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晩夏の図書館

隼子

「今回はこれでよろしくー」

 いつもの軽い調子で鎮が本を数冊差し出してくる。

「隼子ちゃん、最近、はやと君どーぉ?」

「勉強見てくれてるの鎮でしょ?」

 コリコリと額を掻く鎮。

「んー。うまくいかなさに苛立ってるみたいだからさー。ミラちゃんと隆維と相性が悪いのかしてうまくいってねーしなぁ」


 少し、気にしているらしい。

 でも、

「新学期までにひらがなとか筆記具とかちゃんと使えるようになったし、まぁ、うん。学校は行きたくないっぽいけどねぇ」

 時々、ミツキさんも勉強をみてくれてるみたいだしなー。

 まわりに親切にしてもらえてるのになぁ。

 はやとはミツキさんも苦手らしいし。

 困るよねー。

 はやといると呑みに行きにくいしなー。


 うーん。


 よし!


「なにイキナリ思いつめた顔でリキんでんの?」


「っさいわね。宇美誘って呑みに行くことを決めただけよっ」


 鎮の視線が生ぬるくなる。

「隼子ちゃん」

「な、なによっ」

「ほどほどにね」

 気まずい。

「呑み屋で脱いじゃダメだよ?」


 なっ!?


「脱がないわよっ!」


「伊藤さん、酒癖はともかく、話題と声量は気を配りましょうね」

 お局様からの注意が飛ぶ。


 ううっ


 どうして鎮と関わるとこういうことにっ。


 やっぱり諸悪の根源は鎮に違いない。





 

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