97話 しぺぺぺっ
(しかしこのガムの味オレンジ味だな、千尋さんってオレンジ味のガム好きなのか?)
私はひたすらガムを噛み続け、味が無くなったと感じてきた。
(そろそろガムの味が無くなって来たか、飲み込まずに紙に包んで捨てるか)
私はガムを口から出して紙に包んだ。
「さて、ゴミ箱は何処かな」
「せっちゃん、ゴミ箱はここだよ」
千尋さんはゴミ箱を持ってきてくれていた。
「千尋さんありがとうございます」
私は噛み終わったガムをゴミ箱に入れようとした、だがレミちゃんがそれを弾き飛ばした。
「あっ!?」
レミちゃんがガムが入った包み紙を開けようとしていた。
「レミちゃん駄目だよ、それゴミ箱に入れて」
だがレミちゃんは私の言う事を聞かずにガムが入った包み紙を開けた。するとレミちゃんはガムを体にくっつけた。
「もう、体についたガムは取りにくいんだよなぁ」
するとレミちゃんは自分でガムを取ろうとしていた、だが取るのに手こずっていた。
「もう、手伝ってあげるからさ」
「まってせっちゃん、レミちゃんは私たちに何かを伝えようとしてるのでは?」
千尋さんはレミちゃんをじっと見ていた。
「千尋さん、レミちゃんがそんなことをするなんて思えますか?」
「普通なら伝えようとすることはしないはず、だがこいつはこいつなりに頑張ってるんじゃあないか?」
私はじっとレミちゃんのジェスチャーを見た、体にへばりついたガムを必死にはがしている姿を必死に演じているように見えた。
「ぬななな~ぁ」
(もしかしてガムはベトベトだからくっつけれる、なら何につけた方がいいのかっていう話だよね)
私はレミちゃんに質問をかけた。
「ねぇ、そのガムを誰にくっつけたらいい?」
その声にレミちゃんはガムをつけながらジェスチャーをしていた。
(何だろうこのポーズ、腰を低くして私たちを囲ってる。このポーズ何か見覚えがあるんだよなぁ)
私は今日あったことを思い出していった。
(確か今日は盗撮があって千尋さんの鉈の能力が分かったって事だけ……あっ、絶対これイオタの事を指してるな)
「もしかしてイオタの事?」
レミちゃんは耳をパタパタさせていた。
(どうやらあっているようだな)
するとレミちゃんはパソコンを持ってくると短い手でパタパタとキーボードをたたいた。
「これってGPS?」
「んなな!」
「せっちゃん、これってレミちゃんが私たちが困っていることを感じ取って助けてくれたって事?」
そして私と千尋さんはレミちゃんをほめたたえた。
「ありがとありがと~」
「まったくせっちゃんのペットは主人とは違い賢くてもちもちでいいねぇ~」
「もきゃきゃ!」
そして私と千尋さんはGPS装置を買いに家電量販店に向かった。
「しかしこの発想はレミちゃんのお手柄だね」
「そうだな、後で食べ物を買ってあげないとね」
(しかし家電量販店にGPSなんて売ってるのだろうか?)
私はどうして犯罪に使われそうなものを普通に売っているのか分からなかった。
「千尋さん、どうして家電量販店にGPSが打ってるんですか?」
「パートナーが不貞行為に至ってないか確かめるために買うんだ、ちなみに不貞行為がバレたら修羅場だけどね」
「なんだか怖いですね~」
「まぁ最近の情勢で仕方ない面があるんだよ、隣国のハニトラに引っかからないためにしてるっていう噂もあるっていう」
「スパイって事ですよね?」
「ああ、それで機密情報が流れ国防に穴が開くって事、だからGPSが役に立つって事よ」
なんだかんだでGPSが必要になってしまっている世の中、私と千尋さんはGPSを3つ買った。
「案外安かったのね」
「粗悪品じゃあなさそうだしいい買い物だったのかもね」
そして宿に帰ってきた私たちは早速ガムを噛んだ。
「そう言えば千尋さん」
「どうした?」
「ガムをくっつけるのって近寄らないとできないですよね」
「そうだな」
「近づいても避けられたら作戦がバレるのでは?」
「ああ、その点については心配ない、奴は口の開いたカバンを下げていた、つまりそこにGPSを入れるのもアリ」
「用意できる手はたくさん用意していった方がいいんですね」
「そういうこと~」
そして私たちはイオタを追跡するためのガムを噛み終え、少し汚いがGPSをその中に埋めこんだ。
「これはもしも落ちてしまったときの替えだね」
「じゃ、盗撮犯が現れるまで待つとしますか」
私と千尋さんはパソコンを開き、イオタが私たちを盗撮するまで待ったのだった。
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