第十七話『水嫌い』
どっどどっどっどどうしようか。
何か俺が居ないものとして話が進んでるんだが。
こっからどう切り出そう。
急に話しかけても、『いつから聞いてたんだ?』みたいなことになりかねないし。
かといってずっとこの状態で待っとくのもつかれるしな〜。
打開策打開策〜。
と俺が考えているところで天才くんがため息一つ。
「無駄話などどうでもいい、さっさと行くぞノロマ」
「あァ?」
突き放すような天才くんの物言いに、案の定デュークが天才くんに突っかかった。
「俺は無駄なことに時間を割きたくないだけだ文句あるか」
無駄なこと、って.....。
いや、確かに、さっきの話ってすごく無駄な話だったな。
「文句も何もまずテメェのその性格が気に食わねェ、
第一カエデはどうすんだよ」
た、確かに、俺はこの状態のままどうすれば―――。
「……起きぬなら、起こせばいい」
ほととぎすか?
なんて考えてると、天才くんが俺に掌を向けた。
嫌な予感しかしない。
「おまっ、なっ――」
「水放:輪」
ーボコボコッ
次の瞬間、頭上で水が弾け――
「ぶっはぁッ!?」
頭から冷水を浴びせられた。
前髪びしゃびしゃ、仮面の中まで水が入り、フードも首に貼りつく。
……首から上だけで地獄完成である。
「……ざけんなコラ……」
....鬱陶しい。
「カエデが怒ったの、初めてだ」
「怒ってねぇ。
ただ……クソ気持ち悪いだけだ……」
びしょ濡れのままギルマスの部屋に移動。
中には既に女子組も揃っていた。
「……どうしてカエデさん、びしょびしょなんですか?」
「天才くんにやられた」
「……なぜ?」
シロがさらに困惑する。説明する気力もない。
「おう、全員揃ったなぁ」
ギルマス・ガーヴェが場を仕切ると、空気が一瞬で変わる。
さっきまでの緩さは消え、部屋に妙な圧が走った。
「まァまずはドラゴンの情報だ。
無属性、階級はS。
王都に進行中、被害拡大を防ぐために――
10日後、討伐する。」
空気がさらに重くなる。
その後のしおり確認で全員が絶句した。
日程を見れば恐ろしいほどの詰められており、それだけで俺は逃げ出したくなった。
しかし、デューク達だけは違う場所を見ていた。
視線の先には、担当者の欄があった。
「テシリア、メルシィ、イクサ」
デュークたちが、無言で顔色を失った。
これ、大丈夫か?
カエデ"(-""-)"「うざい......」
シロ(`・ω・´)「タオルどうぞ!」
カエデ"(-""-)"「あんがと....」
デューク(; ・`д・´)(カエデのパーティってどーいう関係性なんだァ?)
【水放シリーズ】
天才君が生み出した合理性を突き詰めた魔法。
『輪』以外にもいろんな種類がある
読んでくださってありがとうございます!
よければ感想などいただけると、とても励みになります。
お気軽にどうぞ!




