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ビヨンドザアンノーン?  作者: 猫こんた


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83話 音波付与

数分前、千尋さんは……

「だめです!コントロール効きません!」

「我々もここで終わり……」

「私は生きるぞぉぉお!!!」

千尋さんはヘリコプターから飛び降り、空中で大の字になった。

(さてと、勢いで飛び降りたがどうする……下はコンクリート、このまま着地すれば死だな……仕方ないがあいつを体に宿すしかないか)

すると千尋さんの体が黒い靄で包まれたと同時に地面に降り立った。

「ふぅ、やっぱりこの変身は疲れる……もう解くか」

千尋さんは変身を解くとジータが走ってきた。

「ジータ、ここからどうするか分かるか?」

「ヘリに乗ってた人の救出ですか?」

「いいや、あれは助からん。助けるのなら中にいる3人だ。だが電話がつながらない以上、無意味に突撃するのも無し……そうだ!」

千尋さんはとある人物に電話を掛けた。

「今暇か!?」

「アネキ?今お茶を飲んでた、暇じゃないぜ」

「よく分かった、お前は暇だ。今すぐ指定する場所に向かってくれ。その時スピーカーを2台用意していてくれ」

そう言って千尋さんは電話を切った。

「さてと、私たちもその指定場所に向かうとするか」

「何をするんですか?」

「ヘリは使えない、なら空中からの攻撃はどうする?」

「……もしかして上から?」

「そうだ、今すぐ近くの店からスピーカーと配線を買っていくぞ!」

そう言って千尋さんとジータは近くの家電量販店に走って向かったのだった。



その時私たちは階段を駆け上って行き、明らかにペットロボの密度が多い階層を見つけた。

「もしかしてここにシグマが」

「そうだな……ラムダやってしまえ」

「了解!」

ラムダはそう言うと紫の球と白の球を1対4の割合で投げた。

「やっぱりこの作戦はラムダ無しだと切り抜けれないよね」

「ラムダ、助かる」

そう言って私たちはペットロボの装甲が脆くなった場所に刀を振っていった。

「四季の舞・秋!」

私はペットロボを踏みつけ多数の敵に斬撃を食らわせた。

「セツナ、独自に進化してる!あっぱれだ!」

そう言うと鏡花さんはペットロボの首を刎ねていった。

「さて、この階層にペットロボはいないか」

「犬型もいれば猫型も……ん?」

(ちょっと待って、鳥型はいったいどこに?)

私は少し冷静になった。

(確かここは屋上の一個下……まさか!?)

「みんな屋上に登るぞ!」

私は階段で屋上に登っていった、何か嫌な予感がしたのだ。

「どぉらぁ!!!」

私は屋上のドアを蹴とばすとそこに居たのは逃げようとしていたシグマだった。

「ふん、賢い奴は逃げるっていう奴だな」

シグマは鳥型ペットロボに掴まり逃げようとしていた。

「待て!卑怯者!!!」

私は足に力を溜めた。

(奴を地面に叩きつけるんだ……)

私は足に溜めた力を開放し、ジャンプした。

「届いたぞ!!」

「嘘でしょ……」

私はシグマの背中にかかと落しを決め、地面に叩きつけた。

「グハッ……この野郎……」

(ちょっと待て……当たった感触がしなかったぞ)

鏡花さんがシグマの首を取ろうとした時、私は何か違和感を感じた。

(何かがおかしい……背中が何か変だ!)

私は鏡花さんに叫んで危険を伝えた。

「鏡花さん!そこ危ないぞ!!」

「ハッ!?」

鏡花さんはすぐにバックステップを踏み、何かに備えた。

「違和感に気が付くか……だがお前だけは道ずれだ!!」

すると何かが私の方に伸びてきていた。

(なんだこれは、ってやべぇなこりゃ、空中にいるから回避行動が出来ない……)

私は何かに掴まれ、そのまま壁に叩きつけられた。

「ドブァ!」

(今の何だった?何かに挟まれて壁に……)

息をするだけで痛み、視界がぼやける中、私は立ち上がった。

「どうして私たちはゴフ……こんな化け物を相手にしないといけないんだ?」

「敵に回してるのが悪いんだ」

するとシグマは上着を脱いだ。

「これは逃げる時、無理だった時の最終兵器だったんだ。お前ら死んだよ」

視界だどんどん鮮明になっていく中、シグマの体から何かが出てくるのが見えた。

「私が夜な夜な改造に改造を続けたんだ……だが褒める奴はペットだけだ……人間なんか……大っ嫌いだ!!」

そう言うと大きなアームが意識が薄れている私を掴んだ。

「セツナ!」

「こいつを最初に殺してやるよ……」

どんどんとアームの圧力が高まっていく中、どこかから重低音が聞こえ始めた。

「ん?何だこの不快な重低音は」

この重低音はどこかで聞き覚えがあった。

「セツナを返せ!」

鏡花さんがアームの片方を斬り落とし、私をお姫様抱っこで救出した。

「体は大丈夫か?」

「ああ、なんとか意識は保てる……」

私は刀を握った。

「だけど新しい技が浮かんできた……それにこの刀の名前も……」

そう言って私は大きく息を吸い、刀を正しい位置で構えた。

自我(エゴ)の刀……音波付与!!」

そう言うと私の刀が震え始め、何かが纏い始めた。

「セツナは突っ込むことだけに集中して、私は横から来る攻撃を捌いて行く」

「わかった、勝負は一発、掛け金は私の命だ」

そう言うと私はシグマに向かって走り出した。

(今なら分かる……シグマの攻撃するタイミングが!!)

私は突撃しながら前から来る攻撃をかわしていった。

「前から攻撃が来るぞ!」

「分かった」

私は眠ったように右にかわしたがすぐに攻撃が来た。

「邪魔」

私はその攻撃のアームを切り刻み、シグマに向かって飛びかかった。

(間合いを見誤れば死ぬ……勝負は一発だ)

「四季の舞・夏・斬!」

私は力を刀に込め、奴の首筋に刀を入れた、装甲が斬るのを邪魔していたがどんどんと装甲が割れていき、シグマの弱音が聞こえてきた。

「やめろ……私の努力が」

「努力がどうとか関係ない!これはお前がやってきた罪の刃だ!!!」

そして私は力強く刀を振り抜き、シグマの顔を斬った。

「この……糞が!!!」

シグマはアームで私を殴って地面に落とすつもりだ。

「させない!」

鏡花さんがアームを止め、私はシグマの胴体を袈裟に斬った。

「お前は死んで地獄に行くべきクソカスだぁぁ!!」

「ぐあぁぁぁ!!」

シグマが後ろに倒れ、そして血が噴水のように出ている中で一人でブツブツと言い始めた。

「私の話を聞いてくれ……私はだた……ペットと居たかっただけだ……ただ……」

それに私は意識が混濁する中こう言い放った。

「あんたのエゴが他の数十人の命を奪ってるんだ、分かってるんだろうな?それでも自らの意見を通したいって?それはただの傲慢だな」

そう言って私はシグマの胴体に馬乗りになった。

「私たちはその凶行を止めたかったんだけだ……だから生きて償おうよ、その命が尽きるまで……な?」

シグマの顔には困惑がにじみ出ていた。

「お前はただペットと一緒に居たかっただけだろう?そうだろう?」

「……そうだ、ただペットと一緒に眠ったりかけっこしたりしたかった……したかっただけなんだ」

そう言うとシグマは大粒の涙を流した。

「だけどどうしてこんな……こんな目に……」

「ラムダ、回復の霧を」

「ああ」

ラムダは応答の二言だけで回復の霧を出し、シグマが浴びるとどんどんと傷が回復していった。

「戦っている最中、私はお前の中にいた子供の顔を見てしまってな、殺せなくなったよ。だから……」

「これ以上言わなくてもいい」

そう言うとシグマは私を押し倒し、無理にでも回復の霧を浴びさせた。

「何をしてるんだ……」

「これでお相子だ、なら私は……自首するよ。私の本当の友達が居そうな場所にね」

そう言うとシグマは落ちていた手錠を自ら腕に着けた。

「ほら、警察のいるところに案内しろよ」

「全く最初から最後までわがままなんだ……から」

その時私は限界を迎え、体が支えきれなくなり地面に倒れた。

「セツナ大丈夫か」

刀が消え、私は今にも意識が無くなりそうだったが鏡花さんの問いに答えた。

「大丈夫……だと思うなら病院行かない……ぞ」

そう言って私は意識を失ったのだった。もうすでに限界を超えていて気力で立っていただけのようだった。

最後まで見てくれてありがとうございます。

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