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送る手紙  作者: 山藍摺
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お師匠さまへ送る手紙


拝啓 師匠様



バカな友人が世話になってます。

いつもいつも、ご迷惑をおかけしてないでしょうか。あいつはきちんと朝起きれていますか。起きれてないのなら、遠慮せずに何発か平手でもみまってくださいね。頭と顔だけは勘弁してやってください。あいつの残念な頭がより残念なことになります……冗談はさておき、あいつ、顔だけはいいので顔を殴るのだけ避けてやってください。故郷に、あいつの顔を好いている人が何人もいますから。意外にもてるんですよ、あいつに好いてもらいたい会なんてあるんですから、本当に。笑う顔が想像できますが、笑わないでくださいよ、本当なんですから。あいつの取り柄は、まず顔なんですよ、マジで。


あいつ、きちんと夜布団をかぶって寝てますか。布団、所在不明になっていたり、とんでもないところに移動してやしませんか。あいつ寝足癖が悪いので、お隣に寝ているのなら蹴られてやしませんか。あいつが蹴ってきたときは遠慮なく蹴り返してください。冗談はさておき、布団を蹴飛ばしていたら、戻してやっていただけないでしょうか。心配していただけてるから、お隣に寝ていらっしゃる、ですよね?あいつに手、出してないですよね?下心、ないですよね?あったら殴りにいきますからね?あいつに好い人ができない原因にならないでくださいね。本気ですよ?さっさとあいつにも好きな人ができたらいいのに、あの性別老若男女問わずの人たらし。



殺人鬼もでているそうですね。あいつ、変なやつがよくよってくるんで、よってきたら退治してくださいね、殺人鬼含めて。あいつ、変人変態ホイホイですから。犯人だってホイホイしそうで怖いんですよ。変人変態が出る春じゃないのに、あいつのそばには必ず変人か変態のどちらかが湧いてましたから。常にそばにとはいいたいんですが、なるべく側にいてやってください。本当ならわたしがいてやりたい。でも、わたしは、二度とやつの側にいれなさそうになくなってきたので。どうやら、近いようです。手紙も、次で最後になるやもしれません。

どうか、さいごまであいつの味方でいてやってください。本来なら、わたしがその役目をしたかった。でも時間が、ありません。お師匠さまなら、おわかりになるでしょう。

どうか。

どうかあいつには、このことをいわないでください。どうか、お願いいたします。




かしこ




追伸

同封した手紙は、あいつが気づいたら見せてやってください。決して、それまで見せないでください。

かしこ、からあなたの性別が判明。そして漂うきなくさい匂い。

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