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1-2 部下その1

遅くなりました。見切り発進乙と言われても仕方ない。

「……よし」


 アルノリド・カセは自室の窓で身だしなみを確認した。窓から見える景色は夜みたいに真っ暗であるが、基地内の時計では朝の7時30分を指している。それもそのはずここは地上ではなく無限に広がる宇宙に浮かんでいる。


 子供の頃は太陽は散々見たが、軍に入りこの基地に配属されてからほとんど見ていない。最後に見たのは去年の休暇から帰ってくる時だったか?


 そんなことを考えながらアルノリドは机に置いている帽子をかぶった。しかし、彼がかぶったのはただの帽子ではない。普通軍帽は式典時以外はかぶる義務は無いが彼がかぶった軍帽は基地司令を表す帽子であり、ある種の目印である。


「おっと、こんな時間か」


 時計に再び眼をやると7時45分を指していた。今までなら身だしなみを整えるのは10分も掛からなかった。どうやら基地司令官着任初日という事で何時もより緊張しているのか。などと考えながら、部屋の出入り口の扉のロックを解除して部屋を出ると、目の前に一人の男が立っていた。


「よう、アルノ。いや、今はアルノリド司令官のほういいか?」

「いや、司令官着任はあと2時間後だ、それまで今まで同じでいいぞ、ヴァルド」 

「相変わらず、時間に厳しいな。まぁそれがお前の数少ない個性だからな」

「お前、褒めてるのかそれは?」

「もちろん、貶しているに決まってるだろ」


 インヴァルドはニヤリと笑いながら言った。


「それは俺の侮辱罪という事でお前のボーナス査定に加えておこう」

「それだけは勘弁」


 アルノリドの言葉を聞いたインヴァルドが頭を下げた。インヴァルドはある部分を除けばすばらしい友人である。ある部分を除けば。


 閑話休題


「冗談だ」

「司令官の今じゃ、そのジョークは笑えない」

「そうか、気を付ける」

「頼むぜ、お前の迂闊な一言で俺たち一般兵は路頭に迷う羽目になるんだぞ」

「分かった分かった。飯食いに行こうぜ」

 

 懐の小型端末の時計を見ると7時50分。アルノリドは自分の新たな仕事場になる司令部にヴァルド共に向かった。


 ちなみこの小型端末、電話機能を始め、メール、ネットワーク接続、発信機機能、小範囲ジャミングなど、様々な機能を備えた軍専用の端末である。


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