80話 空の亀裂
翌日、私は朝早くに目が覚め、外を見た。
「今日は快晴かぁ……よく寝たなぁ」
私はベランダに出ると体を伸ばしていった。
(あの後風呂から上がったもののやることがないからそのまま眠ったんだっけ、とんでもなくだらしない生活を送ってるな)
自身のだらしなさは人には自慢できないレベルでひどい事を実感した私はベランダの椅子に座った。
(ってあれ、下着穿いてなかったっけ、やけに下半身がスースーする)
私は触って穿いてるか確認した。
(うん、疲れで穿き忘れてる。こりゃえらいこっちゃ)
私は下着を持って部屋に備え付けのトイレで下着を穿いた。このまま過ごしていたらなかなかの痴女だと勘違いされそうだから。
「あれ~?誰か入ってるの~?」
トイレの外から誰かがドアをノックしてきた。
「入ってるからドアを無理やりこじ開けないで!?」
「分かった……その声セツナさんだね~」
その声はジータだった。
「ジータ……どうしてこんな時間に起きてるの?」
「なんだか寝れなかったんだよね~どうしてだろ~」
私は下着を穿き終え、トイレのドアを開けた。
「……ジータの寝ぐせ凄いね」
ジータの寝ぐせがとてもアフロで誰かに頭を爆破させられたのかと勘違いしてしまった。
「うん、今から髪を整えるから」
そう言ってジータは洗面台に向かった。
「それでセツナさんはこんな時間にどうして起きてるんですか?」
「朝早く起きちゃったんだよね、不思議だよね」
「まったくですよ……ねーちゃんは腹を出して寝てるし千尋さんは布団にくるまって寝てる、鏡花さんは刀と添い寝……変人だらけですよ」
(いやあなたも相当変人だけど言い返せない……)
時計を見ると午前8時だった。
「……朝飯を買いに行かないと」
「朝のご飯……大阪で言うと朝のパンですかね?」
「そうかもな」
「私ついて行きますよ、朝の運動のついでに動きたいんで」
「いいけどジータって起きた数時間は大人しいのね」
いつもののジータではなく何か大人しめのジータだった。
「それでみんなの好きなパンは知ってるんです?」
「いいや、メロンパンを買っておけば間違いはないと思う」
私は人数分のパンを買った、その時私の手が止まった。
(あれ、レミちゃんってパン食べるのかな)
私は子供サイズのメロンパンに手を伸ばそうとした。
「ねぇジータ、レミちゃんって子供サイズのメロンパンか普通のメロンパン、どっちがいいと思う?」
「多分普通のメロンパンですよ、でも食べるか分かりませんけどね」
私は6つメロンパンを買って机に黙って置いた。
(……みんなが起きるまで暇だし社畜たちを見ながら朝のパンを食べるか)
私は再びベランダに出て下を見た。
(社畜たちが出勤していってる、なんだか……優越感に浸れる)
私は空を見た、すると空が割れているような気がした。
「……ジータ、こっち来て」
「どうしたの~??」
「空、なんだか割れてるような気がするんだけど」
「目の錯覚じゃあないの?って見ても明らかに割れてる……」
空になぜか亀裂が走っていて何やら不吉な予兆がこのあたりに降りかかりそうだった。
(一体あの亀裂が一体何なのか、確認する術はない。唯一出来る事、それはみんなを起こす事かな)
私は朝のパンを食べ終えるとみんなを起こし始めた。
「千尋さん、起きてください」
「ん?もう朝?」
「午前8時ですよ」
「……そっか、もう朝か」
千尋さんが起きると鏡花さんも起きた。
「……もう少し寝させろ」
「ちょっと鏡花さん起きてくださいよ」
「だめじゃ……こいつともう一戦……」
鏡花さんは刀にそう語りかけていた。
(ダメだこの人、寝言が凄い)
ラムダも起きると机に置いてあったパンをとった。
「それでどうして起こしたの?敵襲?」
「空、見てよ」
私は千尋さんに空を見るように言った。
「ありゃ~何だろうね」
「亀裂みたいなものが入ってますよね」
「確かに走ってるね、ライさんに聞く……いや今聞いたら確実にキレられるな」
そして私たちはあの亀裂の事を監視しながら今日行く場所について考え始めた。
「今日は天王寺の方面に行こうか」
「あの歩道橋がある場所ね」
「そうだ、あそこは人の往来が多い、そこで聞き込みをするんだ。最近何か変なことがあったかってね」
「千尋さん、今日の行動はそれでいいんですね」
「ああ、そうと決まれば早速みんな出発するよ」
私たちは天王寺方面に向かい、最近何か変なことがあったかと聞き込みをしていったのだった。
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