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妹のオマケで異世界に召喚されました  作者: 春岡犬吉
ガルムイ王国編 第八章
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大き過ぎた代償

またやってしまった……。

エピローグ書いてた心算なのに、何故だ?!

何故、普通の話しになった?!

 復活祝い、という訳ではないが、その日の夜は国王様の計らいで豪勢な食事が振舞われる事と成った。

 ただ移動する際、俺は何故か体が上手く動けない事が不思議でその事を皆に聞いたのだが、その辺りも含めて食事をしながら話します、と教授に言われ、椅子に車輪が付いた乗り物――要は車椅子だ――に乗せられて食事が用意された部屋へと向かった。

 その部屋の扉が開かれ中に入った瞬間、俺は感嘆の声を漏らしていた。

「おお……。すげえなこれ……」

 そこには、この国の特色である豊かな自然を山海の珍味をふんだんに使って表現しました、とでも言うべき見事な盛り付けが成された料理の載った皿の数々が、これでもか、とばかりにテーブルに並べられ、壁際に儲けられたテーブルには各種取り揃えました、と言った感じの飲み物が置かれており、別の一角には、果物を切り分けて彩りよく盛られたコンポートが整然と載せられていた。

 しかも、各テーブルには給仕の為だと思うが、メイドさんと執事がワンセットで揃っていると言う至れり尽くせりの仕様だ。

 ただ、シャルだけは慌てていた。

 まあ、元同僚だし、自分が給仕される側になるとは思ってなかっただろからな。

 そうして立食形式で食事が始まった訳だが、俺は自分で食事を取る事が出来なかった。

 だって、フォークとか持っても力が上手く入らなくて落とすし、腕も上がらないんだぞ? そんなんで食える訳ないだろ? 

 だから、あれが食いたい、これが食いたいと言って、奥様方に食べさせてもらっていた。

 うむ、余は満足じゃあ! って、喜んだのも束の間で、もしかしてこれ一生続くのか? と思ったら、流石の俺でも沈鬱な気持ちにさせられた。

 そんな気持ちになりつつも、今は食事を堪能する時間だ、と割り切り笑顔を振りまいていた。

 そして有る程度腹も膨れた所で、そろそろいいかな? と思い俺は口を開いた。

「なあ、色々と分からなくて混乱してんだけど、説明してもらってもいいか?」

 混乱云々は本当だ。

 態度にこそ表していないけど、何がどうなってこんな事に成ってるのか、まったく分からないし。

「分かりました。先ずは順を追って説明いたしましょう」

 そして教授は、淡々と口にし始めた。

 先ず最初に話した事は、あの戦いで何故、俺達が罪に問われなかったのか。

 その理由はこの戦いの発端となったコンとマムの一件が、ガルムイ王国内にあっと言う間――二日くらいでらしい――に広まった為らしかった。

 その噂を聞き付けた国民からは、王侯貴族に対する非難の声が上がり始めてしまい、しかも間が悪い事に、俺達があの大軍を打ち破り村を無傷で守った所為で、今まで鳴りを潜めていた反王族派の貴族達が俺を旗頭に据える事で一致団結して活気付き、国民を扇動しての反乱まで企て始めてしまったらしく、ガルムイ王国自体が内乱勃発という緊迫した状況にまで追い込まれてしまった様なのだ。

 貴族の大多数は親王族派が占めているらしいから打倒される事はないみたいだけど、これにはかなり慌てたらしく、大急ぎで俺達の元へと使者を送り込み、あの村を俺の国として認める旨を確約して、怪我をした俺? の治療に国を挙げて全力で当たる、という事で反王族派の矛をなんとか収めさせたらしかった。

 ヴェロンの時の教授じゃないけど、皆勝手に動き過ぎだと思う。俺をクーデターの旗頭とかに勝手に祭り上げるなと言いたいし、あの村が俺の国ってどういうこったよ?

 確かに一国一城の主って言葉もあるけど、本当に王様になるとか俺、嫌だぞ。

 ただその後に教授が言った、表向きは俺の国ではなく、この国の村のまま、というのが少しだけ引っ掛かった。

 俺のそんな疑問を表情から察したのか、教授は即座に答える。

「マサト殿が屠った三万の兵達が原因ですよ」

 その一言で俺は納得した。

 彼等の家族達の中には俺の事を恨んでいる者も多く居るだろう事は想像に難く無い。

 それが分からない程、俺も鈍くは無い。だって、自分の親しい者を殺した相手だしな。

 それもあって、反王族派には治療と言う名目で、国民に対しては罪状を明らかにするまでは城で預かる、という形にして俺を連れて来たのだそうだ。

 ま、一部の過激な国民から俺を匿う、と言った感じでもある。

 でも今はその事は於いて置くとして、噂がそんなにも早く伝わるものなのか聞いた所、普通ならば、そこまで早く広まる事は先ず有り得ない、とティグが真面目に答えていた。

 ってか、ちゃっかりとここに居るとか、何してんだよこいつは?

 そんな疑問も取り敢えずは脇に於いて置いて、この噂の件に関しては、裏で教授が暗躍してたのではないか、と俺は思う、ってか絶対にそうだ。

 それにしても、教授の抜け目の無さには今更ながらに脱帽するしかない。

 自分達が不利になる状況すら省みずその先を見据えて動くのだから、敵に回せばこれほど恐ろしい智謀の持ち主は居ない、と断言出来る。

 でも今回のこれって有る意味博打じゃね? って思ったのは絶対に気のせいじゃ無い筈だ。

 だって、俺が暴れる事前提で作戦立ててたみたいだし、今回は制御不能に陥ってたのだから、止める手立てが無ければ確実に破滅してた筈だしね。

 で、その手立てだけど、物理的に偶然ティグが止めたのは知っているのだが、何かに取り憑かれた俺をどうやって元に戻したのか聞いた所、驚く事に、スミカがやったと言われてしまった。

 まあ、どうやったのか詳しく聞こうにも、そこは子供なので要領を得ないから分かる筈も無く、結局の所、ガイラスのサポートがあって出来た、という事しか分からなかった。

 そして俺に取り憑いた奴の事なのだが、魂喰い、と言われる無茶苦茶厄介な奴だったらしい。

 別名が魂魄の略奪者(ソウルリーヴァー)、とも言われているらしく、取り憑かれたが最期、その人の魂を全て喰らいつくし、知識と経験を奪い取り本人に成り済ます凶悪な奴、なんだとか。

 そんな訳で、本来ならば俺が助かる要素は皆無だったらしい。

 それを覆す事が出来たのはスミカが居た事と、俺の運の強さの賜物としか言えないのだそうだ。

 兎に角、スミカのお陰で俺は助かったのだが、問題が無い訳でもない。

 どうやら魂全部を取り戻す事は出来なかった様で、ぶっちゃけると魔法が使えなくなったのと、まともに体が動かなくなった。

 まあ、時間が経ては魔法は使える様になるらしいのだが、以前の様に、とは行かないらしい。

 ただ、体の方だけはどうにもならない、という事だった。

 要は、メルさんと似た様な感じになってしまった、と言う訳だ。

 尤も、そこら辺は赤人と青人がサポートすると申し出てくれたので問題はないのだが、もしかすると以前どころか、それ以上に成るかもしれない、と物騒な事を言っていた。

 何でも彼等の扱う力は魔力ではなく神力なので、魔力に変換すると僅かな量でも有り得ない事になるから、なのだとか。

 ま、要するにだ、今までもバケモノ染みた魔力の質と身体能力だったが、二人のサポートが入る事で真性のバケモノに近付くかもしれないって事だな。

 そう言った事情も有って、きちんとした契約を交わす為に二人は俺の外へと出て来た様だった。

「本来はもう少し先で正体を明かす心算だったのですが、今回の一件は私達の落ち度でもありましたので……」

 ただ、そう告げて来た青人は凄く申し分けなさそうにしていた。

 対して赤人はと言うと……。

「我はその様な軟弱な主を持った覚えは無い。が、倒れられても困るからして、力は貸してやる」

 物凄い偉そうだった。

 まあ、赤人の場合は突っ込みどころ満載だけど、二人が居ないと何も出来ない体なのはこの先変わりないので、偉そうだろうが何だろうが頼る事にした。

 ただ、その事を知ったメルさんが目を輝かせて「これで私と同じですね!」と凄く嬉しそうだったのには少々困惑させられてしまったけどさ。

 何だかすんごいキャラ変わってるんだけど、この人、大丈夫かね?

 物凄く残念な事になってしまった俺なのだが、それを覆す程の遥かに嬉しい報告もあった。

 それは、スミカが普通に会話出来る様になった事。

 これに点いての教授の見解は、スミカには何か封印めいた術が施されていて、それにガイラスが干渉した所為で解けたからなのではないか、という事だった。

 それとスミカに点いてはもう一つ大切な、と言うか驚愕の事実も判明した。

 ハイエルフと鬼神族のハーフらしい、という事だ。

 これは俺に取り憑いた魂喰いを引き剥がして滅ぼした事が、一番の決め手となった様だ。

 無論、確証は無いらしいが、教授に言わせればほぼ間違いないだろう、という事だった。

 外見上はハイエルフなのだが、スミカの操る魔術は、言術、と言われるもので、口にした言葉に魔力を乗せるだけで効力を発揮する、という恐ろしく効率の高い代物。

 尤も、その所為で鬼神族は滅びた、とも言われているらしく、場合に因っては魔装を使ってでも一時的な封印を施す必要性がある、と教授が言っていた。

 なので今のスミカの首には、チョーカー風に装飾を施した魔封の首輪が嵌っていると聞いた時には、動かない筈の体を無理やり動かして車椅子から降りようとしたくらいだ。

 まあ、その後でこの首輪は魔力を封じる為だけの物なので、害を与えない仕様と成っている、と聞かされて素直に戻ったけどね。

 ただ、もしもそれを聞かされなかったら、これを作った奴の所に直ぐにすっ飛んで行って、確実にボッコボコにする自信はあった。

 だって、俺の可愛い娘だぞ。血の繋がりは無いけど。

 その娘が苦しむとか、父親の俺が許す筈ないだろうが。

 まあ、ここで親馬鹿気質を全開にしても仕方ないけど、一応、表明はしておかないとだからな。

 ああ、それとだな、俺が認めない限り娘を嫁には出さん! これ、父親の鉄則な!

 って事を言ったら、ウェスラに拳骨を落とされ、

「スミカはライルちゃんのお嫁さんになるんだもん」

 序で、とばかりにスミカにもそんな事を言われてしまった。

 でもまあ、それならいいか、と二人の事を認めたら、何故か奥様方が俺の事を睨んでたのがちょっと不思議だった。

 何でだろうな? ライルも喜んでるのに。

 もしかして、こっちの世界は義理の姉弟で結婚しちゃいけない法でもあるのだろうか?

 ううむ、謎だ。

 そんな事で悩みつつ不意に目線を左に向ければ、そこでは可憐とひめが談笑をし、ウォルさんがコッチコチに固まっている姿が見えた。

「もしかするとあれ――」

 そんな呟きに素早くメルさんが反応する。

「私達の仲を邪魔する敵ですか?!」

 敵ってなんだ、敵って。

 ってかさ、皆を威嚇するのはやめようぜ?

 俺がウェスラに殴られた後からメルさんは何故か、他の妻達を威嚇していた。

 まあ、傍に居る事は許容してくれているらしいけど、俺に触れようとすると殺気を迸らせて動きを止める、という厄介な事をしているのには少々参った。

 何故そんな事をするのかは分からないけど、あの時、俺の事を自分と同じ、と言った時点で赤人と青人のサポートだか何かが入ってるのは分かったし、キャラが変わっているのにも気が付いた。

 ただ、ここまで斜め上へ性格が振り切れていたのには正直、皆もびっくりしていた。

 なんせ、メルさんが持ってきた食い物を俺が、今はいらない、と言った途端、ナイフを首に付き付けられ、

「では、あなたを殺して私も死にます。それでいいですね?」

 そんな物騒な事を満面の笑顔で口走るんだから。

 何がどうなればこんな性格になるのか皆目検討が付かないけど、これがあの有名なヤンデレってやつなのか? などと思ってしまった。

 しかも、事有る毎に囁かれる脅し文句は、俺を殺して自分も死ぬ、なのだから恐ろしい事この上ない。

 それに今の俺には、逃れる術なんてありゃしない。

 体がまともに動かないからな。

 それを知っているからか、メルさんの攻勢は止まる所を知らず、終には、

「さあ、私と愛を育みましょう」

 ナイフを突き付けながら俺の下半身を弄り始める始末。

 一歩間違えば確実に斬られる恐怖と、股間で怪しく蠢く手に身を震わせて俺が助けを求める視線送れば、素早く教授が近付いてメルさんの頭を鷲掴みにして引き摺っていってくれた。

 その際に教授が呟いた台詞には、背筋が凍ったけどな。

 だって「マサト殿をものにしたいのならば、私が細かく攻略法をお教えしますよ」なんて事を言ったんだぞ。

 ヤンデレ化したメルさんにそんな事を教えられては堪った物ではないが、とりあえず今だけは感謝しておく事にして、再び三人に目線を向ければ、ウォルさんが物凄く畏まってひめから飲み物を受け取っている姿が目に入った。

「なんじゃウォルのやつ。何故あそこまで畏まるのじゃ?」

 どうやらウェスラも見ていたらしく、そんな呟きを漏らしていた。

 ま、俺にしてみれば分からなくも無いけどな。

 可憐の事だから、何の考えもなくひめの正体をバラしたんだろうし。

「ああ、それはな。ひめが神様だからだよ」

 訝るウェスラにも俺がバラす。

「なっ?! か、神、じゃとっ?!」

「そそ。彼女はさ、瀬織津姫って言って、水の神様って言われる存在なんだよ」

「す、水神様か!」

「うん、序でに言うと、天照大神の后とも言われてるんだけど、これがまた諸説ぷんぷんでさ、天照の別の側面である荒魂、とも言われてんだよね。だから正確な所は俺にも良くわからないんだよ」

「あ、あまてらす? とは……」

「こっちの世界で言う所の太陽神だよ」

「な、なな、なんじゃとおおおおおお! で、では! せ、せお、せおり、せおりつひめ様は、デュナルモの最高神たるソル神と同格、という事では無いかっ!」

 俺に食って掛からんばかりの驚きを見せるウェスラに、俺は少しばかり驚いてしまった。

 何をそんなに驚いているんだろ? 第一ひめは、俺と可憐の幼少期に面倒を見てくれてたんだから、別に驚くほどの事じゃないと思うんだけどねえ。

「さ、最高神と同格の神と食事を共にするなど、何と恐れ多い事をしておるのじゃ、ワシ等は!」

「何震えてんだよ。結構気さくだぞ、ひめは」

「じゃ、じゃがっ!」

「大丈夫だって。おーい、ひめー」

 うろたえ始めたウェスラを他所に俺がひめを呼び付けると、彼女は何て言う事をする、と言わんばかりの凄まじい視線を突き刺すが、その程度で俺が萎縮する事は無い。

 第一、慣れちゃったしな。

「何ですか? 真人」

「ちょっとな、皆がひめの事知って焦ってるんだよ」

「何故焦るのですか?」

「神様だからだよ、ひめが」

「それが何故、焦りを生むのですか?」

「こっちの世界の最高神と同格だかららしいぞ」

 この一言で、ひめの瞳が怪しい光を灯した。

「それはそれは――」

 一旦言葉を区切ると、口元に怪しさ満載の黒い笑みが浮かび上がる。

「確か貴女はウェスラさん、でしたよね?」

「そ、そうじゃ――です」

「この世界の神の居場所を、教えていただけません?」

「な、何故――?」

「決まっているではないですか。一発ぶん殴るんですよ。どちらが上か思い知らせる為に」

 この返答には、ウェスラも目を限界まで見開いて驚いていた。

 流石は日本の神様。それも荒魂と呼ばれるだけはある。遣る事が人間そっくりだ。

「俺達はこの世界の神の居場所なんて知らないぞ、ひめ」

 驚き過ぎて何も答えられないウェスラに代わり、俺が答えた。

「あら、そうなんですか? それは残念ですね」

 残念、と言いつつも残念そうにはとても見えない所が、ひめの困ったところでも有る。

 絶対探し出して一発殴る心算でいる事が見え見えなのだから。

 まあ、そこはこっちの世界の神様に任せるとして、彼女を呼び付けたのは俺の中にある推測をぶつけて見る為だ。

「ひめってもしかしてさ、可憐の中に居た?」

「あら、真人はご存知だったのですか?」

「最初からって訳じゃないよ。あいつ等を見たから、ってのが大きいかな?」

 顎をしゃくった先には、夢中で料理を掻き込む赤人と、壁際で静かに食事を取る青人という、対照的な二人が居た。

「そうでしたか」

 ひめがあの二人に向ける眼差しはとても柔らかく、うちの母さんが俺達を見る様な感じだった。

 そんなひめの横顔を見ながら、俺は静かに声を掛ける。

「なあ、ひめ」

「何ですか?」

「可憐は俺よりも強くなる、かな?」

「ええ、貴方が羨むくらいに」

「――そっか」

 ひめのその言葉を聞いて俺は安心する。

 俺の中に残る懸念が一つ、解決したからだ。

「でも、今になって何故、そんな事を言うのですか?」

「それは内緒、かな」

 話せば確実にひめは俺から離れなくなるからな。なんせ、もう一人の母親みたいなものだしさ。

「そう、ですか……」

 少し寂しそうに表情を俯けて、ひめはそれ以上聞かずに俺に目配せをすると、可憐の元へと戻って行った。

 それと入れ替わる様にして飲み物片手に教授が近付いて来る。

 この辺の空気の読み方は流石だ。人じゃないけどな。

「何を話していらしたのですか?」

「ん、まあ、あの話に関係有る事を匂わせたってとこかな」

「なるほど、そうでしたか」

「でも、本当なんだろうな?」

「はい。魂魄の略奪者は分体を使います。ですから今回マサト殿に取り憑いたのも、その分体の可能性が非常に高いのです。でなければ、ああも簡単に滅ぼせる筈が有りません。それに、先ほどもお伝えしましたが、マサト殿が助かった事を知れば何れまた、狙って来る事は確実でしょう」

「厄介なのに狙われたもんだな、俺も」

 俺は溜息の代わりに苦笑を漏らす。

「だけど、潰しがいはあるよな」

「そうですね。私達の敵としては不足無し、と言った所です」

「頼んだぜ、教授」

「マサト殿こそ、頼みますよ?」

「任せろ、あんな奴をこの世界にのさばらせてたまるかってんだ。子供達の未来の為にもな」

 俺達は不敵な笑みを交し合う。

 そして、皿を手に笑顔で駆け寄って来るライルとスミカを視界に納めると、新たな決意を胸に、不敵な笑みを微笑に変るのだった。

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