第十二話『ドラゴン討伐 決★定』
「んーで、説明会なんだがぁ」
ギルマスのガーヴェが、死んだ魚みたいな目で手をひらひらさせた。
「こん中で、ドラゴンを倒したことがあるやつ
――手ぇ上げろ」
当然のようにユーガが手を上げる。
……ん?
気のせいか、あのチンピラまで手を上げてるように見えるんだけど。
後ろの仲間たちは誰も手を上げてない。
ってことは、あのチンピラもユーガと同じく、レンタル枠だったのか?
「―—一人、意外なやつがいたが……
まぁ不足なしだな」
ガーヴェが死んだ声で続ける。
「ドラゴン討伐経験者、二名。
噂の天才魔術師サマ。
そして――王都の防衛壁をぶっ壊した問題児」
最後の一言で、俺は思わず目をそらした。
問題児って、絶対俺のことだよな。
……『児』じゃないし。
酒も飲める年齢だし、多分。
天才魔術師ってのは、あの態度が悪い精族だろう。
仲間は見当たらないが、たぶん一人で十分強いんだろうな。
「まず、今回のドラゴンなんだがなあ
……かなり異常でなぁ?
正直お前ぇらみたいなクソガキに任せるのも癪なんだが
こっちもいろいろ忙しい訳
んで、泣く泣くお前らを頼ってやったって訳だ」
何だこの人....。
「チッ
で、何が異常だって、アァ?」
御託はいいからさっさと話せって感じだな。
なんてことを気にしてると。
ガーヴェはその口調のまま、物騒なことを口にした。
「人為的に召喚された可能性が高い」
「「「は?」」」
俺とチンピラと天才くん、三人の声がぴったり揃った。
……は?
ドラゴン召喚って、そんなのアリなのかよ。
チートじゃねえか。
「召喚の目的は不明。
街を襲うでもなく、暴れてもいない。
だが、十中八九、人の手だ。
この意味、わかるなぁ?」
目的不明のドラゴン召喚。
しかも一番怪しいのは、ついさっき壁を壊した俺……。
いや、だからこそ討伐任務か。
ついでに「本当にお前じゃないよな」って確認したいのかもしれん。
「考えられるのは……
街への実験的襲撃、戦争前の見せしめ
もしくは――」
天才くんが静かに言う。
「宣戦布告」
「まぁ目的はどうあれ、
お前らの仕事は一つ、【ドラゴン討伐】だぁ」
ガーヴェは死んだ声のまま、部屋の奥の大きな板を叩いた。
ギギギ……と音を立てて板が回転する。
「ってぇことで、でーん」
現れた文字を見て、全員が息を呑んだ。
『どきどき☆ドラゴン討伐作戦合宿!』
「…………は?」
沈黙を破ったのはもちろんチンピラだ。
「ざけんなよッ!」
同意!
なんだよそのタイトル?
ってそこじゃねーか。
合宿って何だよ。
しかもこのメンツと泊まるとか、絶対むり。
「俺ァ行かねぇ」
「俺も!」
「そんなテメェらに朗報な
これ、強制参加でーす」
くっそムカつく。
「んじゃ、詳しい話は合宿でなぁ
はい、しおり」
「……しおり?」
修学旅行かよ。
そう言ってガーヴェは、しおりだけ渡した後、帰った。
「「ふざけんなァッ!」」
俺とチンピラの声がぴったりハモった。
「気持ちはわかるけど落ち着きなよ..........
気持ちはわかるけど」
「さっきまでダンゴムシみたいだったカエデさんが
ちゃんと意見言ってる...........」
「おい、けなしてるだろ」
チンピラの方はなんだかんだ言って仲間には賛同されてんのに、
なんで俺の方はこうなんだよ。
「馬鹿馬鹿しい.............」
なんてことをしてると天才がそうつぶやき席を立つ、そのまま扉へ直行.............
―――して帰った
まじかぁ................
どうすんだよこの空気
デューク( ・`д・´)「ざっけんなクソジジイ!死ね!」
ガーヴェ(´-ω-`)「何だクソガキ~、殺すぞぉ」
カエデ(;´・ω・)「どっちも怖ぇよ」
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