔をみた。

「何驚いてやがる。ボウズのとーちゃんから貰った金じゃ、明日には皆ここから出て行かなきゃならねえんだぜ?」

 僕はもっとおどろいた。だって、一回ねたら、このお家にいられないって言われたんだもん。

「でもな、ボウズは居てもいいぜ」

「え?! 僕、いてもいいの?」

「ああ、ボウズの分の金はいらねえって言ってあるしな。だから、とーちゃんが戻って来るまで居てもいいんだぜ?」

 僕はここにいられる。

 すごくうれしかった。でも、ちょっとだけかんがえた。

 おとーさんはかえってくるのかなって。かえってこなかったら、どうしようかなって。

「おじちゃん、やっぱり僕はおとーさんのとこいきたい」

 おとーさんがかえってこなくても、僕がいけばいっしょにいられるし、いっしょにいられれば、僕はそれだけですごくうれしいから、だから、やっぱりいかなくちゃいけない。

「そっか、ボウズがそう言うなら、俺が連れてってやる。だから、今日は大人しくしてろよ?」

 おじちゃんがおとーさんのとこへつれてってくれる! それを聞いて、僕はうれしくておっきい声で返事をした。

「わかった! おとなしくしてる! おじちゃん、ありがとう!」

 お礼を言ったら、おじちゃんはすっごくよろこんでくれて、僕もいっしょにわらった。

 おとーさん、まっててね! 僕、ぜったいいくからね!

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